老師オグチの家電カンフー

ハイキングの汗をサンコーの背中冷却プレートで軽減

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
サンコー「冷却プレートで背中スッキリ涼しい セナクール」価格は7,980円

この週末、尾瀬へハイキングに行ってきました。尾瀬は国立公園として有名ですが、どこにあるか知ってますか?

ワタシも初めて知ったのですが、福島・群馬・新潟の3県にまたがった場所にあります(栃木を加えた4県と数えることもある)。

なんだか、天国のような所でしたよ。より正確に言えば、臨死体験で語られる世界のような情景が広がっていました。

広く平らな湿原に、遠くに見える山々、広角レンズに収まりきらない空、咲き誇る水芭蕉の花、鏡のような水面、静かに流れる川、チリンチリンと仏具のように鳴る熊除けの鈴……。奥へと進むにつれて空気感が非日常になり、臨死体験で語られる、この世とあの世を結ぶ世界にいるような気分になってきました。

臨死体験ではなく、生きている現実だと知らせてくれるのは、体の感覚です。リュックは重いし、足は疲れているし、背中はじっとり汗をかいている。この不快感こそが生きている証拠。とはいえ、予想される不快感を軽減しようとあるアイテムを持って来ました。首に装着し、冷却プレートとファンで背中を涼しくするサンコーの「セナクール」です。

冷却プレートが最大-14℃に冷やし、ファンが服の中の熱を外に送り出す。スイッチは装着したままでも操作可能
あの世感がある尾瀬の風景
進む先は天国か地獄か
奥へと進むにつれて空気感が非日常になります

使う前は、背中とリュックの間に挟まれて違和感があるかもと思っていましたが、少なくとも20Lクラスのリュックでは、杞憂でした。

スイッチを入れると、フィーンというファンの音とともに、背中に当たるプレートが冷たくなります。意識を向けると、ファンが背中の下の方から空気を取り込んで、首の上には暖かい空気が排出されているのが感じられます。

使用時間は、内蔵バッテリーで約1時間。使い始めて、ちょうど1時間で切れました。冷却機能のオンオフを繰り返すエコモードなら約2時間に伸びますが、登山などで継続的に使いたいならモバイルバッテリーをつないでの使用がおすすめです(10,000mAhのモバイルバッテリーでノーマルモード約5時間)。

ハイキングの途中から装着し、1時間使用した後の背中の状態を写真に撮りました。背中の下半分は汗で濡れていますが、上半分はほぼ乾いています。背中の不快感が半分以上軽減されました。

もちろん、激しい上り下りがある登山や、気温が高い場所では、出る汗の量に負けてしまう可能性はありますが、背中を乾かしつつ歩けるのは、背中ビチョビチョの不快感をある程度軽減できると思います。

本体は120g程度と軽量ですし、リュックに入れておいて損はないです。ハイキングでも効果があったので、日常でリュックを背負っている人にも推せ(尾瀬)ますね。

セナクールを装着して歩く。意外にもリュックとは干渉しない
1時間後の背中。いつもは全体が汗で濡れるのに、上半分は乾いた状態に
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>