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調理に便利なスライサーでケガ多発。ホルダーから手が滑ることも

野菜が小さくなり指がスライサーの刃に接触する様子

独立行政法人 国民生活センターは、野菜等の食材をスライスできる調理器具「スライサー」に関する注意を発表した。

国民生活センターは2009年と2013年に、スライサーで調理する際の手指にケガをする危険性についての注意喚起を行なったが、それ以降も依然としてスライサーによるケガに関する事故事例が継続的に寄せられているという(2017年度以降、医療機関ネットワークに87件、PIO-NETに18件)。

スライサーでのケガは指先の皮膚等を削ぎ落とすこともあり、そのような場合は止血しにくく、治癒までに期間を要することもあるという。

国民生活センターはこうした事故をもとに検証を実施。野菜が小さくなったときや、小さな野菜を調理するときは、野菜を手で保持しづらかったり、手を滑らせてしまうことなどがあり、指にケガをする可能性があると指摘している。

そのため、食材をつかむ安全ホルダーの適切な使用や、包丁を使うことで、より安全に調理できるものの、ホルダーも持ち方を誤るとケガをする可能性もあるとしており、実際にホルダーを使っても手が滑ってしまった事例も医療機関に寄せられている。

そのほか、洗浄中に刃に触れてケガをしたり、引き出しから取り出す際に刃に触れてケガをするなど、調理中以外の事例もあった。消費者には、使用中に気をつけるだけでなく、手入れや保管をする際にも注意するよう呼びかけている。

メーカーや販売事業者に対してはスライサーの危険性や正しく安全な使用方法について、消費者へのより分かりやすい説明や情報提供、啓発を行なうとともに、より安全に配慮した商品の開発を要望している。

野菜を保持した手を滑らせ指がスライサーの刃に接触する様子