e-bike試乗レビュー

GWに4年ぶりのしまなみ海道へ! ジャイアントのレンタルe-bikeで100km楽しんできた

GW初日の4月27・28日に約4年ぶりのしまなみ海道へ行ってきました

今年のGWは最大で10連休。楽しんでいる人もいれば、一方でお仕事中の人もいます。「どこも混雑しているし料金も高いし、わざわざ外出しなくても……」と自分に言い聞かせるように、この数年は貯まっている仕事を進めるGWを過ごしています。今年もGW後半は仕事が入っているため、数日だけでも特別な体験をしたい! と思って、約4年ぶりにしまなみ海道へ1泊2日で行ってきました。

尾道でジャイアントのe-bikeをレンタル

尾道周辺には数多くのレンタサイクルがありますが、ジャイアントストア尾道でクロスバイクe-bike「ESCAPE RX-E+」をレンタル。前回はトランポを交えながらサイクリングを楽しみましたが、今回は一人旅で自走するので、走りやすさとバッテリー容量を重視しました。ジャイアント初のe-bikeとして2019年に発売された人気モデル(現在は販売終了)です。ESCAPE RX-E+で気持ち良さそうに走る外国人や女性グループなどをたくさん見かけました。予約時にラスト1台だったわけです。

ジャイアントストア尾道 上野店長が対応してくれました
ヘルメットとパンクなどのトラブル時の連絡先のリストが一緒に渡されます。1泊2日の場合は充電器もセットになります
ケースにはバッテリー用のキー、充電器、操作方法が入っています
レンタル車にはフレームバッグがセットされています
バッグ内にはカギとタイヤのチューブが入っています。パンク時に工具を持っていない場合はリストのショップに連絡して修理してもらうことになります。パンクした場合は最後にチューブ代が別途支払いとなります
しまなみ海道の中央に位置する大三島(おおみしま)のサイクリング総合施設「WAKKA(ワッカ)」にはこんなサイクルタクシーが

ちなみにジャイアントストア尾道は、海運倉庫をリノベーションした「ONOMICHI U2」内にあります。"まちの中のちいさなまち”をテーマにしており、ホテルやレストラン、バー、カフェ、ベーカリー、ライフスタイルショップが入っています。ジャイアンストストア尾道の向かい側では、ONOMICHI U2 10周年記念「よりみちマーケット」というサイクリングカルチャーを楽しむイベントも。5月12日まで開催中とのことで、これから尾道方面に行かれる人は立ち寄ってみてください。

海運倉庫をリノベーションしたONOMICHI U2
ジャイアントストア尾道もこの施設内にあります
施設内にはさまざまなショップが入っています
オブジェの奥は宿泊施設
ジャイアントストア尾道の向かいにも気になるイベントが
ONOMICHI U2 10周年記念「よりみちマーケット」というサイクリングカルチャーを楽しむイベントで思わず寄り道してしまいました。5月12日まで開催中です

サイクルカジュアルアパレル「narifuri(ナリフリ)」"電気の繊維”ピエクレックスがコラボしたバックポケット付きTシャツを発見。電気繋がりで思わず衝動買い。電気の繊維のウェアって? また別の機会にご紹介します。

よりみちマーケットで気になるアイテムを発見。電気の繊維?
"電気の繊維”ピエクレックスのTシャツが展示されています
narifuriのアイテムでサイクリングに便利なバックポケット付き
水色のTシャツを購入
展示されていたハンドタオル
堆肥化されて土に戻る環境にやさしい素材らしいです

車体を受け取った後に施設内を見学したり、お茶をしたり、買い物したり、ずいぶん長い寄り道を満喫し、ようやくサイクリングへ出発です。広島出身のイベント運営スタッフが教えてくれた向島(むかいしま)へ向かうことに。距離は短いものの、e-bikeならオススメできる場所にあるそう。

寄り道を楽しみすぎましたが、いよいよサイクリングへ
フェリーで向島に向かいます。料金は大人+自転車でたった110円。船内現金払いです
あっという間に到着
よりみちマーケット運営スタッフにオススメされてやって来たのは……郷土文化保存伝習施設兼管理センター?
2Fにはリノベーションした「USHIO CHOCOLATL」という人気のチョコレートメーカーが
カカオソーダをいただきました。スパイシーで美味しい!
窓からの景色もキレイ
上の写真からも想像できるように南の山の中腹に位置しています。実はけっこうな激坂を上って来たのです。e-bikeで良かった!
アップダウンが激しく帰り道もキツイ箇所がたびたび。自転車を押し歩く姿も
自転車用のフェリーが出航してしまったので周辺をウロウロしていたらカーフェリーがやってきました
初日のサイクリングは向島を少しだけ走って終了

夏日のしまなみ海道を満喫! e-bikeはやっぱり散策しやすい

東京からは気軽に行ける場所ではないので、天気が心配でしたが見事に夏日で快晴! 2日目は朝からがっつりサイクリングを楽しみます。事前にリサーチしすぎると、スポットを詰め込み過ぎて慌ただしくなりそうなので、車体レンタル以外はノープランで。前回は大三島を拠点に今治方面を巡ったので、まだ行ったことのない因島(いんのしま)を含めて尾道方面を目指します。島に到着したら案内板をチェックするか、e-bikeなので適当に走ります。

2日目は晴れ! 大三島の道の駅 多々羅しまなみ公園からスタート
人気のサイクリストの聖地記念碑。朝早いのでサイクリストも少ない
今回も記念撮影。次回もきっと撮影します
記念碑の穴を覗いてみたり
多々羅大橋に向かう前にすぐそばの展望台へ。実はかなりの上り坂。ペダルバイクの人が必死になって上っていました
多々羅しまなみ公園からここまで上ってきます
多々羅大橋を見下ろせます

朝早めに出発。サイクリストには出会うものの、観光客はもちろんクルマも少なく非常に走りやすい時間が続きました。いつもe-bike旅ではできるだけ現地の名産などを味わうのが楽しみですが、そのお店も営業前なので海を眺めたりのんびり走り続けます。今回は一人旅ですが、初めてしまなみ海道を走った時と変わらぬテンションで、「あー凄い」「気持ちいいー」「すげー」など大きな独り言が自然に出てきます。

生口島(いくちじま)に入りました
生口島への下りのアプローチに突然恐竜! 4年前にはなかった……と思って調べてみると、2021年に誕生した「怪獣レモン」だそう
朝早いので自転車もクルマも少なくより走りやすくて快適
レンタサイクルのオープン準備中。電動アシスト自転車がズラリ
なんとなくアートな廃バス
アーチ型の高根大橋は柑橘系カラー。青空にマッチします
しおまち商店街に到着
どのお店も開店前
と思ったらお肉屋さんが開店している
名物のコロッケをゲット。たくさんのサインが飾られている人気店で帰りは行列ができていました
レモン島だけあって郵便ポストもレモンカラー
キレイな海をボーッと眺めて休憩したり
生口橋を渡って次の因島へ
因島へ入りました
向島へ繋がる因島大橋までは約8km
案内板で見つけた自転車神社へ。グラベルの聖地!?
たくさんののぼりが見えてきました
神社の入り口までは14%の激坂! でもe-bikeだから停車して記念撮影しちゃいます
自転車神社に到着。e-bikeじゃないと辛いのは確実
全長7kmのグラベルコースは神社の受付で申し込めるそう。今度走ってみたい!
お土産に御守りを購入しました
因島大橋へ向けてのんびりサイクリング再開
因島は除虫菊で有名と知ります
除虫菊以外には、はっさくが名産らしい。はっさく大福のお店が定休日だったので次回ぜひ
いろいろな景色を楽しみながら進みます

レンタサイクル営業開始後、走るにつれてどんどん人が増えてきました。愛車のe-bikeで走る人もいたでしょうが、おそらく観光目的でe-bikeをレンタルしている人が多いこと! 4年ぶりなので車種も増えていますし、当時は緊急事態宣言直前だったので比較はできませんが、かなりのe-bikeが走っていました。尾道か今治で借りたであろうジャイアントのe-bikeは非常に多かったですが、その他のe-bikeもたくさん。「あっミヤタ、あれはベスビー、おっベネリ、パナソニックやデイトナも多いな」とか最初は見かけたe-bikeを数えようとしましたが、多すぎてすぐにやめました。電動アシスト自転車はもっと多いので、しまなみ海道の電動率は相当高いと思います。

観光目的サイクリングはe-bikeや電動アシストが絶対にオススメ!

e-bike Watch読者の場合は、しまなみ海道でレンタルする場合は迷うことなくe-bikeを選ぶ人が多いと思います。ただし、自転車観光が目的でe-bikeを知らない人は、レンタル料金が高いために通常の自転車を選ぶケースが多いのも事実でしょう。数千円の差で辛さは軽減でき、楽しさも追加されます。また、6月に発売されるパナソニックの子供用e-bikeがあれば、家族のサイクリングがもっとたのしくなりそうですね。

ストップ&ゴーが得意なe-bikeならば、気になる場所に気軽に止まれて旅が捗ります

しまなみ海道はサイクリストには余裕であっても、通勤・通学や買い物などの日常使い程度の人にとっては苦労する道も多いです。せっかくの観光で疲れてしまったり、楽しみにしていた場所へ行けなかったら残念ですよね。車体価格の高いe-bikeは、当然レンタル料金も高くなります。しかし、その価格差が特別な楽しさを与えてくれるものでもあります。目的地まで坂が続いて押し歩きしている姿を何度も目にしました。そうした苦労も旅の思い出として笑い話に変えられるならいいですが、できるだけ体力と時間を観光のほうに使いたいならぜひ「電動」をオススメします。

坂道で押し歩く人もたくさん見かけました

今回は多々羅大橋、生口橋、因島大橋の3つの橋を往復しました。往路は朝早かったので人も少なくe-bikeならではでサクサク進めましたが、午後早めの復路は渋滞でした。橋も対面走行なのでゆっくり走ることになり、10km/hに満たないケースもありました。さまざまな年齢の老若男女が走っているので脚力レベルもそれぞれです。橋へのアプローチは約3%程度でしたが、必死に走っている人もいれば、遅いと感じる人が混ざっている状況です。そこで頑張りすぎてしまって体力や時間を消費してしまっては、ちょっともったいないですよね。

アプローチも含めて橋は対面走行なので、時間帯によってはかなり渋滞します

e-bikeの場合はその辛さやイライラを感じずに走ることができます。例えば子供たちが一生懸命走っていたら、がんばれーと応援できる余裕があってほほえましく感じることができるはずです。

そして、常にe-bikeである必要もないのも事実です。スポーツバイク未経験、長距離は走らない、自転車旅で疲れすぎたくない等々の目的に合わせた自転車を選ぶと、しまなみ海道はもっと充実すると思います。

余談ですが、すれ違った外国人は100%近くヘルメットを着用していました。日本人も大半は着用していましたが、若い人はハンドルにぶら下げていたり、前カゴに入れていたり……そんなケースも目にしました。とあるファット系e-bikeに乗っている若い女性たちと多くすれ違いましたが、そもそも「ヘルメットが見当たりません」でした。しまなみ海道という素敵な場所を楽しむためにも、(一部だと思いますが)レンタサイクルの対応も改善されていくと良いなと感じました。

GWはやっぱり大混雑だけど楽しかった! 3回目のしまなみ海道を走りたい

今回もしまなみ海道は最高でした! とはいえ、GW初日で空港も大混雑でフライトも定刻が遅れたり、せっかくの休暇なのに出発前からイライラした人の文句が聞こえてきたり、「やっぱりGWなんて外出するもんじゃないな」という気持ちも芽生えたりしました。

それでも青い空と海に囲まれて走るしまなみ海道はやっぱり最高で、寄り道先を楽しんだり。混雑は嫌ですけどそれだけ人も多いので、サイクリングを楽しむ笑顔も多くなります。家族や友人、グループでもソロでも楽しそうな姿を見ると「うんうん分かるよ、最高だよね! 俺も最高だよ!!」ソロだけど一緒に走っている感じで幸せになりました。次は4年も空けずにまた来よう! 誰かと会話しながら走りたい。

楽しそうな家族もたくさん見かけました
いろいろ寄り道したり
海を眺めて癒されたり
ご当地グルメを満喫したり
個人的にはいつもよりのんびりした時間を過ごしたつもりでしたが、楽しくて気づけば2日目は90km以上走っていました。バッテリー残量も50%以上残っているので充電器の出番はありませんでした
e-bike部