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'24年上半期家電市場は1.9%減 エアコン増など回復傾向も
2024年8月27日 06:05
GfK Japanは8月22日、全国の家電量販店の販売実績データを基にした、2024年上半期の家電およびIT市場の販売動向を発表。家電小売市場の金額規模は約3.3兆円で、前年比1.9%減少し、過去5年で最も小さい規模となったと解説した。
2024年上半期の家電市場では、カメラ関連が最も高い伸びを示し、AV関連や生活家電もわずかに前年同期の金額を上回った。特に生活家電では、第2四半期(4~6月)のエアコン販売が好調だったほか、理美容家電や調理家電も前年を上回る結果となった。一方、スマートフォンなどの電話関連やIT関連は前年の金額を下回った。
生活家電市場を製品別に見れば、冷蔵庫の販売台数は前年並みの210万台となった。容量クラス別の数量構成比は小容量(200L以下)が前年から2ポイント増の46%、中容量(201~400L)が前年から1%減の21%、大容量(401L以上)が前年比1%減の33%となった。401L以上の大型冷蔵庫の平均価格は前年から1%上昇した。しかし、小型冷蔵庫の構成比が拡大したことで、冷蔵庫市場全体の税抜き平均価格は前年から3%下落した。
洗濯機は前年並みの260万台。タイプ別の数量構成比は、ドラム式が前年から変わらず20%、縦型が78%、二槽式が2%となった。洗濯容量別の数量構成比では、小容量(洗濯容量6kg未満)が24%、中容量(6kg以上8kg未満)が26%、大容量(8kg以上)が50%を占めた。大容量のうち12kg以上の製品が洗濯機に占める数量構成比は前年の14%から15%に拡大した。平均価格の上昇は落ち着き、洗濯機市場の税抜き平均価格は前年から3%下落し、87,000円となった。
エアコンは前年から8%増の420万台。2023年の上半期は気温がそれほど上昇せず販売が振るわなかったが、2024年の4月から6月にかけて、北海道や東北では平年比2.2度、その他地域でも約1度の気温上昇がみられ、夏が始まる前から暑い日が続いた。このため、早期購入が進み、販売は好調に推移した。冷房能力別の数量構成比には大きな変化はなく、小部屋向けの2.2kWが47%を占めた。全ての冷房能力帯で平均価格が前年を上回り、市場全体では前年から4%上昇した。
掃除機の販売台数は前年並みの360万台となった。中でもスティックタイプの数量は前年から7%増加した。一方で、キャニスタータイプは4%減、ロボットタイプは16%減少となり、市場規模は縮小した。スティックタイプの数量構成比は前年から4ポイント上昇し、61%となり、全体の市場におけるシェアがさらに拡大した。掃除機の税抜き平均価格は前年から5%上昇し、26,000円となった。
生活家電以外の市場については、薄型テレビの販売台数は前年比1%減の220万台でほぼ前年並み。タイプ別では、有機ELテレビは10%減、液晶テレビは大画面クラスを中心に「ミニLED」が前年比2倍以上、「量子ドット」モデルが前年比約1.4倍と好調。市場全体の税抜き平均価格は94,000円と3%上昇した。
BDレコーダーの販売台数は前年比19%減の41万台で減少傾向が続く。4Kチューナー内蔵モデルや大容量HDDモデルの構成比が拡大し、税抜き平均価格は前年比9%上昇の57,000円となった。
ヘッドホン/ヘッドセットの販売数量は前年比3%減の890万本。ワイヤー付き製品は前年比9%減で、完全ワイヤレスイヤホンは8%増と伸長。同製品では税抜き5,000円未満の手頃な価格帯が数量前年比10%増と好調に推移。同時に3万円以上の高価格帯製品が前年比約1.5倍と成長が顕著で、価格帯の二極化が進んでいる。
デジタルカメラの販売台数は前年比25%増の68万台と、回復基調が続いている。コンパクトカメラが数量前年比28%増、レンズ交換式カメラが同21%増と好調で、コンパクトカメラの平均価格は前年比4%減、レンズ交換式カメラは同3%増。全体の平均価格は前年並みの95,000円。
交換レンズは前年比17%増の28万本。ミラーレス一眼用レンズが24%増と市場をけん引し、平均価格は前年比5%上昇の105,000円となった。
GfK Japanは'24年下半期の家電小売市場について、前年の金額規模をやや上回るものと予想。生活家電が上半期の好調を維持し、電話関連、IT関連の落ち込みは上半期より小幅になり、通年の家電小売市場規模は、ほぼ前年並みで着地すると見ている。