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シャープ、ドライアイス代わりに繰り返し使える蓄冷材 液晶の技術応用

左から、適温蓄冷材「TK-M22A5B/TK-M22B5B/TK-M19A5B/TK-M19B5B」

シャープは、冷凍輸送時の蓄冷材として活用できる「適温蓄冷材」4商品を、10月中旬より法人向けに発売した。食品宅配事業者のほか、化学品などの低温輸送業者を含む幅広い業界で利用できる。ラインナップは、融点が-22℃の「TK-M22A5B」と「TK-M22B5B」、同-19℃の「TK-M19A5B」と「TK-M19B5B」。

シャープによれば、冷凍輸送の現場では、ドライアイスが広く使用されているが、近年は原料となる液化炭酸ガスの不足などにより、夏場を中心に品薄となる傾向が続いており、代替品へのニーズが高まっている。

同社の蓄冷材料は、液晶材料の技術を応用。水を主成分としながら、複数の化合物を配合し、「-24℃~28℃」間の、特定の温度を一定時間保てることが特徴。

「適温蓄冷材」の原理

既に開発済みの-22℃の蓄冷材料と、新開発の-19℃とをあわせて商品化。冷凍食品の保冷に適する-18℃付近の温度で保冷対象物を一定時間保てるうえ、再凍結させることで繰り返し使用できる。

本蓄冷材は、-22℃の蓄冷材は-24℃以下、-19℃は-20℃以下での凍結が可能。従来の蓄冷材の多くは、融点より10℃ほど低い温度で凍結させる必要があったが、新製品は、より高い温度で凍結できる。そのため、-25℃に設定されることの多い一般的な食品冷凍倉庫で、より凍結しやすくなった。既存設備の有効活用がしやすいほか、冷凍に必要な消費電力も削減でき、C0CO2排出量の抑制にも貢献するという。

本体サイズは-22℃の「TK-M22A5B」と-19℃の「TK-M19A5B」が、220×140×21mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約560g。-22℃の「TK-M22B5B」と-19℃の「TK-M19B5B」が270×225×14mm(同)で、重さは約735g。温度維持時間は5〜6.5時間。