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ドラム式洗濯乾燥機のメンテナンス、プロに頼んだら超スッキリ! 乾燥時間も短くなった
2017年5月26日 07:00
ドラム式洗濯乾燥機のホコリ問題をどうにかしたい
先日、ドラム式洗濯機の掃除をプロの業者に依頼した。ドラム式洗濯機で乾燥までやっている人ならご存じだと思うが、ドラム式洗濯機はホコリがたまりやすい。このホコリをいかに取り除くか、日々試行錯誤しているのだ。
筆者宅の洗濯機も、一度大きな分解修理を行なっていて、それ以来、マメに掃除をするようにしている。それでもだんだん調子が悪くなってきたので、ドラム式洗濯機の清掃業者に依頼して分解清掃をしてもらうことにした。
洗濯機を分解しての清掃なので4時間ほどの作業になった。その間にいろいろと話を聞けたのだが、非常にためになる話だったのでご紹介したい。
ドラム式洗濯乾燥機、特に乾燥工程まで行なっている人にとって、ホコリは共通する問題のはず。今回のレポートが参考になれば幸いだ。
ドラム式洗濯乾燥機からホラ貝のような音が!
まずは筆者宅の洗濯機の履歴を書いておこう。機種は東芝の「TW-Z370L」というヒートポンプ方式のドラム式洗濯機だ。購入したのは2013年初頭。2015年にエバポレータ(熱交換器)にエラーが出てまったく乾燥しなくなり、修理費が10万円くらいかかる、かなり大がかりな交換修理をしている。
修理前まではフィルタ掃除を忘れることもあったのだが、修理後は反省して真面目にフィルタ掃除をしている。洗濯槽のクリーニングも3カ月に1回くらいはやっていて、それでもこびりつく糸くずなどは半年に一度くらいの頻度で取っていた。
それでもだんだんゴミが溜まっていたようで、2カ月ほど前から乾燥時にホラ貝を吹いた時のような「ボー」という音が鳴るようになり、これはまずいとテイユー株式会社にメンテナンスを依頼したのだった。
清掃費用は22,500円(税込)と、そこそこの費用がかかる。実際、依頼するかどうかは少し悩んだ。だが、以前の経験からドラム式洗濯乾燥機の修理費がかなりかかるのは経験済みなので、それよりは定期的なメンテナンスを依頼した方がよいだろうと決断した。
そう決めてから早速予約を取ろうとしたのだが、この清掃サービス、かなりの人気のようで、3月12日に予約して最短の空きが4月23日だった。結局、筆者の休みの都合もあり4月26日を予約した。予約の際には洗濯機のメーカーと型番が必要なので、メモしてから電話するといいだろう。なお、予約は電話とメールの両方に対応しているが、電話のほうがすぐに返事がもらえるのでお勧めだ。
清掃ついでの本体のかさ上げも
プロのメンテナンスが入る前にいくつか準備をした。今回は清掃のついでに洗濯機のかさ上げをしようと思い、給水用蛇口をホームセンターで買ってきて付け替えた。ホースが外れた時には水をストップしてくれる優れものだ。蛇口の形も給水ホースが外れにくい形のものになった。
使ったのは、三栄水栓製作所の「洗濯機用L型ニップル PY124-41TVX-16」というもので、ホームセンターで1,900円ほどで購入した。
さらに、かさ上げ用の足を量販店で購入。高さ5cmのものを購入したのだが、最大で10cm上げられることが分かったので後からもう1セット購入して重ねて使う事にした。
ちゃんと掃除していたはずなのに結構な量のホコリが
業者からの事前のリクエストとしては、洗濯機を引っ張り出せるようにしておいてほしいということだったので、当日の午前中に洗濯機周りを一通り片付けて到着を待った。風呂水ポンプのホースは取り外して片付け、給水用の水道は締めておいた。予定の時間ちょうどに社長の片岡さんが来てくれて、早速作業に取りかかってくれた。
まず給水ホースを外して中の水を抜いてから洗濯機の外装を取り外した。一部のネジは錆びていたのでなめてしまわないか心配だったが、全く問題なく外せた。上面と前面下部の外装、扉と扉を受ける部分を取り外して掃除の開始だ。
ドラムから上部のフィルタにつながるゴム製のダクトを取り外して中を見せてもらった。前述の通りけっこうきちんと掃除しているつもりだったが、それでもけっこうホコリがたまっているのに驚いた。ドラムの外側も見えたのだが、こちらも汚れていた。
ただ事前にインターネットなどで調べていたよりは、ひどくはなかったので、定期的な槽クリーニングの効果はあったように思う。場合によっては、ドラムが見えないほどホコリが詰まっていることもあるそうだ。
次に、開いた口からマジックハンドのようなものを使って、ダクトにこびりついたホコリを取る。かなりしつこくくっついているのでちょっと引っ張ったくらいでは取れず、つかんでむしり取るのを繰り返してきれいにしていった。
続けてドラムの入口側から、薄く細長い金属板に取っ手がついた道具を使って、ドラム周辺にこびりついたホコリを取る。実は、自分でもホコリが気になって、ドラムの隙間に金属製の菜箸を突っ込んでほこりをはがしていた。そのためか、それほど大した量ではなかったが、いくらかのホコリを取ることができた。ここが詰まると乾燥できなくなってしまうそうなので、定期的に取るようにしたい。
メーカーによる違いも
ゴム製のダクトの反対側(フィルタ側)も外して見せてもらった。東芝製洗濯機はフィルタが入った箱にダクトを固定するための金具がリング状のバネではなく金属板とネジで止まっており、分解しにくいそうだ。パナソニック製は両側ともバネでの固定なので分解しやすいらしい。
水の循環系のパイプも東芝製はパイプ全てが接着されていて分解掃除するためには切らないといけなく、結局新品交換になってしまうのに比べ、パナソニック製はそれぞれ外すことができるため分解して掃除でき、分解清掃という点では優れているそうだ。ただその分製造コストなどがかかっているはずなので、メーカーの考え方の違いが出ているのだろうとのこと。
洗濯槽クリーニングは月1回、ドラム式なら塩素系がお勧め
作業しながら、いろいろと興味深い話を伺った。乾燥時の風で上のフィルタが外れて浮いてきてしまう時はフィルタを掃除すればいいそうだ。言われてみれば筆者の洗濯機も修理前に乾燥しなくなった時は乾燥時にフィルタが浮いてきてしまうので、洗剤などを重しにして外れないようにしていた記憶がある。
また、ドラム式洗濯機の乾燥方式には、ヒーターとヒートポンプがあるが、片岡さんとしてはヒートポンプがお勧めだそうだ。ヒーター方式は本体価格が安いというメリットがあるが、ヒートポンプの方が電気代が安いだけでなく乾燥時の温度が低く衣類を傷めにくい、水道水を冷却に使わないので水の消費を少なくて済むというメリットがあるそうだ。
また、洗濯槽クリーニングは毎月1回、市販の塩素系の槽クリーニング剤で行ない、さらに年1回メーカー製の槽クリーニング剤で行うのがお勧めだそうだ。塩素系のものを使うのは汚れを溶かして流せるので、汚れが浮いてくる酸素系よりもドラム式洗濯機向きとのこと。
浮いた汚れを取り出せる縦型の洗濯機なら酸素系でもよいとのことだった。洗濯槽は汚れがついてしまうと簡単には落ちないので、汚れをつけないのが大事だという。
洗濯機クリーニングのアレコレを聞きながらも、清掃工程は順調に進み、最終的には、大人の握りこぶし一つ分くらいのホコリが取れた。部品を戻しながら細かいところをまで掃除してくれて、洗剤の投入口なども新品のようにきれいになった。
洗剤投入口から水がたれて扉に筋が入っていたのだが、これは扉のフッ素加工が落ちてしまっていたからだという。これも、再度、フッ素加工をやってくれてきれいになった。
最後に、清掃依頼時に話しておいた洗濯機のかさ上げ作業をやってもらった。さすがに一人では無理なので筆者も手伝ったのだが、無事10cmのかさ上げができて排水溝周りが掃除しやすくなった。
ドラム式洗濯機は水をあまり使わないので排水が汚れやすく、詰まったり臭ったりしやすいのでかさ上げして排水を流れやすくすると良いそうだ。
清掃後は乾燥時間が1時間短くなった!
清掃が終わって翌日、さっそく洗濯してみた。洗濯・乾燥とも全く問題なく、ホラ貝のような音もなくなった。さらに乾き具合は変わらないのに、乾燥時間は1時間ほど短くなった!
排水溝も掃除した当日はドブ臭かったのだが、一度洗濯して水を流したら臭わなくなった。おそらく排水溝のトラップに水が満たされたため下からの匂いが止められたからだろう。
それなりに高額で、時間もかかったが、ドラム式洗濯乾燥機のメンテナンスをプロに頼むというのは、筆者的にはアリだ。2年後にまた頼もうと、既にカレンダーに入力したほど。
自宅のドラム式洗濯乾燥機の調子が悪い、ホコリが詰まっているっぽいなど、気になる人は、依頼してみてはいかがだろうか。その際は、自宅のドラム式洗濯乾燥機の製品名と、型番を控えておくのを忘れずに!