家電ラボの徹底「本音」レビュー
海老天サクサク、ベーグルもちもち! バルミューダのリベイカーで温めてみた
2024年3月15日 08:05
スチーム加熱を採用したことで大人気のバルミューダ「BALMUDA The Toaster」から、一番の特徴でもあるスチーム機能を省略した「ReBaker(リベイカー) KTT01JP」が発売されました。その名の通り、「リベイク」が得意なトースターです。価格は24,200円。最上位トースターの「BALMUDA The Toaster Pro」が37,400円ですから、買いやすい価格となっています。
トーストだけでなく、温め直しが得意なトースター
バルミューダのトースターは、スチームを使ってパンの水分を保ったまま、外側をパリッと焼き上げる焼き方で、高級トースターブームを牽引してきました。
そのため、最初にリベイカーの発表内容を見たときは「スチームを省いて大丈夫なの?」と不安になりましたが、リベイカーのメインとなる調理の目的は、これまでとは異なるのです。
リベイカーは、温度制御などを1から見直し、BALMUDA The Toasterシリーズよりも、リベイクや温め直しが得意なトースターです。1秒ごとに1℃単位で上下のヒーターの強さを調整し続ける、独自の温度制御テクノロジーを備えているとのこと。「焦がさずに、中はアツアツ」を目指して開発されたトースターです。
デザインはBALMUDA The Toasterシリーズと雰囲気は似ているものの、カジュアルな印象です。本体サイズは347×330×216mm(幅×奥行き×高さ)で、従来のような水を入れるところはありません。
リベイクモードのほかに「フライド/トースト/チーズトースト/オーブン」の計5モードを搭載。操作はBALMUDA The Toasterシリーズとは少々異なり、モード変更はダイヤルではなくプッシュ式に変わりました。基本的には、モードボタンでモードを決めてから、時間設定のダイヤルを回します。
モードと焼き時間が連動している点もユニークです。例えば「リベイク」モードは3~6分が推奨のため、同モードを指定すると右側の時間調整ダイヤルも3~6分のLEDが点灯します。目安がわかるので迷いにくく、便利です。
最初に焼いたのはコンビニやスーパーで定番の「まるごとソーセージ」。リベイカーを開発するきっかけとなったパンです。「若い頃によく食べていたまるごとソーセージを、美味しく焼き上げたい」という代表取締役社長の寺尾玄さんの思いから、徹底的に研究したそうです。
山崎製パンのホームページによると、まるごとソーセージは男性人気No.1のパン。少し甘めのしっとりしたパンと、からしの効いたマヨネーズタイプのドレッシングとソーセージが挟まっているボリューム満点のパンです。そのまま食べても美味しいのですが、ソーセージが入っているため加熱してアツアツにして食べたいところ。ただし、そのままトースターで焼くと表面が焦げて中が冷たいまま……ということになりがちです。
まるごとソーセージが中までアツアツ、パン生地はふっくら!
リベイカーの「リベイク」モードで、まるごとソーセージを4分加熱してみました。庫内はヒーターが点いたり、消えたり、温度を細かく調整しています。
焼き上がったパンは、色はほぼ変わりがありません。しかし、パンはふっくらとしており、少し膨らんでいるように見えます。
切ってからサーモグラフィで確認したところ、ソーセージの部分も温まっていました。さっそく食べてみると、パンはふわふわ。ソーセージは加熱されたことで脂が少し溶け、プリッとしています。冷たいまま食べるよりも、はるかにおいしいまるごとソーセージでした。
高級パンではありませんが、これだけ美味しく仕上がるのはうれしいです。我が家にも食べ盛りの高校生男子がいますが、もりもりと食べていました。
あんパンやチョコクロワッサンもふんわり
付属のガイドブックにはあんぱんの加熱時間も記載されていたので、リベイクしてみました。あんぱんが少し小さめだったので、加熱時間を3分に設定。
温め終わるとパンがふんわりとしていて、こしあんの香りがふわっと口に広がります。あんぱんを温めることはこれまでなかったのですが、とても美味しくてやみつきに。温かいあんことパンの組み合わせは想像以上にマッチしていました。
次に小さめのチョコクロワッサンも試してみました。チョコレートが生地に練り込んであるので、加熱温度によっては焦げそうですが、3分加熱したところ温める前と色は同じです。しんなりしていたクロワッサンですが、加熱後はサクッとした食感に戻り、噛むとチョコレートがとろりと出てきました。焼き立てのような美味しさです。
そして、ふだんからよく食べるベーグルを加熱してみました。ベーグルは取扱説明書には「トースト」モードで4~5分とありましたが、焦げ目をつけたくなかったので「リベイク」モードで5分加熱しました。
すると表面はピンと張りがあり、中はもちもちに! 少し小さめのベーグルだったので5分でも大丈夫でしたが、コストコで買うような大きなベーグルでは6~7分加熱する必要がありそうです。食感がたまらず、我が家でベーグルをリベイクする際は「リベイク」モードで加熱することにしました。焦げ目をつけたいなら「トースト」モード、焦げ目をつけずに中まで加熱するなら「リベイク」モードと使い分けられるのもうれしいですね。
トーストするなら食パンは厚めがおすすめ
食パンは1度に2枚まで同時に焼けます。BALMUDA The Toasterシリーズのように水を入れる必要はなく、「トースト」モードに設定して5枚切りを3.5分焼いてみました。
中心部(左のパンは右半分、右のパンは左半分)の色が濃く、裏側は奥側に濃い焦げ色がついていました。少し焼きムラがありますが、食べた時に特に気になる感じはありません。外はサクッと、中はふんわり焼けていました。
ただ、BALMUDA The Toasterシリーズと比較すると耳が硬く、食感のコントラストは弱い印象です。BALMUDA The Toasterシリーズは、耳までふわっとしており、中は水分が多く、外側は表面だけサッと焼き色がつきます。やはり水を入れる手間はかかりますが、この点に関してはBALMUDA The Toasterシリーズのほうに軍配が上がります。リベイカーでトーストを焼くのであれば、水分が逃げにくい5枚切り以上の少し厚いパンがおすすめです。
天ぷらの再加熱に感動。サクサクで揚げたてのような美味しさ
「フライド」モードも試してみました。コロッケやから揚げなどを再加熱できるモードです。一番気になっていたのは天ぷらの温め直し。市販の総菜を買うと、シナシナで油のにおいも気になります。
アルミ箔を手でくしゃくしゃにしてから焼き網に敷き、食材をのせます。天ぷらの温め目安は6~8分。今回はエビの天ぷら2本を6分加熱しました。
3分ほど経過すると、表面から油がにじみ出てツヤツヤに。「焦げて油っぽくなるのでは?」と心配しつつ、取り出してみると色は全く変わっていません。キッチンペーパーに少し置いてから半分に切ってみると、「サクッ」というよい音がします。
中の温度を計測したところ、42.7℃。余分な水分が蒸発しており、サクサクでした。嫌な油のにおいも全くなく、揚げたてのようです。
次はかき揚げです。かき揚げは大きく、厚みがあるので加熱が難しいのですが、同じように7分加熱したところ、中心部は51.1℃。表面はもっと熱いので、口に入れるとアツアツでした。
何よりも揚げ物は古い揚げ油のニオイが気になるのですが、それが気にならなくなり、食感も戻るので感激しました。一般的には、こういった揚げ物の温め直しは、熱をファンで対流させ、サクサクに仕上げるコンベクションオーブンが得意。
リベイカーはトースターなので、熱のみで温めることとなり、不利ではないかと予想していましたが、結果的には制御がきちんと行なわれているため、揚げ物も上手に再加熱ができました。
色々な使い方ができてコスパよし。楽しみが広がるトースター
加熱時間を自分で設定しなければならず、最初は覚えるまで失敗することも多いかもしれません。トースターの上(奥側)に加熱時間の目安が記載してあるので、そこで確認できますが、棚の中段や冷蔵庫の上に置いた場合、この表示が見えないのです。見えない場所に置いた場合には、取扱説明書で確認する必要になるのが少々面倒でした。本当は扉に記載されているか、一覧表を紙1枚にまとめてあると見やすいのですが……。この点は、今後に期待したいところです。
Uberなどの宅配が当たり前になった今、ちょっと冷めた食べ物を温め直すことも多いので、美味しく温め直しができるのは嬉しいですね。作りたてのように焼き上げてくれるので、出番は想像以上に多くなりそうです。