家電ラボの徹底「本音」レビュー

コストコ好き大助かり! すき間に置けるアクアのサブ冷凍庫を導入してみた

家電プロレビュアー・石井和美が、レビューハウス「家電ラボ」で徹底的に試した「本音」の製品レビューコーナーです。
冷蔵庫の容量が足りなくなったので、アクアのスリムな冷凍庫を導入してみました

コロナ禍以降、外食が好きな我が家も家で食事をとることが当たり前となり、食材をまとめ買いしたり、お取り寄せをしたりで冷蔵庫が常に満杯に。4人家族の我が家では冷凍室の容量が足りず、困ることがあります。

最初に思いつくのは、容量が大きい冷蔵庫への買い替えです。最新冷蔵庫は断熱材などが改良され、前と同じサイズでも内容量が大幅にアップして、冷蔵室、冷凍室、野菜室すべてが大きくなるので魅力的です。ただ、買い替えようと思っていても、引っかかるのが価格。500L以上の最新モデルは30万円~40万円と高価です。そこで、コンパクトなサブ冷凍庫の導入を検討することにしました。

特にコロナ禍以降は同じような考えで小型冷凍庫を購入する方が増えています。一時期在庫切れになることも多かったのですが、最近は各社からさまざまなタイプの小型冷凍庫が発売され、選択肢も増えてきました。

そこで、アクアの冷凍庫「AQF-SF10K」を試してみました。幅が36cmしかない、スリムさが魅力です。

置き場所問題に悩んでも、幅36cmならすき間に入る

冷蔵庫や冷凍庫は大きい家電なので、一番の悩みが置き場所問題です。アクアのAQF-SF10Kは幅がたった36cmで、業界ナンバーワンのスリムな縦長の冷凍庫です。冷凍庫は横長で上に扉を開くタイプが主流でしたが、最近は家庭でも使いやすい縦長タイプが数多く販売されています。縦長にすることで設置面積が小さくなるので、すき間にも置けます。キッチンだけでなく、さまざまな場所に設置できそうです。

今回は冷蔵庫の横にすき間があったのでそちらに置いてみました。本体サイズは36×63.5×145.5cm(幅×奥行き×高さ)。重量は37kgと軽めなので、移動も女性1人でできました。容量は102Lで引き出しは4つ。買い物カゴ2つ分がたっぷり入ります。

シンプルなデザインで、落ち着いた白は、インテリアにも馴染みます。ロゴも正面にありますが、よく目をこらさないと見えないほどの控えめな刻印です。

細長い外観。さまざまな場所に置けそうです
奥行きは63.5cm
キッチンのすき間に収まりました!

整理しやすい引き出し式でたっぷり保存できる

引き出し式なので小分けした食材なども整理しやすい点が特徴です。また、扉を開けても引き出しの中の冷気が逃げにくいのもメリットのひとつです。

ただ、一般的な冷蔵庫にある冷凍庫は開けてすぐに食材を取り出せるので1つの動作で済みますが、同製品は扉を開けてから、さらに引き出しを開けるので、食品を取り出すまでに2つの動作が必要となります。

扉を開くと引き出しが並んでいます
冷却の強さは弱から強まで無段階で調整できます

引き出しの各段にはガラスの棚があるので、引き出しを外して食品を置くこともできます。また、引き出しとガラス棚を外して、背が高い食材を収納することも可能です。

引き出しは上3段が同サイズで一番下が小さい
ガラス棚で衛生的に使えます。外せるのでお手入れも簡単
引き出しをすべて外したところ。各段にガラス棚があります

コストコで買ってきた大量の食材を入れることにしました。魚や肉などはいつも通り小分けし、ロールパンが36個入っている袋はそのまま冷凍することに。どの程度入るのか不安でしたが、パンもそのまま引き出しに入れることができました。通常のLサイズのピザも余裕をもって収められます(コストコの40cmピザは横幅が足りず、入りません)。

扉が開く角度ですが、もう少し外側に開いてほしいところ。また本体が軽いせいか、中身が少ない状態で扉を開けると本体が動くことがあります。

我が家はコストコでまとめ買いをしていて、冷凍室の容量が足りなくなります
鮭などはさらに小分けするので、メインの冷蔵庫は冷凍室がパンパンに……
すべて詰めてみました
魚を小分けして入れても余裕があります
36個入りのディナーロールもそのまま入りました

一番上の段は引き出しがないので、アイスクリームを重ねて置いたり、惣菜のパックを入れたり、色々な使い方ができます。小分けした魚を並べて凍らせるスペースとしても使っていました。しっかり凍ったら、引き出しに移して縦にして保存しています。

背が高い冷凍庫なので、特に上の段は腰をかがめる必要がなく、出し入れも楽です。横長で天面に扉がある冷凍庫は、たくさん詰め込んでしまうと下にある食材を探すのが大変ですが、縦長の引き出し式は整理しやすく、目的の食材をサッと探し当てることができます。

なお、引き出しは透明で、多少は曇るものの中身の内容がわかるので、無駄に引き出しを開け閉めすることがありませんでした。

一番上の棚にはアイスクリームを入れました。すぐに取り出せます
4合炊飯し、200gずつ小分けしたごはん。まだ余裕があります
ごはんはカチカチ。しっかり凍っています
ガラス棚を外せば背の高い食品を入れられます

4万円を切る本体価格。買い替えだけでなく買い足す選択肢もアリ

運転音は約25dBとスペック上では静かですが、実際に試すと途中で「ブーン」という音が気になることがあります。リビングなどに置くと特に気になりませんでしたが、就寝場所の近くは避けることをおすすめします。もしベッドルームに置くのであれば、足元などの少し離れた場所へ設置すると音が気にならなくなります。

大型の冷蔵庫そのものを買い替えるとなると数十万円かかりますが、同製品だけ追加すれば出費は4万円弱(実売価格)で済みます。しかも、キッチンに限らず、空いている場所に置けます。この価格でこれだけ容量が増えるのであれば、コストコ好きとしては大助かり。まとめ買いやお取り寄せをしても、これだけ冷凍スペースがあれば安心です。

全体のデザインはスッキリしていて美しいのですが、扉開閉の部品が飛び出ているので気になりました。上から見ると目立ちます

電気代は、年間消費電力量が356kWh/年なので、1年でおよそ9,612円(1kWhあたり27円として計算)。1カ月の電気代は約801円となります。これは最新の大容量冷蔵庫(500~600L)クラスとほぼ同じか、少し高い金額です。冷蔵庫や冷凍庫は容量が少ないからといって電気代が安くなるとは限りません。通常の冷蔵庫にプラスしてサブ冷凍庫を導入した場合の電気代は、大容量冷蔵庫2台分ほどと見込んでおきましょう。

リビングに置いてもインテリアの邪魔をしません

冷凍/冷蔵モードを切り替えられる冷凍庫もあるなかで、AQF-SF10Kは冷凍のみ。冷凍庫としては必要十分な機能を備えたシンプルな製品ですが、幅が36cmとスリムなデザインが魅力です。

縦に長いので置き場所をとらず、たっぷり冷凍保存できました。スリムでシンプルなので、キッチンに限定することなく、空いている場所に置いても違和感がありません。コンパクトな冷凍庫をお探しの方にぜひチェックしていただきたい1台です。

石井 和美

家電プロレビュアー。白物家電や日用品のお役立ちグッズなどを中心に製品レビューを得意とする。テストスペースとして守谷市に一戸建てタイプの「家電ラボ」開設し、冷蔵庫や洗濯機など、大型家電のレビューも行なっている。レビュー歴10年以上。

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