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東芝、明るさ白熱電球80W相当の光が広がるLED電球

~蛍光体をグローブに混ぜる新構造で、全光束1,160lmを達成

E-CORE(イーコア) 一般電球形 12.4W LDA12L-G

 東芝ライテックは、白熱電球80W相当の明るさを備えたLED電球「E-CORE 一般電球形 12.4W LDA12L-G」を、4月下旬に発売する。光色は電球色のみで、希望小売価格は7,875円。

 E26口金に取り付けるLED電球で、全光束が1,160lmと、同社のLED電球でこれまで最も明るかった「LDA11N-G(昼白色)」の1,000lmを超える明るさが特徴。日本電球工業会の基準では、白熱電球80W形相当の明るさに相当する。

 同社によると、明るさを実現できた理由として、LEDと蛍光体を分離する「ヒート・セパレート方式」という新たな機構を採用した点があるという。東芝の一般的なLED電球では、LEDと蛍光体を一体化させたモジュールを採用しているが、点灯時はこの両方から熱が発生するという問題があった。この熱が電球の外に放出されないと、LEDが高温となり、発光効率が低下して明るさが落ちたり、寿命が極端に短くなる恐れがあるという。

 そこで新製品では、発熱源であるLEDと蛍光体を分離。蛍光体を電球のグローブに混ぜることで、LED自体の熱を低減させ、蛍光体から出る熱をグローブ全体から効率よく放熱する仕組みになっている。このため、グローブの色はオレンジ色となっている。

 加えて、従来モデルから採用している、LEDから出る熱を筐体だけでなくグローブにも伝えて放熱する「トリプルアーチ放熱板」も採用。この2つの放熱技術を採用することで、60×119mm(外径×高さ)という電球に近いサイズで、白熱電球80W形相当の明るさが実現できたという。

ヒート・セパレート方式における、点灯方法のイメージ図。新製品では、グローブの蛍光体で電球色に変換している
ヒート・セパレート方式における、放熱方法のイメージ図。LEDと蛍光体が分離しているため、LEDの温度が低減できるという

 消費電力は12.4Wで、白熱電球80W形と比較して約83%の省エネとなる。消費電力1W当たりの発光効率は93.5lm/Wで、同社では“業界トップクラスの高効率”としている。

 光の広がり(配光性)は約230度。従来のLED電球の約120度よりも広く、同社の電球形蛍光灯の約260度に近い光の広がりが実現できるという。

 重量は186g。最大光度は140cd。定格寿命は40,000時間。密閉型器具に対応する。昼白色タイプは用意されない。

光の広がりは約230度。電球型蛍光灯に近い光の広がりとなっている

正藤 慶一