e-bike日々徒然

e-bikeのトランポに最適かも!! ルノー「グランカングー」の積載能力が凄かった

ルノーの「カングー」といえば、広い室内空間が魅力のクルマとして知られていて、自転車乗りにもトランスポーター(トランポ)として支持されています。そんな「カングー」にロングボディ仕様の「グランカングー」が登場しました。7人乗車が可能になっているのもメリットですが、e-bike Watchとして気になるのはトランポとしての性能。実際に29インチのe-MTBを積み込んで積載性をチェックしてきました。

7人乗りだけどシートは取り外し可能

「カングー」は広大な空間が特徴ですが、ミニバンや「ハイエース」などのワンボックス車とは一線を画するデザインが支持される理由。そもそもフランスでは郵便配達などの商用車として活躍している車種です。そして、本国ではボディの長い「グランカングー」もラインナップされていて、日本にも導入してほしいという声は以前からありました。

そんなニーズに応えるかたちで、今回正式に国内導入されることに。特別仕様車の「グランカングー クルール」(クルールはカラーの意味で、特別なボディカラーモデルを表す)として発売されました。ボディ長は通常の「カングー」に比べて420mm長く、ホイールベースも385mm拡大されています。

ボディサイズは4,910mm×1,860mm×1,810mm(全長×全幅×全高)。搭載されるエンジンは1.3Lターボで最高出力は131PSを発揮します。価格は4,590,000円
カラーは特別色のベージュサハラ。前後のバンパーはブラックのウレタンとなっています
ホイールはブラックのスチール製。この商用車っぽい"道具感"が「カングー」ファンに支持されています

2列5人乗りの「カングー」に対して、新たに導入された「グランカングー」は3列7人乗り。全席独立のシートは個々に折りたたみ、跳ね上げが可能で2列目と3列目のシートも130mmのスライドに対応しています。コシがあってかなり座り心地が良く、2列目3列目は前列よりも視点が高くなるシアターポジションを採用しているので、ドライブ中の視界も良さそうです。

2列目3列目のシートも座り心地が良く、足元も広いので長時間のドライブでも快適そう
2列目シートの足元にはラゲッジボックスがあり、シューズなどが収納できます

トランポとしての活用を考えると、2・3列目のシートを取り外せる点が注目です。工具を使わずに脱着が可能なので、普段は装着しておいて自転車を積むときだけ取り外すという使い方も苦にならなそう。積み込むのが1台だけなら、左側のシートだけを取り外すことで対応できるのもメリットです。

シートを取り外す際は、コネクターを外し、レバーを操作するだけでOK。コネクター部にはカバーも
取り外したシートは写真のように置きやすい形状。結構置きにくいものもあるのでありがたい

積み込みやすさは感動的

ロングボディ化に合わせてスライドドアの開口部も大きくなっています。開口幅は830mmでノーマルの「カングー」に比べて180mmの拡大。2列目・3列目のシートへのアクセスがかなりしやすい印象でした。ラゲッジスペースにアクセスするバックドアは「カングー」の特徴でもある観音開きのダブルバックドアは採用。本国仕様の「グランカングー」はハッチバックドアなのを日本導入に当たってダブルバックドア仕様としたとのこと。バックドアを開ける際に必要となるスペースが少ないというメリットもあります。

サイドの開口部が大きく乗り降りがしやすい。開閉の操作も非常に軽くて驚きました
観音開きのバックドアは90°のところで止まり、レバーを引くと180°まで開く構造

実際にe-bikeを積み込んでみると、このバックドアの開口面積の広さと床面の低さはとてもありがたいものでした。我々は数多くのクルマにe-bikeを積んできていますが、重量のあるフルサスe-MTBはフロントタイヤを持ち上げるのに結構力を使います。「グランカングー」のラゲッジスペースの床面は594mmとかなり低くなっているので、持ち上げる高さが低くてだいぶ楽です。

しかも、ちょうどタイヤが当たる部分に傾斜が付けられていたり、バンパーがウレタンでタイヤを当てても汚れを気にしなくて済むなど、積み込みにはだいぶ都合がいいのです。

積み込み時に床面の低さはかなりありがたいポイント。ハイエースと比べて約30mm低い
ちょうどタイヤが当たる部分に傾斜が付けられていて、カバーもされているのも積み込みやすい
バックドアの開口部が広く、四角に近い形状なのでe-MTBのハンドルも当たらない

シートアレンジの豊富さも、トランポとしては大きなメリットです。積み込む台数や乗る人数や荷物に合わせて、様々なアレンジが選択可能。まずは2列目シートを残して3列目だけを取り外したパターンを試してみましたが、1台だけなら2列目のシートを1つたためば余裕で積載が可能でした。

左側のシートをたたみ、そこにリアタイヤを入れる簡単な積載。これなら4人乗車が可能
中央のシートをたたむパターンでも積載可能。ボディの長い「グランカングー」ならでは

2列目のシートをすべてたためば、さらに余裕を持って積めます。ホイールが大きい29インチのe-MTBが積めるので、ほとんどのe-bikeは問題ないと考えていいでしょう。この状態で、26インチタイヤの自転車も積んでみましたが、かなり余裕があったので自転車を積むだけなら4台くらいはいけそうです。

3列目シートを取り外し、2列目シートは前に折りたたんだ状態。かなり広大な空間が出現
e-MTBに加えて26インチの自転車を積んでみました。まだまだスペースには余裕があります

2列目のシートを完全に外した状態にもしてみました。シートの取り付け部が多少でこぼこしていますが、基本はフラットな状態なので自転車は積みやすく、マットを敷けば車中泊も快適そうです。e-bikeを積んで車中泊旅に出掛けるというのもワクワクします。

2・3列目のシートを全て取り外すと3,050Lという大きなラゲッジスペースができます
2列目シートを取り外すとフロントタイヤを落とすのにちょうどいいスペースが
マットを敷いて寝袋を使えばe-bikeを積んだまま車中泊も可能。寝転んでみてもフラットで快適でした
その状態から右側の2列目と3列目シートを取り付けてみました。普通の自転車なら2台は積めそう

これまで多くのクルマにe-bikeを積んで出かけてきましたが、大柄なe-MTBを2~3台積んでライダーも乗って……となると、ハイエースかキャラバンに選択肢が限られていました。そこに登場した「グランカングー」は我々にとって黒船的な存在。

今回は運転することはできませんでしたが、「カングー」は何度も乗っていて運転のしやすさや、シートの快適さは身を持って知っています。そこに高い積載性が加わった「グランカングー」は「もしかして最強のトランポかも」と思わずにはいられません。アダプティブクルーズコントロールやパーキングアシスト機能も付いているので、長距離の移動になれば、さらに快適さが増しそうです。近いうちに、これに何台かe-bikeを積み込んでライドに出かけるテストもしてみたいところです。

増谷茂樹

乗り物ライター 1975年生まれ。自転車・オートバイ・クルマなどタイヤが付いている乗り物なら何でも好きだが、自転車はどちらかというと土の上を走るのが好み。e-bikeという言葉が一般的になる前から電動アシスト自転車を取材してきたほか、電気自動車や電動オートバイについても追いかけている。