e-bike試乗レビュー

夏だ! 山だ! シマノバイカーズだ! 絶対次も来たくなる、オフロード漬けの自転車イベントに初参加

自転車パーツメーカーであり、釣具メーカーであり、かつボート用品メーカーでもあるシマノが、「オフロード自転車」というカテゴリーに(ほぼ)限定して毎年単独で開催しているイベントがあります。それが「シマノバイカーズフェスティバル」です。

筆者はその存在をまったく知らなかったのですが、「めっちゃ楽しいイベントなんで、ぜひ」と編集部から誘われたので、参加してみることにしました。「MTB好きの人たちが集まるちょっとしたお祭りなのかな」くらいに軽く考えていたのですが、実際に行ってみたらちょっとどころではない騒ぎ!

最終的には超大満足でお腹いっぱい(物理的にも)になったイベントだったので、「来年は行ってみようかな」と考えている人に、その楽しさをお裾分けがてら、レポートしたいと思います。

この規模のイベントがマジで1社単独なの!?

毎年恒例となっている「シマノバイカーズフェスティバル」は、長野県は諏訪にある富士見パノラマリゾートが会場。2025年は7月26日と27日の2日間に渡って開催されました。

「第33回シマノバイカーズフェスティバル」の会場
この日のために会場入口に立派なロゴも設置されていた。ちなみに今回から新たなロゴになったそう
会場マップ

ウィンターシーズンはスキー場ですが、雪のない季節は「富士見パノラマリゾート MOUNTAIN BIKE PARK」として、本格的なトレイルライドやダウンヒルが楽しめるようになっている同所(ハイキングも人気のようです)。シマノバイカーズフェスティバルは、その設備やコースの一部を使用する形で実施されています。

ライドコースの一部にはゲレンデの斜面を活かしているところも

近隣のホテルに前乗りして迎えた初日、筆者が現地に到着したのは朝8時ちょうどだったのですが、その時点ですでに会場内の駐車場だけでなく麓の駐車場まで埋まり始めているという混雑ぶり。車中泊やテント泊ができるオートキャンプ場もいっぱいでした。これが本当にメーカー単独のオフロード自転車イベントなの? と疑いそうになるほど。

会場すぐ近くの駐車場はすでにほぼ満杯
下ったところにいくつか駐車場があるけれど、そちらも埋まりつつあった

会場内外の移動は、もちろん自転車の使用OK。みなさんMTBやロードバイクに乗って行き来しています。もちろん筆者と同じe-MTBの人もちらほら。家族連れの方も多いですし、競技用のジャージに身を包んだガチ度高めなお子さまの姿もぞろぞろと。あまりの人の多さに、初っぱなから圧倒されまくりです。

シマノブースでは大人向け、キッズ向けのレクチャーも。装備がガチ

さて、このシマノバイカーズフェスティバル、イベントの中身としては、オフロードレースあり、ツーリングなどのライドプログラムあり、自転車やパーツメーカーの物販や展示もあって、自転車の試乗もできて……と盛りだくさんです。フードトラックや売店、レストランも当然ありますし、初日の夕方には軽食とドリンクが無料提供されるウエルカムパーティまで開かれます。

入場は無料で、一般駐車場の利用も無料(オートキャンプ場は有料)。会場を見て回るだけなら事前の登録などは不要で、ふらっと観光がてら立ち寄るのもかまいません。ただ、早朝以外だと駐車待ちの渋滞ができていたりして入場まで時間がかかるうえ、麓の駐車場から会場までの坂をえっちらおっちら上らなければならない可能性大、ですが……(シャトルバスも走っています)。

初日は時間帯によって八ヶ岳もはっきり見えるいい天気に

大迫力のオフロードレースを間近で初観戦!

2日間のレースとツーリングのスケジュール。朝から夕方までびっしり

イベントの見どころはそれこそたくさんあります。が、メインとなるのはなんといってもレースとツーリングでしょう。会場内の特設コースを舞台にしたMTBやグラベルバイクなどによるレースのスケジュールが、早朝から夕方までびっしり詰まっています。これらは事前に出場・参加登録(有料)が必要です。

ほとんどの時間帯でオフロードバイクによるレースが行なわれている

主に狭い山道を駆け下りるダウンヒルと、舗装路およびオフロードが混在するコースを走るクロスカントリー系のレースがあり、それぞれビギナー向けや本格競技者向け、キッズ向けなどでクラス分けされています。親子参加もできるような緩めのカテゴリーもあるので、レース経験がない人でも楽しめそうです。

ダウンヒルはレースのほか、プロライダーからレクチャーを受けられる講座も
クロスカントリー系のレースでは親子向けやキッズ向けのクラスもある

基本的にはアマチュアレースですが、時にはプロライダーがサポート要員的な立場で一緒に走ることもあるようです。出場者にとっては腕試しできるまたとない機会でしょうし、出場しない場合でもコースのすぐ脇で観戦できるので、その激しい走りを間近で体感できます。

大変そうだけれど、楽しそう

一方、レースよりもっと気軽に参加できるのが、ツーリングなどのライドプログラムです。ガイド役のスタッフの先導で比較的ゆったり走れるもので、ダウンヒルを含むトレイルライドにグラベルライド、オンロードのグループライドなどがあります。走行距離や対象年齢などが異なるたくさんのメニューから、自分の経験値や体力レベルを考慮して選びたいところです(公式サイトでは各メニューの難易度目安も分かるようになっています)。

レースとツーリングの難易度目安(公式サイトより)
ちなみに編集部は「はじめてのグラベル」ツーリングに同行しましたが、気持ち良い道を満喫したそう

今回、筆者は2日目のトレイルライドに参加する予定(その様子は次回お届けします)で、初日は参加イベントなし。なので、とにかく会場をうろうろ歩き回っていたのですが、そんななかでぜひみなさんに見てほしいと思ったイチ押しがダウンヒルレースでした。

猛スピードで下っていくライダーたち

筆者自身、1カ月ほど前に初めて体験したダウンヒルですが、その時はおっかなびっくり走っていた段差だらけの狭い山道を、ものすごい勢いで次々と下っていきます。目の前で見られるだけあって大迫力なうえ、乗り方やライン取りなどを観察しているだけでも勉強になるなあと感じることしきりです。

ゴール直前の通常の階段もレースコースの一部。そこをためらいなくクリアしていく様は一見の価値アリ
会場ではレンタルバイクを借りられるので、MTBを所有していない人でもレースやツーリングに参加できる

ジビエ料理とシマノ「XTR」のクラフトビールが無料で振る舞われる

ブースエリア

メーカー各社が出展しているブースエリアでは、MTB関連のサイクルギアが販売されていたり、試乗車が用意されていたりします。気になる最新モデルを借りて会場内の空きスペースで乗り心地をチェックするのもいいですし、それ用に設定された試乗コースでじっくり性能を体感するのもOK。e-MTBの試乗車もあったので、筆者も思わずお借りしてしまいました。

サイクルギアを展示しているシマノのブース
オフロード用のタイヤもじっくり品定めできる
サイクルギア以外に、自転車を運ぶクルマ用のアイテム展示も多数
試乗車や展示車がよりどりみどり
新型XTRを装備したメリダの最新モデル

会場は人であふれているとはいえ、ブース以外にも見どころが多いためか順番待ちもほとんどなく、サクッと試乗できるのはうれしいところです。さまざまなメーカーのモデルをまとめて、しかもここまで気楽に試せる場はあまりないと思うので、これからMTBを始めたい、という人は試乗目的メインで訪れてみるのもいいかもしれません。

筆者が試乗したGIANT(ジャイアント)のフルサスe-MTB「STANCE E+(スタンス イープラス)」
こぎ出しがかなりパワフルで、荒れた上り坂も軽々とクリアできた
もう1台試乗してみたのが、シマノのオートシフトテクノロジー「Q'AUTO」を搭載したクロスバイク
ペダリング時のトルクなどを検知してシフトアップ・ダウンを自動制御するしくみで、走ることに集中できる
ライダーの手動シフト操作を学習してシフトタイミングの最適化も行なってくれるとのこと

そして、初日にひととおりのレース・ツーリングプログラムが終了した夕方17時過ぎから、お待ちかねのウエルカムパーティ。今年は地元店のジビエサンドに加えて、諏訪に酒蔵をもつ宮坂醸造の日本酒「真澄」が樽で振る舞われました。数百本の缶・瓶ビールも用意されましたが、なかでもシマノの新MTBコンポ「XTR」の名を冠した特別なクラフトビールは圧倒的人気で、あっという間に配布が終了。

豚、イノシシ、鹿の肉を使ったジビエサンド
宮坂醸造の日本酒「真澄」
大量のビールも用意
「XTR」ラベルの特別なクラフトビールまで。もちろん飲んだら(自転車も)乗ってはいけない!

それでもなんとか筆者もXTRビールを1本確保でき、ジビエサンドにもありつけて、日本酒は結局紙コップで4杯も飲んでしまいました。ビールはお腹に入らなかったので帰宅後に大事に飲ませていただきましたが、お腹いっぱい、胸いっぱいの1日で大満足。フードもドリンクもハイクオリティ過ぎるのに無料というのはなんだか申し訳なくなるので、次回はフツーに有料のチケット制などにしてもいいのでは、なんて思ってしまいました。

クラフトビールをなんとかゲット!
ジビエサンドもゲット!
太鼓演奏とBMXによるエクストリームパフォーマンスで会場の盛り上がりは最高潮に

というわけで、ここまでが1日目。ツーリングイベントに参加する2日目が筆者にとってはいわば本番なので、それはまた次回、レポートしたいと思います。

日沼 諭史

モバイル、ガジェット、エンタープライズ系サービス、旅行、クルマ、バイク、オーディオ&ビジュアルなどなど、なんでも書くライターみたいなことをやっている人。