藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
「アウロ フローリングワックスシート」で裸足のフローリングライフを満喫
2018年7月19日 07:00
あれは小学4年生の時だった。担任の先生が自分の机の下に給食用の三角パック牛乳をいくつか隠し持っているのを、掃除の時間にうっかり見つけてしまった。見ると日付は1カ月以上も前であり、半透明のパックの中にある牛乳らしきものはドロリとした風合いに変化している。
つい「先生は頭がおかしくなったのでは?」と危ぶんでしまったのだが、その牛乳を持ってオロオロしているところを当の担任に見られ、苦笑とともに「まさか飲まないよ! それは、ワックスに使うの。牛乳だからね、栄養たっぷりなんだよ!」と説明されたのである。
バスケットボールクラブの顧問をしている担任は、練習に革のマイボールを持ち込んでおり、それを主にこの腐れ牛乳で磨くのだといった。かれこれ35年ほど前の出来事であり、ことの真偽は分からないが非常に印象深くそのことを記憶している。
というのも、以後「ワックス」と聞くとあの三角牛乳パックが脳裏によぎるようになってしまったからである。小・中・高校時代、学期末の大掃除で学校の廊下に撒かれていた「牛乳ワックス」という代物は、化学的な臭いがしていたのでおそらく本物の牛乳ではなかったのだと思うのだけれども、そうこうあって「ワックス=白濁の牛乳」風のテクスチャーである、あれかしという刷り込みにはなった。だからか、いかにも樹脂ワックス的な商品に対していささかの抵抗を覚えてしまう。
そうして大人になって家庭を持った頃合いに、あの懐かしい白濁の「AURO(アウロ)」という天然成分のワックスを知った。そうして、その後十数年にわたって愛用し続けることになる。
メーカー名 | ボーデン |
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製品名 | AURO フローリングワックスシート 10枚×2個 |
価格(編集部調べ) | 1,080円 |
中身は牛乳ではなく、亜麻仁油、オレンジオイル、ユーカリオイル、ミツロウなどで、その素材たちの香りはとてもアロマテラピー的に心地よく、フローリング床を這いまわる乳幼児を時間差で3人育て上げる日々には、床掃除とワックスがけを同時に行なえるこの水性のフローリングワックスがすこぶる使い勝手よかった。
しかし人は易きに流れる。のちに、このワックス成分そのものが染み込んだ使い捨てのウェットシートが発売されるやいなや、私はほぼそちらに乗り換えてしまい、今に至っているのである。
掃除機で取りきれない微細なホコリ、足裏に触る不快なベタつきはこのシートでの「水拭き」で容易に解消され、かつ爽やかな森林浴香に部屋全体が満たされる。決して「お安く」はないので、ときどきではあるのだけど、これを1パック(10枚入り)使い切る「アウロ掃除週間」は、私にとって、ささやかな暮らしの贅沢なのである。