老師オグチの家電カンフー
2023年は違いがわかる人の「サードウェーブ炊飯器」がダバダーっと出てくる予感
2022年12月28日 08:05
年末なので来年のトレンド予測などしてみます。2023年は「サードウェーブ炊飯器」に注目が集まるでしょう。
サードウェーブ炊飯器って何? サードウェーブ、つまり第3の波で、炊飯器の歴史の転換点になりうる潮流です。もちろん、サードウェーブコーヒーになぞらえて作った言葉です。
コーヒーのファーストウェーブは、流通の発達により大量にコーヒーが消費されはじめた時代、セカンドウェーブはスターバックスに代表される深煎りコーヒーの時代。日本でもシアトル系コーヒーショップが席巻しました。
そして、サスティナビリティを重視した豆選びと、豆本来の味わいを引き立てる浅煎りのムーブメントがサードウェーブコーヒーです。意識高いコーヒーショップが続々とオープンしました。
炊飯器の場合は、昭和の時代に一気に普及したマイコン制御の炊飯器がファーストウェーブ、熱源にIHを使用し圧力をかけて炊くことで、ごはんの粘りと甘味を引き出す圧力IH炊飯器がセカンドウェーブにあたります。
そして、非圧力系で粒立ちが良く、お米本来の味が楽しめるよう進化したのが、サードウェーブ炊飯器というわけです。
お米による味の違いもはっきりと分かるので、お米の銘柄選びも楽しくなります。サードウェーブコーヒーとの共通点にお気づきいただけたでしょうか。
具体的な製品としては、バルミューダ「BALMUDA The Gohan」の新モデルやティファール「ザ・ライス 遠赤外線IH炊飯器」が2022年に登場しました。両社は昔からの炊飯器メーカーではない新興勢力であり、偶然にも「ごはん対ライス」の対決になっています。
これらの炊飯器では、しゃっきりとして粒立ちが良いだけでなく、甘味やうま味もごはんのなかにしっかりあり、噛むほどに美味しさが感じられるごはんが炊けます。非圧力の炊飯器は甘さがないから嫌いという人も、機会があれば試食してみてください。
円安やロシアのウクライナ侵攻の影響で小麦粉が値上がりし、国産のお米が見直される中、おうちの炊飯器を買い替えるのもオススメです。また、これらの炊飯器で炊いたごはんは冷めても美味しく、お弁当やおにぎりにも向いています。節約や節電にもつながると考えれば、お財布の紐も緩むかもしれません。これまで炊飯器を作り続けてきた国内メーカーがどう迎え撃つのかにも注目です。