私の2020

コストコの大量買いには小型冷凍庫。家族の役に立った5つの家電

家電 Watchの筆者や編集部員が、2020年を振り返りながら、使ってみてよかったものや、注目した話題、動向などについて自由に語るコーナーです。
2020年に活躍した家電。左から、レコルト「エアーオーブン」、LOAD&ROAD「Teplo ティーポット」

激動の2020年が終わろうとしている。世界的なコロナウイルスの蔓延と、それに伴う自粛生活、移動の規制は家電業界にも大きな影響を与えた。ステイホーム向け家電や、空気清浄機などは量販店の店頭から消え、例年なら春から夏にかけて発表、発売される新モデルも大幅に遅れた。例年と比べると新製品が少ない中でも、調理家電や掃除機などを中心に、多くの媒体において、様々な製品をレビューさせていただいた。2020年に個人的に注目した家電を5つ紹介しよう。

多彩なほったらかし&時短機能で自炊生活をサポート。パナソニック「ビストロ NE-BS2700」

一つ目はパナソニックのスチームオーブンレンジ。ステイホーム期間は家族全員が自宅に篭るような生活だった。普段なら子供達は小学校にいき、筆者も取材や撮影、打ち合わせなどで出かけるところがずっと家にいることになった。

その期間の食事の多くを作ってくれたのが、「ビストロ NE-BS2700」だった。中でもパスタやカレー、煮物、中華など簡単に作れるワンボウルメニューが大活躍。具材と調味料を耐熱ガラスボウルに入れてレンジ加熱するだけでできる。ちょっとしたランチづくりに最適だった。また、レンジ機能の精度が高いのも評価できる点。特に冷凍した肉を解凍するときに、ちょうどいい状態にしてくれるのが使いやすく、自炊生活のベースを支えてくれた。

パナソニック「ビストロ NE-BS2700」

コンパクトサイズで手軽にノンフライが楽しめる、レコルト「エアーオーブン」

厳密には2019年の12月に発売した製品ではあるが、個人的に、2020年最も活躍した調理家電の一つでもあるのが、「エアーオーブン RAO-1」だ。これはいわば、数年前にヒットしたノンフライヤーをコンパクト化したもので、様々な食材のノンフライ調理ができる。本体サイズはノンフライヤーの半分以下だが、調理できる量はほとんど変わらないので、置き場所に困らないのもポイントだ。

高速の熱風で食材を加熱し、ノンフライ唐揚げや、揚げ物の温め直し、さらにはローストビーフなどができる。中でも我が家で最もヒットしたのは「サバの竜田揚げ」。ノンフライながらカリッとした食感で子供達も喜んで食べる人気メニューとなった。自炊が増える新しい生活様式におすすめしたい調理家電の一つと言える。

巣ごもり用の冷凍食材をたっぷり保存。アクア「クールキャビネット AQF-GS15G」

巣ごもり生活において食材の買いだめが進むと、すぐに冷凍庫がパンパンになってしまった。コストコなどでキロ単位の肉を買うと500Lクラスの冷蔵庫ではすぐにいっぱいになってしまうのだ。

そこで活躍したのがアクアの150Lサイズの冷凍庫だ。厳密には冷蔵庫・チルド・冷凍庫の3つの温度帯に切り替えができる。庫内は5段の引き出しとなっていて、食材ごとに分類して保管できる仕組み。奥行きもしっかりあり、コストコで買った大量のパンや肉類、巨大な冷凍食品などもしっかりと保管できた。新しい生活様式では外食が減り、自炊が増える。またお取り寄せの機会も多い。冷蔵庫を買い換えるのはかなりハードルが高いものの、小型冷凍庫を1台追加するのは比較的手軽にできるはずだ。

アクア「クールキャビネット AQF-GS15G」

スマホアプリからお茶を最適な状態で抽出。LOAD&ROAD「Teplo ティーポット」

家にいる時間が長いと、自宅を快適にしたくなってちょっと素敵なコーヒーメーカーを用意したり、手軽にお茶が入れられる環境を用意したり。そんな中で注目したいのが、「Teplo ティーポット」だ。

スマホアプリと連動できるティーポットで、お茶の抽出温度や時間、お湯の温度などをきめ細かく設定して最適なお茶を抽出することができる製品。年始めにアメリカで開催される技術見本市のCESにも出品されており、8月末、待望の一般発売となった。

公式の茶葉を使った場合は、気温や湿度、脈拍、そしてその時の気分に合わせて最適にカスタマイズしたお茶が抽出できる、パーソナライズ機能を搭載する。これまでお茶をおいしく淹れられる家電はほとんどなかっただけに、お茶派には非常に魅力的だ。

床に落ちた長い毛がブラシに巻き付かない画期的なヘッド。パナソニック「パワーコードレス MC-SBU840K」

今年発売された家電の中で、最も革新的だと個人的に感じたのがパナソニックのスティック掃除機「パワーコードレス MC-SBU840K」だ。我が家は筆者以外、妻と三人娘が全員ロングヘアのため、どうしても床に髪の毛が落ちていることが多い。それを掃除機で吸うとヘッドのブラシに絡みついてしまうのだ。巻き付いた髪の毛を取り除いてメンテナンスするのも筆者の仕事だった。しかし、今年発売された新しいパワーコードレスは、新開発の「からまないブラシ」を採用、髪の毛がブラシに絡まない。

より正確にいうと円錐状のブラシが左右で分かれており、真ん中に隙間があるため、ブラシに巻き付いた髪の毛が真ん中で外れて吸い込まれる仕組み。このため、ブラシに髪の毛が残らないというわけだ。何度かテストをしたがほとんど残らなかった。ブラシのメンテナンスをしなくていいというのは非常に画期的。個人的にも購入を検討しているスティック掃除機だ。

パナソニック「パワーコードレス MC-SBU840K」

コヤマタカヒロ

フリーランスライター。1973年生まれ。学生時代より雑誌ライターとして活動を開始。PC、IT関連から家電製品全般までに造詣が深く、製品やビジネスを専門的ではなく一般の方がわかるように解説するスタンスで執筆活動を展開している。近年は、デジタルとアナログ、IT機器と家電が交差、融合するエリアを中心に取材活動を行なっている。雑誌やWebに連載多数。企業のアドバイザー活動なども行なっている。 Twitter: @takh0120