ニュース

日立、家庭用エアコン事業をボッシュへ売却 「白くまくん」は販売継続

日立エアコン「白くまくん」の今春に発売したモデル

日立製作所の子会社である日立グローバルライフソリューションズ(日立GLS)は23日、エアコン事業の再編について発表。「白くまくん」で知られる家庭用エアコン事業はボッシュ傘下の新会社へ移るが、日立エアコン「白くまくん」としてのブランドと販売は継続する。

今回の契約では、Johnson Controls International(ジョンソン・コントロールズ・インタナショナル/JCI)との共同出資で設立していた空調事業合弁会社「Johnson Controls-Hitachi Air Conditioning Holding(UK) (ジョンソンコントロールズ日立空調/JCH)」の保有株式を全て、ドイツのRobert Bosch(ボッシュ)へ譲渡。

日立ブランド(現在は日立ジョンソンコントロールズ空調が展開)の家庭用エアコン「白くまくん」は、今後はボッシュが100%株主の新会社で日立GLSと連携して販売される。

契約内容は、日立GLSが40%保有するJCH株式をすべてボッシュに譲渡するもので、譲渡価格は14億ドル(約1,950億円)。JCHの業務用空調機器の開発と製造の拠点である清水事業所は日立GLSが取得し、日本国内の業務用空調事業は、日立GLSが開発/製造から、販売と保守サービスまで一体化した運営となる。

ボッシュが株主となる新会社は、日立GLSとブランドライセンス契約を締結して、従来同様に日立ブランドの空調機器を世界各地へ提供。日本国内向けの家庭用ルームエアコンも、引き続き新会社が日立ブランドの製品を提供。製造は引き続き栃木の事業所で行ない、日立GLSと連携して販売する。

日立GLSは、ボッシュが持つ欧州でのフットプリントを活用し、ボッシュと新会社を通じて、日立ブランドの空調機器のグローバル展開を強化。日本国内では業務用空調事業で市場ニーズに即した競争力の高い製品を開発していく。

日立GLSの業務用空調機器と日立グループのITやOT(制御/運用技術)、プロダクトを掛け合わせた冷熱ソリューションを一貫して提供できる体制となることで、生成AIの急速な普及に伴い需要が拡大するデータセンターや、電力不足に伴い需要が拡大するグリーンビルディングといった成長分野へのグリーンソリューションの展開を、ボッシュとのグローバルでの協力を含めて加速する。