老師オグチの家電カンフー

「家飲み」を1カ月間やめてみた結論

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
「ポッカレモン100」と「ウィルキンソン」。炭酸は強いほどアルコール欲が紛れるので良いです

毎日の習慣と化していた「家飲み」をやめてみました。1カ月だけ。

きっかけは2つあって、ひとつはお尻の病気が悪化したこと(痛くてイスに座れなくなるアレです)。もうひとつは、二日酔いが頭痛などのフィジカルではなく、メンタルに来るようになったことです。

人は酔うと気が大きくなりますが、あれは恐怖や不安といったマイナスの情動に関わる脳の扁桃体が麻痺するからです。しかし飲み過ぎると翌日に扁桃体の働きがリバウンドで活性化して、むちゃくちゃ嫌な気分になるんですよ。それでデイリーな家飲みはやめようとチャレンジしてみたわけです。

行き着いた先は、「ポッカレモン100」の炭酸割り。これが無糖のレモンチューハイに近い味わい。酸味と炭酸の刺激で気が紛れるし、ノンカロリーでヘルシー。だいたい1〜2杯で満足できます(酔わないとダラダラ飲みにならない)。ノンアルコール飲料もいろいろ試してみましたが、甘みが少ないものほど物足りなさがあります。

「ポッカレモン100」、「ウィルキンソン」、コップと冷蔵庫で作った氷を用意するだけ(一応「家電 Watch」なので冷蔵庫の氷で)
ハイボールぐらいの比率で混ぜ合わせる
ノンアル無糖レモンチューハイのできあがり。酔わないので2杯も飲めば、「お茶にしようか」ってなります(笑)

最初の1週間は夕方に「飲みたい」ストレスが強くありましたが、それ以降は慣れました。自分は半ばアルコール依存症なのかと思っていたんですが、そうじゃなかったみたい。

デイリーの家飲みをやめてみると、仕事にもプラスの効果が感じられました。まずは、朝の立ち上がりが速い。酒がまったく残らないので、寝起き即仕事に向き合えます。また、日中の集中力もアップしたような気がします。

プライベートでも酔わないメリットがあります。前は飲みながら映画やドラマをパソコンで見ることが多かったのですが、たまに内容を全然覚えていないことがありました。ドラマを続きから見て、展開が意味不明なので、前の回に戻って見直したりして。まぁ無駄が多かったんだなと。

完全にお酒を止めるつもりはありませんが(週1ぐらいは家飲みを再開)、毎日の家飲みはしなくなりました。ただ今でも夕食時になると口寂しさを覚えることはあります。しょっぱい系の食事には、お酒をあてたくなる。夕食は炭水化物を抜いているので余計にそう感じるのかもしれません。

1点だけ注意しなければならないのは、炭酸水があるとハイボールに移行してしまう危険があること(わが家はウイスキーのストックが多いので余計に)。ここは諸刃の剣です。

小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>