老師オグチの家電カンフー

天井に鼻あり、設置は義務なり

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
今回電池切れを起こした火災警報器。キッチンに設置していたので汚れがひどい

先日、キッチンの天井が「ピーピー」言うようになりました。その正体は火災警報器の電池切れ。電池を買おうと思って調べてみると、設置から10年以上経過した火災警報器は、センサーが劣化している可能性があるため、本体ごとの交換が推奨されています。火事の発生場所となりやすいキッチンということもあり、新たに購入することにしました。

火災警報器は平成22年4月1日から全ての住宅に設置が義務づけられています。基本的には、寝室と寝室がある階の階段。自治体によっては、さらに設置すべき場所が増え、東京都の場合はリビングや子供部屋など普段使っている居室と、台所にも設置が必要です。

また、火災警報器には「煙式」と「熱式」の2種類がありますが、基本的には煙式。台所のみ熱式でも構わないようですが、煙式の方が火事を早く感知できるため、東京消防庁では煙式を推奨しています。

アラーム音とLEDの点灯で電池切れを知らせる。自分でちゃんと死期を伝えてきて偉い!
型番は「SH18155」(松下電工製で側面のロゴはNational)。製造年月日は2006年10月14日
取り外したリチウム電池。1個1,000円程度で購入できるが、本体ごと交換することに

ちなみに、うちは賃貸マンションなので、設置の義務が大家さんにあるのか、借主にあるのかという問題もあります。一般的に、電球や設備の電池といった消耗品は借主の負担、設備は貸主の負担とされています。言えば大家さんが負担してくれる可能性はあるでしょうが、設置の義務自体は建物の所有者だけでなく、管理者、占有者(居住者)にもあります。もう面倒なので自分で買い換えることにしました(こうしてネタにもできるし)。

新たに購入したのは、ナショナル(松下電工)からの移行ということで、パナソニックの最新モデル。ワンチャン、天井に固定するベースが共通で、取付が楽になるかなと期待していたのですが、そこは形状が変わっていました。

昔のモデルと異なるのは、非常時に白色のLEDライトを点灯させて避難を助ける機能。地味に進化しています。まぁ、この機能が発動しないに越したことはないですけどね。

パナソニックの煙式火災警報器「けむり当番 SHK70301P」。購入価格はヨドバシ・ドット・コムで4,750円
ネジで天井に固定する「取付ベース」。前の製品と互換性があるかなと期待したが、全く別物でござった。16年も経てば当然か
電池まわりの構造は古い製品と変わらない
本体取り付け完了。古いモデルに比べるとフラットで目立ちにくい(そうそう天井を見つめることもないけど)
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>