老師オグチの家電カンフー

幼稚園の頃からの音楽コンプレックスを克服!? そこにアイワあった

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
「aiwa play(RX01)」直販価格37,800円

超が付くほどの音楽嫌い、オグチです。最初の記憶は、幼稚園の頃に体験で入れられた「Yマハ音楽教室」。先生がピアノをポーンと弾いて、子供たちが「ドミソ!」とか「レファラ!」とか答えてるのが、意味が分からなさすぎて、そこからずーーーっと音楽嫌い。小学校に入ってからは、ハーモニカもリコーダーも演奏拒否。中学校の音楽の成績は10段階で2でした。

でも音楽は聴きますし、楽器が弾けるのはカッコイイよなぁとは思う、コンプレックスを抱えて生きてきました。英会話と同じく、「来世に期待」と心の中で処理していたのですが、この度、イノベーションによって楽器コンプレックスが多少軽減されました。

そのイノベーションとは、永田雄一氏が発案した「インスタコード」と、それを搭載した「aiwa play(RX01)」です。aiwa playは、JENESIS株式会社が発売する、ギターのような電子楽器。かつてソニーグループであったアイワブランドの、デジタル分野での商標使用権を現在同社が取得しており、その名が冠せられています。

インスタコードとは、音楽のコード(和音)を数字に置き換え、テンキーを押すだけで演奏できるようにしたものです。ギターなんかで聞く、CとかFとかがコードで、Cは「ドミソ」。それをインスタコードでは「1」に割り当てています(キーCの場合)。数字のボタンを押すだけで、ギターのように指を難しい形にする必要はなし。あと、「キー」とかいう意味不明の概念も、aiwa playではボタンで選択するだけ。最初にキーを設定して、あとはインスタコードの楽譜に合わせて数字ボタンを押し、パッドをジャラーンとやれば演奏できる仕組みです。

ディスプレイには、選択したキーに対応したコードが表示される。これらの意味が全然分からなくても、演奏は可能。インスタコードの譜面に合わせて数字ボタンを押すだけ。音色は20種類
インスタコードを開発した永田雄一氏によるレクチャーを受けてきた

楽譜はどこにあるのか? ブラウザにインスタコードのプラグイン「KANTANコード」を入れてやれば、Webのコード譜サイト「U-FRET」のコードが数字に自動変換されます。U-FRETでは、YouTubeの動画を見ながら演奏できるので、まるでカラオケのようなノリで練習できます。

インスタコードでは、このようにコード譜が数字に置き換えられる

もちろん、初心者には向かない難易度の高い曲もありますが、曲を選べば大丈夫。その証拠として、スピッツの「空も飛べるはず」を弾いてみた動画を貼っておきますね。

これ、練習は2回しただけです。ぎこちないですが、生粋の楽器コンプレックスを抱えていた人間とは思えなくないですか? 「抱えていた」って過去形で書いてしまいましたが。

スピッツ「空も飛べるはず」を弾いてみた
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>