家電ラボの徹底「本音」レビュー
シャープの「フクロウ」サーキュレーターに大満足! 部屋干しにもエアコン補助にも
2024年7月10日 11:05
エアコンをつけると部屋の温度ムラが気になることも。「足元だけが寒い」「エアコンから遠い場所が暑い」といった温度ムラでお悩みなら、サーキュレーターがおすすめです。部屋の空気を循環させて温度を均一に保つことで、電気代を抑え快適性もアップ。我が家もエアコンONと同時にサーキュレーターもフル稼働させています。
ただ、サーキュレーターは直進性が高い風なので肌への当たりが強く、人が涼むのには不向き。いつも扇風機と2台使いになってしまうので、邪魔だな……と思っていました。
今回ご紹介するシャープのサーキュレーター「PK-18S01」は、コンパクトなのにパワフル、さらに人が当たっても不快にならない風が特徴とのこと。羽根にフクロウの翼の形状を応用したデザインもユニークで、扇風機としても使える優しい風も得意ということで、同製品を実際に使ってみました。
音が静か! 優しい風からパワフルな風まで万能
シャープは数多くの扇風機を販売してきたメーカーですが、サーキュレーターは初めて。第1号となるサーキュレーターが今回ご紹介するPK-18S01です。最大30畳まで空気循環ができる大風量に加え、静音を実現したプラズマクラスター搭載のサーキュレーターで、シャープらしさが詰まった製品です。
DCモーター内蔵で、風量は10段階。細かく好みの風量に調整できます。パワフルなので、二間続きの部屋や吹き抜けの大空間もラクに空気循環できます。
PK-18S01の最大適用床面積は30畳ということで、最初は「30畳なんて大きすぎるんだけど……」と思っていましたが、急いで空気の入れ替えをしたいときにはとても便利でした。12畳程度でも、風量をMAXにすると、あっという間に空気が入れ替わります。帰宅したばかりのもわっとした部屋では、窓から外に向けて置き、MAXで稼働させるとスピーディです。
風速を計測してみました。40cmほど離れた場所では、風量10で5.8m/秒とかなり高い数値。部屋の中で使ってみると風が壁にぶつかり、上に上がってグルグルと循環しているのがわかります。一般的なサーキュレーターは、風量が中程度でもうるさいものもありますが、本機は音が静かで驚きました。
左右首振りは60度/90度/120度、上下首振りは上60度/下60度/上下140度と可動域が広いことが特徴です。一般的な扇風機よりも広く動かせるので、部屋干しをする際に風を当てるのに便利でした。
一点、不便だな……と思ったのは、扇風機のように手で直接ガードを持って角度の調整ができないこと。必ず本体またはリモコンで角度調整ボタンを押し、ちょうどいいところまで動いたら、そこで止めて調整しなければなりません。意外と時間がかかるので、ズボラな私にとっては角度調整が一番面倒でした。
運転モードは豊富です。「連続」「リズム」「おやすみ」「衣類乾燥」の4種類。強弱のリズムをつけて風が変化する「リズム」、表示ランプを暗くして切タイマーと連動し、徐々に風を弱めてから自動で停止する「おやすみ」といった、扇風機のようなメニューも搭載されています。ただ、運転モードの変更ができるのはリモコンのみなので、リモコンをなくさないように気をつける必要があります。リモコンはマグネットが付いているので、本体の操作部のほか、冷蔵庫などに付けることもできます。
温度ムラがなくなって部屋全体が快適に!
エアコンであるあるなのは、一部が寒い(または暑い)といった状態になること。夏はエアコンの吹き出し口から風が当たる場所は寒いのですが、離れると暑くなり、設定温度を下げて電気代が高くなる……ということがあります。
室温が26℃に上がっている6畳の部屋で、エアコンを21℃に設定してみました。一戸建ての2階で、屋根からどんどん熱が降りてきて、温度ムラで悩む部屋です。
吹き出し口の下にいると20.5℃まで下がって寒いのですが、30分経過しても一番遠い場所(高さは胸あたり)は24℃のままで、なかなか下がりません。
そこで、エアコンの下にサーキュレーターを置き、風量を4にして風向きは固定のままで部屋の空気を循環させました。すると、10分ほどでエアコンから遠い場所も22℃まで下がり、ずっとキープしていたのです。これはエアコンの設定温度とほぼ同じで、無駄なく部屋全体を冷やしていることになります。
部屋に複数人がいて温度ムラが起きると、不快に感じる人に合わせがちですよね。エアコンの風が当たる人は寒いのに、温度をさらに下げて合わせることも。
サーキュレーターがあれば、部屋に置きっぱなしでエアコンと同時につけておくだけで、温度ムラによる不快さや不満が減り、節電にもつながります。特にPK-18S01は音が静かなので、家族の会話などを邪魔することなく、快適でした。
なお、サーキュレーターそのものの電気代ですが、DCモーターを採用しているので、ACモーターと比較するとかなり安めです。上下・左右首振りありの最大風量「10」でも21Wで、電気代は約0.65円(1時間)。左右首振りなしの風量「1」では2.5Wで、約0.08円(1時間)なので、長時間使っても気になりません。
人が当たっても不快にならない、扇風機のような優しい風
サーキュレーターは肌への風当たりが強いものです。そのため、扇風機とサーキュレーターは似ているものの別物とされていましたが、同製品は扇風機としても優秀でした。
風量設定を調整して弱くすると、風の質がふわっとしていてやわらかく、快適です。この風を出せるのは、羽根にフクロウの翼を応用した、シャープ独自のネイチャーウイングを採用しているから。特徴的なふくらみが効率よく風を捉え、運転音を抑えながら大風量を実現できるとのことですが、本当に音が静かです。近くでみると羽根は厚みがあり、複雑な形状です。
プラズマクラスターで洗濯物のイヤなニオイを抑える
衣類乾燥モードに設定すると、切タイマーで自動的に運転を停止します。角度や風量は調整可能。設定できる角度の選択肢が多いので、洗濯物の量に合わせて変えられるのは便利でした。洗濯物の真下に置いたり、前から当てたり、場所に合わせて角度を変えられます。
洗濯物に当てる風量は、MAXに近いほうが早く乾きます。洗濯物がバタバタとはためいて、短時間で乾きました。サーキュレーターなしだと1日で乾かない日もありますが、半日でほぼ乾きます。
そして、シャープといえばプラズマクラスターイオンです。プラズマクラスターNEXTを搭載しており、高濃度プラズマクラスターイオンで部屋干しの生乾きのニオイを消臭することもできます。
部屋の中に充満した焼肉などのニオイをプラズマクラスターイオンで完全に消臭することはできなかったのですが、洋服にプラズマクラスターイオンを近距離でしっかり当てることで、効果を実感できました。部屋干しをするとどうしても気になる生乾き臭も、気になりません。
工具不要で羽根やカバーを外せてお手入れもカンタン!
お手入れもカンタンです。現在販売しているサーキュレーターの中には、羽根や後ろガードが外せなかったり、工具がなければ分解できなかったり、お手入れが面倒なタイプも数多くあります。
同製品は、工具不要でサッと外せます。前ガードと後ろガード、羽根もすぐに外すことができました。やわらかい布で拭き取るか、汚れがひどい場合は水洗いができます。
サーキュレーターは連続して運転する場合も多いので、特に裏側にホコリが溜まりがちです。サーキュレーターを選ぶ際は、分解してお手入れできることが大事なポイントです。
扇風機の代わりにもなって、これ1台で大満足
これまで、サーキュレーターは扇風機の代わりにはなりにくいと思っていましたが、PK-18S01は別です。やさしい風が心地よく、扇風機として使っても気になりませんでした。サーキュレーターとしてはパワフルで、しっかり空気の循環もできます。この夏はこれが1台あればいいのかも、と思えた製品でした。