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【不調の薬膳9】「夏風邪」予防!免疫力の低下を防ぎ、体力を保つ4野菜

エアコンなどで体バランスが崩れがちな夏の風邪は、免疫力も落ちていることが多いので長引く傾向があります。冷えてしまった体を食べ物(薬膳)で緩和しながら、免疫力の低下を防ぎ、体力を維持していきませんか。日々のストレスや夏の暑さで疲れが溜まると、知らないうちに免疫力が低下してしまいます。また冷えの症状が続くと風邪ウイルスに感染しやすくなったり、腸内環境にも影響するので、体を温め「血」を補い、体全体の「気」を促して元気に過ごしましょう。

 

うどん、煮物に「長ネギ」をプラスして、体の滞りを解消

ネギ類は体を温める作用が有名で、五行説でご紹介した「金」要素にある「辛」味の食材にあたります。長ネギの緑色部分にはビタミン群が豊富で疲労回復に効くほか、発汗作用や熱冷ましに効果があるとされます。白色部分は、古くから中国で感冒(風邪の予防)や肩凝りなど体の痛みや神経の高ぶりを軽減するために使われてきました。長ネギは、生では辛みが強いですが火を通すと甘みが出るので、うどんやそば、煮物といった定番メニューのほか、パスタに和えたり、サラダやスープに焼きネギを加えても美味しく食べられます。

 

キムチを加えて腸内環境改善!「ニラ」多めのチジミ

ニラは冬の旬野菜で体を温める作用があり、「肝」に働きかけて「気」「血」を巡らせ、体を元気にします。抗酸化作用で活性酸素を消すとされるので免疫力の低下を防ぎ、夏風邪の予防にも効果が。 ニラは「甘」を含む肉類や、油分との相性も良いという特徴があるうえ、油での調理は素材の栄養素の吸収を良くします。さらにネギ類やニンニクにも含まれる「アリシン」が、夏の食欲低下を改善させ疲れを取ります。そしてチジミや中華炒めに、「乳酸菌」の含まれるキムチを加えれば、腸内環境を整えるほか、唐辛子の「カプサイシン」が代謝を上げ、薬効成分で免疫力の低下も防いでくれますよ。

 

「血」を巡らせる「ホウレン草」 をスムージーや油炒めに!

ホウレン草は「ビタミンC」を含む食材と一緒に食べると「鉄分」をより多く補え、ニラと同じく油との相性が良いので油炒めにすると栄養素を吸収しやすくなります。「血虚」を改善し「血」を巡らせて体にエネルギーを補給するとともに、「涼性」で体を少し冷やすため夏には嬉しい食材です。体の冷えが強い方は、炒め物やお吸い物で食べると良いですよ。ホウレン草の栄養素を手軽に摂るには、爽快感が高く胃の働きも助けるミントや果物と一緒に、スムージーにして飲んでもいいですね!

 

「玉ネギ」でもう1品、お子さんにはカレーやシチューで

玉ネギは血液サラサラ効果で有名な野菜ですね。薬膳では「辛」味の食材で、「温性」食材でもあるので体を温め、胃腸の働きを良くして食欲を取り戻すほか、胃もたれやゲップに効くとされます。焼いてドレッシングをかけたり丸ごと煮込むなどするだけで、メニューに1品追加できて便利なほか、夏は冷製スープにして食べたり、ムニエルや肉料理のトッピングにもなるため出番が多いですね。生玉ネギは、大量に食べると小さなお子さんには刺激が強いため、カレーやシチュー、グラタンに入れると胃に優しく、食べやすくなります。風邪を引いた場合は、玉ネギと似た作用のあるダイコンを摂り、喉の痛みや咳が辛いときはハチミツ大根や大根おろしを試す方法もあります。

 

まとめ

ご紹介した「辛」味の食材のなかには、薬味に使われる食材が多いです。例えば、ショウガは生姜(ショウキョウ)、ネギは葱白(ソウハク)、シソは蘇葉(紫蘇葉・ソヨウ)として漢方に使われるほど効果が強めの野菜です。東洋医学や薬膳では、「薬食同源(やくしょくどうげん)」や「医食同源(いしょくどうげん)」という言葉を使って、「普段の食事に気を付ける」=「健康を目指す」と考え、心がけで病気の予防にもなると説いています。体内の熱を調整できる夏の野菜として、【旬の薬膳5】でゴーヤを、【旬の薬膳8】でクウシンサイをレシピやメニューとともにご紹介していますが、最近疲れやすい、風邪に負けないようにしたいという方は今回ご紹介した「辛」味の食材パワーの力も取り入れて、夏の体を癒していきましょう!みなさんの健康を心から願っていますね。

 

 

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。