調理の下処理

【調理の下処理20】獲れたてを、梅酒や梅干しに!「梅」の下処理方法

梅が収穫される5~7月ごろ、スーパーでは「梅の実」と一緒に保存容器などを並べて「梅コーナー」が作られますね。今回は、梅酒などに加工するための、梅の下処理法をご紹介します。梅は、梅干しや梅酒などいろいろな加工をしますが、基本的な下処理は同じです。簡単な作業ですので、梅の香りを感じながら旬を楽しんでみてください。

 

下処理法1:洗ってアク抜きをする

梅は傷付きやすいので、丁寧に扱います。大きなボウルへ梅の実とたっぷりの水を入れ、手で優しく汚れを落としましょう。汚れを流水で流したあと、たっぷりの水へ浸けてアク抜きをしましょう。青梅なら1~2時間、ある程度熟した黄色の梅は1時間が目安です。完熟梅は、アク抜きの必要がありません。梅を水へ浸けると、実の表面へ茶色いシミが出てくることがあります。梅は変色してしまうと元には戻せないので、アク抜き中はこまめに様子を見て、シミが出てきたらすぐに水から上げてください。

 

下処理法2:水気を拭き取り、ヘタを取り除く

アク抜きをした梅はザルへ上げたあと、布巾やキッチンペーパーなどで水気をしっかりと拭き取ります。同時に竹串を使ってヘタを取り除きましょう。ヘタが残っていると、加工した際にエグミや苦味のある仕上がりになってしまいます。時間があるときは乾いたザルへ広げて、さらに1時間ほど自然乾燥させるのがおすすめ。梅の加工品は長期保存するので、水が残っているとカビが発生したり、腐ったりしやすくなるからです。

 

梅を仕込む保存容器の選び方

梅を仕込むときは、仕込みやすい広口の容器を選びます。保存容器の大きさは、梅酒や梅シロップの場合、梅の重さに対して4倍量が目安です。例えば梅1kgに対して4L容器を選びます。梅干しを漬けるときは、梅に対して2~3倍量を用意します。保存容器の素材は、梅酒や梅シロップの場合は、中身が見えて空気を通しにくいガラスがおすすめです。梅干しには、ガラス、ホーロー、陶器がよく使われますよ。保存容器は熱湯、またはアルコール消毒をしてから梅を仕込みます。熱湯消毒をする場合は、保存容器に耐熱性があるか確認してから行いましょう。

 

梅の流通時期に注意して購入しましょう

梅は品種によって流通時期が異なります。5月下旬から小梅が出始め、大粒の品種は6月が最盛期です。また、用途によって熟し方を選びます。梅酒や梅シロップには未熟な「青梅」、梅干しや梅ジャムには「完熟梅」が適していますよ。6月下旬になると青梅の流通が少なくなりますので、買い逃さないよう、用途に応じた品種や熟度の梅が出回る時期を覚えておきましょう。また、購入したけれど加工する時間がないときは、冷凍保存がおすすめです。下処理法2まで行ったら、ジッパー袋へ入れて冷凍し、時間があるときに加工しましょう。

 

 

じゅん(管理栄養士)

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。