e-bike試乗レビュー
e-bike購入で無理せず10kg以上減量。体型も体力も変わり、新しい楽しさまで手に入れた
2023年3月29日 08:05
2022年まで世界中で起きていたe-bikeの在庫不足も解消されつつあり、現在はずいぶん入手しやすくなってきた。でも、車体価格に関しては、製造にかかる経費の高騰から以前と比べて高くなったままだ。それだけにモノがあっても買いにくい状況ではあるのだけど、日用品や他の幅広い分野の製品同様に、今後も値上げされることも予想できる。それだけにe-bikeが欲しいと思っているのなら、在庫が復活しているいま決断したほうがいいと言えるだろう。
さて、そういう筆者は2021年にミヤタのROADREX 6180を購入した。当時は新型コロナウイルス感染症の真っ只中だったが、在庫不足や価格面に影響はなかった。そのため、シマノSTEPS「E6180シリーズ」を積んだROADREX 6180を待たずに、そして328,000円で買うことができた。
ただ、購入してから半年も経たないうちにバッテリーがインチューブ式になった新型が発表されてショックを受けるというオマケはついたが、現在も気に入って乗っている。
今回はe-bike購入を考えている読者の方々に向けて、e-bike購入経験者として感じたことをお伝えしようと思う。とはいえ、多くの方にアンケートを取るなどしたわけでなく、あくまで筆者の感想なので、どこまで参考になるかわからないけれども、よければお付き合いください。
e-bikeを購入した理由
筆者が「e-bikeを買おう」と思った理由は運動不足の解消だ。購入時期のあたりは「緊急事態宣言」が発令された頃で、外出機会も激減し、身体を動かさない日が続いた。そのため体重は増え筋肉(そもそもたいしたことないが)も衰える感覚があった。
そんなときに取材で乗る機会を得たe-bikeに対して「トレーニングにいいな」と感じて購入することにしたのだ。
でも、トレーニング目的であればアシストのないペダルバイクでいいのでは? と思うかもしれない。
たしかにそうとも言えるのだが、スポーツタイプの自転車はスポーツ用品である。そして、自転車は人力で走らせるものであり、速く力強く漕ぐための体力、筋力、正しい乗車姿勢を取ることが求められるので、それができる「身体」が必要。つまり、スポーツタイプの自転車は乗ること自体がスポーツなのだ。
そうした乗り物に運動不足のおじさんが乗るとどうなるかというと「思っていたよりキツイこと」からだんだん乗らなくなる。
具体的にいえば、足の疲れや体力不足からの心拍上がりすぎは当然として、前傾姿勢を取ることでの手の疲れ、体全体の疲れ、首を起こし気味にすることでの首の筋肉の疲れ、そして堅いサドルにあたるお尻の痛み(これはとくに強烈)などがある。つまり、あちこちがキツイのだ。
そんな状況において、e-bikeは最低保証(?)として漕ぐことをアシストしてくれる。筆者も当初は有無も言わさず常にアシストモードを「HIGH」にしていたのだが、これは本当に助かった。へばったり痛みを感じているときでも、アシストがあったおかげで止まることなく走り続けることができたと思っている。
ちなみに、シマノSTEPS「E6180シリーズ」のアシストは、一般的な電動アシスト自転車のような常時高いトルクでのアシストではなく、ペダルの踏みこみ具合に応じて、脚力が少々強くなった感じの自然なアシストなので、助けてもらってはいるが「頼りすぎていない」と感じるところがとてもいいと思っている。
e-bikeを乗り続けてみると……
こうした状況をしばらく続けていくと、体力や筋力は自然と付いてくるので、距離を伸ばしたりアベレージを上げること(少し)こもできるようになった。
それに前傾姿勢を続けていることで体幹が鍛えられるから、上半身や首も楽になるし、お尻の痛みも感じなくなるようになる。このお尻の痛みについては、お尻の神経が痛みに慣れるのではなくて、乗車中の体重を手足の筋力や体幹で支えられるようになったことからお尻への荷重が減ったことが大きいと感じている。
こういう段階まで来るとe-bikeに乗ることが楽しくなる。時間にすると乗り始めて2~3カ月くらいだっただろうか。筆者の場合は、とにかく最初の時期は「乗るための基本的な身体作り」のためのガマンが必要だった。
そして体重も順調に減ってきて、もっとも減ったときで最大値より約13kgほど痩せた。なお、この間は食事制限をしていないし、2週間くらいe-bikeに乗らないときがあっても体型は変わらないので、明らかに太りにくい体になったと思う。
e-bikeに乗って何がいちばん変わった?
e-bikeを買ったことで大きく変わったと感じているのが「体形と体力」だ。この結果は自分的に求めていたことだが、正直、ここまで変わったのはビックリ。期待以上の効果だが、これも「継続して乗る」ことができたからで、そのサポートになったのが冒頭でも書いたようアシストのおかげでもあるが、そもそもの話としては、e-bikeを買うと決めたことが大正解だった。
イマドキの相場より安いとはいえ、これまで高い自転車を買ったことがない筆者にとって30万円を超えるe-bikeを買うのはずいぶん勇気がいることだったけど、これは結果オーライ。
最初は「どこへサイクリングに行こうか?」と考えていたが、今となってはただe-bikeで走ることが楽しくて、仕事の合間に1時間くらい走っている。これがいい気分転換になるのだ。
つまり、e-bikeを買ったからといって「サイクリングに行かなきゃ」みたいな使命感に囚われる必要はない(もちろんサイクリングは楽しいので行くべき)。日常のなかで乗るだけで十分にe-bikeが楽しめるということだ。
こうしたことはe-bikeを買えば誰でも実現可能なのだけど「買わないと始まらない」ことでもある。
納期や価格の変動が気になって買うタイミングがいまいち掴めない人もいるとは思うけど、外での運動に適した春から初夏に乗れる「いまの時期での購入」をオススメしたい。
そして、夏までにe-bikeに慣れておけば、夏休みのサイクリングも楽しめるようになっているはずだ。
ということで、2021年にROADREX 6180を購入した筆者の経験を書かせていただいた。もし、2021年のあのときに買わずにいたとしたら、その後の在庫不足や価格高騰などからひょっとするといまe-bikeに乗っていなかったかもしれないけど……現在の自分のことを考えると「それは大損」といえること。
そんな気持ちから言わせていただくと「欲しい時が買い時」である。迷う時期も楽しいけど、買うともっと楽しい。そういうものだと思うで、ここで!!……どうでしょう。