家電トレンドチェッカー

量販店スタッフがお薦めする新生活マスト家電(蔦屋家電編)

 1年のうちで最も引っ越しが多い季節がやってきた。入学や入社など、新しい生活が始まった人も多いだろう。このシーズンは、家電製品が売れる季節でもある。そこで、今回は、知識もユーザーニーズも熟知した“家電のプロ”である担当者に「この春おすすめの家電」について聞いてきた。新生活が始まった人も、そうでない人も、最新家電を知るチャンスだ!

 これまでビックカメラカインズヨドバシカメラの3店舗を紹介。

 最後は、本屋やカフェなどに溶け込むように家電が売られている、二子玉川の蔦屋家電に行ってきた。レコメンドしてくれたのは、CCCデザインカンパニー 家電企画事業部の家電MDであり、同店の広報を担当している木崎大佑さんだ。

二子玉川 蔦屋家電
家電MD兼 蔦屋家電 広報の木崎大佑さん

時短にもつながる衣類スチーマー

 まず紹介してくれたのは、パナソニックの衣類スチーマー。

 「服を掛けて電源を入れて、シュ~っとスチームを当てればシワが伸ばせます。アイロン台を置く必要もなく、手間なく使えます。

 そうした意味で、一人暮らしの方にも使っていただきやすいですね。あと、小さなお子さんがいらっしゃる家庭にも、マッチしているんじゃないでしょうか」

パナソニックの衣類スチーマー
メーカー名パナソニック
製品名衣類スチーマー
取材時の価格8,480円〜(税抜)

 衣類スチーマーは、仕事が忙しくアイロン掛けのプライオリティが高くない人に向いた、時短にもつながる製品だという。

 「軽いからおじいちゃんやおばあちゃんにもいいですよね。価格が1万円しないリーズナブルさなので誰にもお薦めできます」

服を掛けておいて、ササッとスチームを吹きかければシワが取れる

アイロンがけの時間が省ける、先行販売されている話題の家電

 アイロン掛けやスチームをする時間すら惜しい人は、「LG styler」がお薦めだ。これは、フィットネスジムのロッカーほどの大きさの「ホームクリーニング機」。スーツやダウンジャケットなど、自宅では洗濯しにくい衣類を、中に掛けておくだけで、シワ取りはもちろん、付着した花粉やホコリなどの汚れも取り除いてくれる。

LGエレクトロニクス「LG styler」
メーカー名LGエレクトロニクス
製品名LG styler
取材時の価格228,000円(税抜)

 「一番の魅力は、アイロン掛けをしないで、ただ中に服を掛けて、水を入れてボタンを押すだけで衣類をリフレッシュできることです。クリーニング屋さんに持っていく時間が省けますよね。その分、浮いた時間を他のことに、有効活用してもらえればいいんじゃないでしょうか」

 「一般的なアイロンの温度は100℃くらいなので、生地によってはアイロンを掛けられないんですよね。でも、スタイラーであれば、カシミアもレザーも、ダウンやファー、ニットにも使えます。シミ取り以外には、クリーニング屋さんへ行かなくてもよくなります」

 そもそもB to B向け製品とあって、少々値段はお高いけれど、自分たちの時間を増やして、新年度からは新たなチャレンジに挑みたい、と考えている人にピッタリな家電だろう。

家電も含めたキッチンのカラーコーディネート

 木崎さんによれば、家電をコーディネートするというのがトレンドになってきているという。本体のカラーやデザインをコーディネートすることだ。

 これまで日本人は白や黒などを選ぶ人が多く、日本製の家電製品は、以前よりもカラーバリエーションが減ってきているのではないかという。

 「海外製の家電製品は、カラーバリエーションが多く、そうしたコーディネートをするのにいいですね。やっぱり海外では、日本よりも家電をインテリアとして楽しむ文化があるのだと思います」

 食器などと同様に、家電もカラーコーディネートするというテーマで展示されていたのが、デロンギのトースターや電気ケトルだ。

食器やカトラリーと一緒に並ぶのは、デロンギのオーブントースターや電気ケトル(ピュアホワイト)
メーカー名デロンギ
製品名オーブン&トースター/電気ケトル
取材時の価格14,800円/9,800円(税抜)

 「このコーナーでは、白い家電が一緒に置いてありますが、アクセントカラーとして、赤い家電を使うのもいいですね」

オーブン&トースター
電気ケトル

ゆかりのある国をイメージした香りで、リラックスできるディフューザー

 「最近は睡眠家電なども増えてきています。普段は忙しすぎるから、自宅をリラックスできる空間にしたいという人にお薦めなのがミスター&ミセス フレグランスの『ジョージ』です」

ミスター&ミセス フレグランス「ジョージ」
メーカー名ミスター&ミセス
製品名ジョージ
取材時の価格19,440円(税抜)〜

 数あるフレグランス製品の中で、このブランドのディフューザーが面白いのは、世界各地の都市や地域をイメージしたフレグランス カプセルが用意されていること。

 「匂いって一番記憶に残るじゃないですか。旅したことがある場所、行ってみたい場所など、ゆかりのある国の匂いがかげるといいですよね。また、新しい世界へ旅立たれる方へのプレゼントとしてもいいでしょうね」

世界各地のフレグランス カプセル(別売)
同じシリーズの「シッシ」

細くて柔らかい水流を実現するシャワーヘッド

 「家電ではありませんが、リラックスするアイテムとしてシャワーヘッドはいかがでしょう? ものすごく細い穴から水を出すもので、このシャワーヘッドで水を浴びると気持ちいいんです」

 フクシマ化学の「マイクロ・ナノバブルシャワーヘッド nude」は、散水穴の細さが0.4mm。肌へのダメージを最大限に減らせるだけでなく、気持ち良くシャワーが浴びられるという。

マイクロ・ナノバブルシャワーヘッド「nude」

 「ディフューザーと同じように、自宅でのリラックス空間を広げられるアイテムとしてお薦めです」

散水穴が0.4mmと極細

共通するのは“生活が豊かになりそう”というポイント

 木崎さんには、 “時短”や“リラックス”をキーワードとした家電を挙げてもらった。上述した製品のほかにも、スマートウォッチやプロジェクター、イヤホンなど多彩なアイテムを教えてもらったが、いずれも共通するのは、「これを買ったら自分の生活が豊かになりそう」ということだ。

 ビックカメラやヨドバシカメラなどの量販店とは雰囲気が違う蔦屋家電に行ってみると、また違う視点で家電選びができるだろう。

河原塚 英信