家電製品レビュー
ノンフライ唐揚げやローストビーフが簡単! コンパクトな「エアーオーブン」は日常に大活躍
2020年6月30日 07:30
2010年にフィリップスが日本で発売開始したことにより、日本の食卓にも広がったノンフライ調理。食材に含まれる油を使って唐揚げを揚げたり、少量の油でとんかつなどのフライものを調理できる。使い勝手の良さとヘルシー指向により、支持を集め、近年ではノンフライ調理に対応した調理家電が数多く登場している。今回はそんな中でレコルトの「エアーオーブン RAO-1」を試した。
シンプル操作&コンパクトながら多機能
「エアーオーブン RAO-1」は2019年12月に発売されたノンフライ調理器。本体サイズは約212×270×266mm(幅×奥行き×高さ)と、ノンフライ調理器としては非常にコンパクトなのが特徴。価格は9,000円だ。
定番となっている前述のフィリップス製ノンフライヤーと比べても、体積比で半分以下、必要な設置スペースは約A4サイズで、ノンフライヤーの約3/4程度で置きやすい。それでいてバスケットのサイズは2.8Lと大きく、実際に食材を入れるスペースはほとんど変わらないため、一度に作れる食材の量にも差がない。
本体上部に温度とタイマーの2つのダイヤルを配置。温度設定は80℃から200℃に対応し、タイマーは最大60分までセットできる。2つのダイヤルの間に通電ランプと加熱ランプを配置しており、電源ケーブルを挿すと通電ランプが点灯、さらにタイマーを回すと加熱ランプも点灯する仕組みだ。庫内の温度が設定した温度に達すると加熱ランプが消え、予熱の終了を知らせてくれる。
食材を入れるバスケットには、内アミが付属しており、その上に食材をのせて加熱する仕組み。タイマーを回すと本体上部から熱風が食材に吹きかかり、加熱する方式だ。内アミにはドット状の穴が開いており、吹きかけられた熱風はそこを通って食材の裏面も加熱する。予熱時は内アミを外しておいて、予熱終了後に食材をのせた内アミをバスケットに入れるといった使い方ができる。
定番のノンフライ唐揚げに加え、ローストビーフも手軽にできる
早速、定番のノンフライ唐揚げを作ってみた。付属のレシピブックに掲載されている塩麹を使ったレシピだ。塩麹をもみこんだ鶏肉に味付けをして20分ほど寝かし、片栗粉で衣をつける。後は190℃に加熱したエアーオーブンに入れて15分加熱するだけ。
オーブントースターのレシピのように鶏肉を裏返す必要はなく15分間ほったらかしでOKだ。ただし裏面がべちゃっとすることもあるため全面をカラッとしてあげたい場合は、最後の1~2分、鶏肉を裏返すと良さそうだ。
塩麹を揉み込んでいることもあり、唐揚げは非常に柔らか。熱風が強く当たる上面は非常にカリッと仕上がった。約300gの鶏モモ肉は9切れぐらいに細切れにして1度に内アミにのせられた。鶏肉がより小さい場合は加熱時間を短くしても良さそうだ。
続いて作ったのが、個人的に大ハマりした「サバのレモン竜田揚げ」だ。作り方は非常にシンプル。塩サバを4等分して調味料に漬け、片栗粉で衣を付けてノンフライで調理するだけ。このとき、唐揚げとは異なり、サバには油分が少ないため、軽くオイルスプレーをかけるのがポイントだ。スプレー自体は100均などで売っているモノで大丈夫。これがカリカリとしていて非常に美味しい。普段あまり魚を食べない小学生の娘も喜んで食べてくれた。
実際に調理してみて非常に驚かされたのがローストビーフだ。近年ローストビーフが手軽に調理できる調理家電が増えているが、その多くが低温調理で、ゆっくりと時間をかけて加熱する。しかし「エアーオーブン RAO-1」は異なる。約300gの牛肩ロースを用意し、しっかり目に塩コショウしたら、190℃で予熱して、10分加熱。その後、5分ほど庫内に肉を置いておくだけで完成だ。たったこれだけで驚くほどジューシーなローストビーフができ上がった。
バスケットに入っている肉をトングで挟むと、まずその柔らかさは想像していた以上だ。カットしてみると、断面の中心はほんのりピンク色。それでいて血を含んだドリップも一切出なかった。数多くの調理家電でローストビーフを作ってきたが、ここまで簡単で、短時間にできるのは、ほとんど記憶にない。
お惣菜の温め直しやドライフルーツ作りでも活躍
エアーオーブン RAO-1では、ノンフライ調理以外にも様々な料理ができる。最も使い勝手がいいのがお惣菜の温め直しだ。とんかつなどのフライものや天ぷら、春巻などの揚げ物の温め直しはまさに得意ジャンル。庫内を160℃に加熱し、予熱が終わったら食材を入れて5分。カリッと温め直せる上、天ぷらの衣などに含まれた余分な油を落とすこともできる。テイクアウトメニューも美味しく楽しめるというわけだ。
また、冷凍のフライドポテトや春巻なども、より美味しく温められた。電子レンジとは異なり、表面が柔らかくなったりせず、揚げたてのようなカリッとした食感が再現できる。
フルーツを薄切りにして、100℃で60分加熱すれば手軽にドライフルーツも作れる。水分含有量によって温度や加熱時間の調整がおすすめだが、リンゴは手軽にセミドライの状態にできた。お酒のおつまみとしてもいけるし、サラダなどに混ぜてもよさそうだ。
れんこんや人参、カボチャなどは薄切りにして170℃、10分の加熱で野菜チップスが作れる。野菜は事前にオイルスプレーをしておくとよりカリッと仕上げられた。
洗うのは内アミだけでメンテナンスも簡単。日常的に活躍
使った後はバスケットから内アミを取り出して洗うだけ。後は、バスケットの底に落ちた油をキッチンペーパーでなどで拭えばメンテナンス完了だ。汚れが気になった場合はバスケット自体も丸洗いできる。
「エアーオーブン RAO-1」は非常にコンパクトなボディでキッチンに置いてもほとんど邪魔にならず、操作性もシンプルで使いやすいノンフライ調理器だ。さらにメンテナンス性も高いため、日常的に活躍できる。これからノンフライ調理器を購入するなら第一候補になる製品だといえる。