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三菱鉛筆、勉強の集中力を続けるための「IoTペン」実現へ

三菱鉛筆がIoTペンの開発をスタート

三菱鉛筆は、筆記具の新たな提供価値を創出するための試みとして、筆記具の動きを加速度と筆圧で測定するセンサー機能を搭載したIoTペンの開発に着手することを9月10日に発表した。

同社は多くの筆記を行なう学生の効率的な学習を支えることに着目し、集中力の維持向上をサポートするツールの研究を重ねてきた。その知見を生かし、筆記具の使用感を損なうことなくデジタル技術を融合させ、集中状態を予測、維持する機能を併せ持った筆記具を開発するという。

同社は2023年6月、筆記具の加速度センシングとディープラーニングによって集中力の予測が可能であると発表した。グラフは筆記の実証実験で実測した脳波と、予測脳波の時間順プロット

具体的には加速度と筆圧のセンサーにより筆記挙動を測定し、そのデータを基に集中力を「予測」し、「維持」するサポートを目指す。

IoTペンを用いて筆記を伴う学習を行なうことで、集中力の高さと関連のある前頭葉のガンマ波を推定し、脳波を直接測定することなく集中力を予測。またアプリとの連携により、推定したガンマ波が低下したタイミングで聴覚を刺激し、集中力の維持をサポートするという。

同社は2023年12月、学習時、特定の音により聴覚を刺激することで集中力向上の可能性を発見したと発表。上のグラフは刺激前後のテストの正答率の比較、下のグラフは刺激を与えたときのガンマ波の値

同社はデジタルパーツのセンサーやバッテリーの小型化を始め、通常の筆記具として違和感なく使える形状やサイズを実現するべく、筆記具開発のノウハウを駆使したIoTペンの設計を開始。今後、製品化の具体的な内容等はめどが立ち次第、ユーザーの学習を支えるさまざまなアプリコンテンツ等と併せて順次案内予定としている。