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半固体電池のポータブル電源が登場 発火と発煙リスク抑える
2023年12月1日 09:05
BougeRV Japanは、半固体電池を搭載したポータブル電源「BougeRV(ボージアールブイ) Rover 2000」を10月10日に発売し、報道関係者向けに披露した。電池容量は2,008Whで、価格はオープンプライス。直販価格は298,000円。
半固体電池は、液体でも固体でもない中間の状態であるゲル状の材料を電解質として利用する新型電池技術。大容量・高出力を維持しながら、安全性を高めることができるという。
同社の王冲衡(おう ちゅこう)代表取締役社長によれば、現在一般的な電解質に液体を使っているリチウムイオン電池と比較して、内部分子構造が安定しているため、事故のリスクが低く、安全性が高いとしている。
具体的には一般的なリチウムイオン電池の場合は、釘を打って穴を開けると発火する。またリン酸鉄採用のリチウムイオン電池でも、電解液が液漏れし、発煙するという。一方で、半固体電池の場合は、発火することも発煙することもないと断言する。
また王社長は、本体の重さにも言及。同容量であれば、従来の液体電解質を使う電池と比べて、約10kgの軽量化を実現しているとも語った。
そのほか同機は、停電時にポータブル電源からの給電に20ms以内に切り替えるEPS機能を搭載。また、対応のポータブル電源を連結させて、最大8kWhまで容量を拡張することもできるという。
AC出力5ポートを備えるほか、USB Type-CとType-Aを各3ポート、カーチャージャーなど、14の出力ポートを搭載。出力の最大合計は2,200Wで、様々なデバイスを同時に充電できる。
なお同社製のポータブル電源であれば、無料で廃棄処分を行なうとする(送料はユーザー負担)。
本体サイズは400×270×285mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約21.2kg。
前述の王社長は、今後は多くのメーカーが、半固体電池搭載のポータブル電源を開発するだろうと予測。リチウムイオン電池が、一気にリン酸鉄を採用するようになっていったのと同じくらいのスピードで、今後は半固体電池へと切り替わっていくと見ている。