老師オグチの家電カンフー

「Z世代向け電動シェーバー」をわが家の18歳に使わせてみた

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
Z世代のヒゲ剃り意識を調査(サンプル数1)

フィリップス・ジャパンが発売した「フィリップス シェーバー 5000Xシリーズ(以下、5000Xシリーズ)」は、Z世代に向けて開発した電動シェーバー。Z世代の定義は様々あるようですが、同社では現在18~29歳の世代を指しているとのこと。そこで、ギリギリZ世代に入るわが家の息子(18歳・高校3年生)に、5000Xシリーズを使わせて感想を聞いてみました。

「フィリップス シェーバー 5000Xシリーズ」。ヘッド部に「マイクロビーズコーティング」を採用することで、肌への負担を20%低減。低アレルギー性のサージカルステンレス刃により、肌荒れを抑えられるという

ーー今まで何でヒゲを剃ってたんだっけ?

「I字のカミソリ」

ーーI字? T字じゃなくて?

「薄くてあまり生えないから」

ーーああ、顔のうぶ毛などのムダ毛処理に使うあれか。じゃあ、電動シェーバーを使おうと思うことはなかった?

「肌に引っかかったり傷ができたり、痛そうなイメージがあるし」

ーー実際に5000Xシリーズを使ってみた感想は?

「ヘッドが滑らかで、素早くかつ優しく剃れる。ヒゲを濡らしたりクリームを付けたりせずに剃っても肌は荒れなかった」

ーー痛くなかった?

「全然。ただ毛が細いせいか、短い毛が残ってしまうことがあった。毛が残っていると剃った部分がザラザラしてしまう。そこはカミソリの方がきれいに剃れるんだけど、電動シェーバーのほうが肌へのダメージを軽減できるので肌の弱い人には向いているかも」

ーー手間的にはどう?

「電動シェーバーのほうが断然素早く剃れる。カミソリは剃る前にシェイビングフォームや乳液など、肌が傷まないように準備が必要。それが面倒くさくて、2週間に1回程度しか剃らなかった。このシェーバーならドライでも剃れるので手間じゃない」

ーーお手入れの面は?

「防水なので本体ごと雑に水ですすいで洗える。1分程で洗えて、立てたまま乾燥できるのも便利」

ーー本体が自立するメリットだね。

本体を自立させたまま乾燥させられる

「ただ、充電用の端子が底にあるので、立てたまま充電できないのはイマイチかな。充電用のケーブルがUSBなのは良いけど、本体側の端子が特殊な形状なので、このケーブルをなくすと困りそう。一般的なType-Cとかだったらいいのに」

USBケーブルで充電できるのが今っぽい。本体側の端子が特殊なのでケーブルをなくすと新たに購入する必要がある

ーーまぁ何らかの事情があるんじゃないか。そういや、Z世代はヒゲ脱毛をする人も多いと聞くけど、考えたことはある?

「今のところやるつもりはない。将来ヒゲをはやしたいと思う可能性もあるし。なので、シェーバーは使っていく。カミソリに比べても使うメリットがあることも分かったし」

以上、わが家のZ世代による5000Xシリーズの感想でした。昭和世代の自分も使ってみましたが、深剃りよりも優しさ重視がはっきりと感じられました。まだヒゲが細くやわらかい若い世代には、これで十分でしょうし、大人でもヒゲの薄い人なら普通に使えそうです。

小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>