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除雪機に巻き込まれ死亡する事故も。取扱いには一層の注意を

10年間で25件の死亡事故が、除雪機で起こっている

独立行政法人 製品評価技術基盤機構のNITE(ナイト)は、除雪機を使用する機会の多いこの時期に、除雪機を正しく使うよう注意喚起している。

NITEによれば、2012年度から2021年度の10年間に、除雪機によりけがを負った事故が36件あり、死亡事故は25件だったとしている(大人が使用し、子供が巻き込まれた事故を含む)。また、死亡事故のうち18件(約7割)では、安全機能を無効化する誤った使用方法や、足を滑らせて転倒するなど、使用者による誤使用や不注意による事故だったとする。

そこで、より一層の注意を促すため、除雪機の事故を紹介するとともに、除雪機を使ううえでの注意項目を改めてまとめた。

代表的な4つの事故事例と注意ポイント

NITEは、「除雪機の死亡事故」の7割が誤使用もしくは不注意から起こっていると、2022年12月に発表している。どのような事故だったのか、4つの事例を紹介する。

除雪機の下敷きになった事故

ハンドルから手を離すと、自動的に駆動停止する「デッドマンクラッチ機構」を無効化。その状態で除雪機を後進中に転倒したため、除雪機が使用者に乗り上げて下敷きとなったと考えられる事故が発生している。使用者は、病院に搬送後に死亡が確認された。

NITEは、デッドマンクラッチ機構のクラッチレバーを固定して無効化したり、緊急停止クリップを装着しない状態で使用したりすることは「非常に危険なため、絶対にしないでください」と呼びかけている。

デッドマンクラッチ機構のクラッチレバーを固定して無効化すると、非常に危険
回転刃(オーガ)が回り続ける
止まらなくなる

子供が除雪機の回転部分に巻き込まれて死亡

除雪作業の途中で、使用者が除雪機のエンジンを切らずに、雪を取り込む刃(オーガ)を回転させたまま、その場を離れた。そのため、周囲で遊んでいた子供が、オーガに接触し巻き込まれた。子供は、病院に搬送後に死亡が確認された。

除雪機のエンジンを掛けたままその場を離れると、子供が近づくなど、思わぬ事故につながるおそれがある。一時的にその場を離れる時でも、必ずエンジンを切る。

一時的にでもその場を離れる時には、必ずエンジンを切る

回転刃(オーガ)に巻き込まれた事故

除雪機には、様々な安全装置が搭載されている。そのうち「緊急停止クリップ」は、使用者が装着しておくことで、使用者の体が除雪機から離れるとコードが除雪機から外れて、エンジンが停止するもの。

この「緊急停止クリップ」を装着しない状態で、除雪機のエンジンを掛けたまま、回転しているオーガに近づき、誤ってオーガに下半身を巻き込まれたものと考えられる事故が発生している。使用者は除雪機のオーガに巻き込まれた状態で発見され、病院に搬送後、死亡した。

詰まった雪を取り除こうとしてけがを負った事故

除雪機の排雪口(ブロワ)に詰まった雪を取り除く場合にも注意が必要だ。このブロワに詰まった雪を、ブロワ内部の回転部が停止しないうちに、直接手で取り除こうとしたところ、右の手指を負傷した。

NITEは、雪が詰まった場合は、必ずエンジン及び回転部の停止を確認し、付属の雪かき棒を使用して取り除くよう注意を促している。

排雪口に詰まった雪を取り除く場合は、必ず付属の雪かき棒を使う

その他、気を付けるポイント

雪上での作業は、足元が非常に滑りやすいため、より一層の注意が必要。特に後方へ移動する際は、障害物の有無を確認する。障害物があると、転倒して除雪機にひかれたり、障害物に挟まれたりするおそれがあるとしている。

周囲に人がいない状況で作業するのも、重要なポイント。特に子供を近づけないよう気を付けたい。また、除雪時に雪を飛ばす先にも、人がいないことを確認する必要がある。

まだ除雪する機会は多いだろう。上記の事例や注意点を頭に浮かべ、十分に注意しながら除雪機を使ってほしい。

足元を注意するとともに、特に後方へ移動する際は、障害物がないかを確認する
周囲に人がいないかを確認する