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[始めよう薬膳レシピ33]胃腸を改善する「野菜のさっぱり和え」花粉症に
2018年 4月 20日 18:00
薬膳では、春に「肝」や「脾(胃腸)」に着目します。今回は、消化力を上げる「ダイコン」と、花粉症の症状でもある、眼のかすみなどに効く「クコの実」「菊花」で作る「野菜のさっぱり和え」のレシピをご紹介します。「菊花(食用菊)」というと、馴染みのない方が多いかもしれませんが、花粉症で充血したり、肌のかゆみがある方には、おすすめの食材です。スーパーで購入できて、使い方も簡単なので、順番に紹介していきますね。
胃腸を改善する「野菜のさっぱり和え」の食材効果
今回ご紹介するのは、胃もたれやお腹の張りといった、胃腸のプチ不調を和らげる、「ダイコン」のさっぱり和えです。
薬膳で春は、五臓の「肝(かん)」や「脾(ひ)」の働きを補うと、健やかに過ごせると考えます。「肝」は「気」「血」を、「脾」は消化や排出をコントロールする機能のことです。「ダイコン」は、「気」の巡りを助けて、消化を助けるので、春に適した食材なのです。
また一緒に調理する「クコの実(クコシ)」と「菊花」は、どちらも眼に効く食材です。「クコの実」は視力の回復や滋養強壮に期待でき、「菊花」は目のかすみや充血に効くとされるため、花粉症に伴う症状の緩和にも役立ちますよ。「クコの実」については、効能や使い方を【フルーツの薬膳レシピ16】で紹介していますので、気になった方は下の記事を参照してみてくださいね。
胃腸を改善する「野菜のさっぱり和え」の材料
<材料:2~3人分>
ダシ昆布:10g
水:500ml(ダシを取るのに使用)
ダイコン:中1/4~1/3本
クコの実:片手に乗るくらい
塩:小さじ2~3
酢:大さじ2/3
醤油:大さじ1
おろしショウガ:小さじ2(なくても可)
菊花:2~3個(なくても可)
胃腸の調子を改善する「野菜のさっぱり和え」の作り方
1.ダシ昆布を30~40分ほど水に浸けてから、鍋で加熱し、沸騰する手前で取り出します
2.クコの実は、お湯または好みのお酒に浸けておきましょう。ダイコンは皮を剥かずに薄いイチョウ切りにし、菊花は花びらを外して茹で、ザルなどに上げておきます
※クコの実は、そのままでも召し上がれますが、浸けた方が柔らかくなります
3.1.に、塩、酢、醤油、おろしショウガ、ダイコンを加えます。ここで食べても良いですが、数十分漬けておくと、より味が染み込みます
4.3.と菊花を混ぜてお皿へ盛り付け、クコの実を散らしていただきましょう
※写真では、最後に生の菊花を散らしています
薬効1「ダイコン」
「ダイコン」は、「菜の花」や「ショウガ」と同じ、「辛」味の野菜なので、体の中に溜まった老廃物を排出したり、むくみも改善します。声枯れや痰(たん)にも効果が期待でき、その場合には「ハチミツ」との組み合わせが効果的です。
薬効2「菊花」
「菊花(食用菊)」は、デトックス効果が高いため、体内の余分な熱や水分を排出するほか、目のかすみや充血などを緩和する食材です。そのままでは若干苦味があり、茹でると苦味が取れます。乾燥させた菊花は、お茶にも使われますが、香りが強く、独特の味わいです。たくさん食べたいときは、茹でるのがおすすめですが、体を強めに冷やす「寒性」の食材なので、冷えが気になる方は食べ過ぎないようにしましょう。
菊花を調理に使ってみて!
今回は「ダイコン」のほかに、「菊花」を使った和えものをご紹介しました。「菊花」は、そのままでも食べられますが、茹でると量を摂れるので、手軽にお浸しでも楽しめます。お漬物も販売されていますよ。
上の写真は茹でた「菊花」で、4花分ほどです。販売されている「菊花」を見ると、量が多そうに見えますが、パック入りを買っても意外に消費できますよ。春らしい色合いで、食卓が華やかになり、茹でても消えない優しい香りには、癒しの効果もあります。
また「菊花」と「クコの実」は、どちらも眼に効くほか、「血」と関わりがあるため、肌荒れにも期待できる食材です。最近はスーパーでも買えるようになったので、ぜひお試しくださいね。