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明るい「でかランタン」や切れない手袋。地震に備えるパナソニック製品を体験してきた

停電時に周囲を照らすランタンなど、日ごろから備えを

最近でも4月ごろから京都付近で立て続けに地震が発生するなど、日本国内の生活において地震はいつ起きてもおかしくないもの。パナソニックは、地震など災害の備えになる家電を、都内の防災体験学習施設「そなエリア東京」で報道関係者向けに紹介。ランタンなど、災害時だけでなく日常でも活用できる製品を日ごろから備えておくことで、防災につながるとして、専門家が“防災スキル”向上のためにできることについて説明した。

そなエリア東京には、首都直下型地震が起きた場合の街の様子を再現したセットも

10畳の部屋も照らすランタン

防災ファシリテーターの宮丸みゆき氏は「楽しく学び、賢く備え、自分で考え行動できる防災を!」がモットーの「アクティブ防災」を呼びかけている。宮丸氏が家庭でできる防災の備えで大切と話すのは「ライトを多めに備えておくこと」。「暗いと、気分も暗くなってしまう」ためだそうだ。

宮丸みゆき氏は「ライトは多めに備えておくのがいいです」と話す

パナソニックが4月末に発売した「でかランタン BF-BL40K」は、同社の乾電池式ライトの中でも1番の明るさだ。4段階で明るさを調節でき、最も明るいときは800lmになり、10畳の部屋も明るく照らすことができる。また、電池寿命は最も弱い明るさで約1,500時間と、およそ62日間にあたる。持ち手付きで、懐中電灯としても使用可能だ。

本体の重さは約780gと、災害時の非常用持ち出し袋に入れるにはやや重い。一方で、球体のデザインが特徴の同社のLEDランタン「球ランタン」と統一性のある、半球型のフードを採用したため、普段は常夜灯などのインテリアとして使える。

でかランタン BF-BL40K
同社のLEDランタン「球ランタン」。でかランタンも統一性のあるデザインとした
最も弱い明るさで点灯した場合
最も明るい場合は部屋をしっかりと照らせる。このとき部屋の照明は落として真っ暗の状態だった

両手を自由に使えるネックライトや、さまざまな電池を使える懐中電灯も

パナソニックは、でかランタンの他にも、災害時に周囲を照らせる製品を販売している。LEDネックライト「BF-AF10P」は、首に掛けて手元や足元を照らせる。白色LEDで明るく照らすため、災害時に暗い場所で地図を見る際にも、手元を認識できる。電源はコイン形リチウム電池(CR2032)2個。

LEDネックライト

そなエリア東京には、首都直下地震が起きた際の建物や街を再現したフロアがあり、筆者も実際にネックライトを使用して歩いてみた。災害時には停電が起きることから再現フロアは暗く、足元が見えない場所もあったが、LEDネックライトを点灯すると、足元に何があるか見えて安心感につながった。

写真左はLEDネックライトを点灯していない状態、右は点灯した状態

また、明るさ以外に驚いたのが軽さだ。重さは40g程度と、大人であれば重さがあまり気にならないレベル。筆者は首にかけているのを忘れるほどだった。鞄に入れて持ち歩き、普段は夜の散歩、災害時は避難に活用できそうだ。

カラーのラインナップはビビッドピンクやブラックなどの4色のほか、人気テレビアニメ「鬼滅の刃」のコラボレーションモデル4色を展開。子供も楽しく持てそうだ。

キャラクターをあしらった製品も

停電時に欠かせない懐中電灯では、単一~単四形いずれかの電池1本で点灯する「電池がどれでもライト BF-BM10」も災害時に活躍しそうだ。電池は新品に限らず、他の機器で使いかけの電池も使用可能。災害時に懐中電灯用として不足しがちな単一・単二形電池が手に入らなくとも、他の機器で使われている単三・単四形電池を抜き取って使用できるようにした。

単一~単四形の電池いずれか一本で使える懐中電灯

切り傷に強いタングステン手袋は、がれきの撤去作業などに便利

白熱電球で使われるタングステン線加工技術を用いた「タングステン耐切創手袋」も紹介された。希少金属のタングステンを編み込んだことで、ガラスなどで擦っても切れにくいのが特徴だ。

タングステン耐切創手袋

そなエリア東京を案内してくれた副センター長の澤 善裕氏によれば、「地震が起きた後のがれき撤去作業などに重要」という。2011年の東日本大震災では軍手をつけてがれき撤去を行なった人が多くいたが、けがをする人がいたそうだ。なかには、がれきによる切り傷で破傷風になり、命に係わる問題につながった事例もあるという。

タングステン耐切創手袋は洗濯が可能で繰り返し使用できる。普段はDIYやガーデニングに使い、災害が起きた際は割れたガラスやがれきを扱う際に使えそうだ。

カッターで切ろうとしても切れない
そなエリア東京副センター長の澤 善裕氏

自分や家族にあわせて防災を

明かりや手袋など災害時に便利な製品はさまざまだが、防災ファシリテーターの宮丸氏によれば家族や個人にあわせた「オーダーメード防災」が重要という。家族によって、年齢や病気の有無、食の好みなどの要素が異なる。家族や個人に合わせて、防災グッズを揃えていくことを推奨している。

記事で紹介した製品を使うのに必要な電池も同様だ。一般的に、被災時に生活するためには、3日間で1人当たり17本もの電池が必要になると言われている。電池を備えておくことは必要だが、「人によって備え方は異なる」と話すのは、そなエリア東京副センター長の澤氏。「車のバッテリーを電源代わりに使用する人もいれば、ポータブル電源を活用する人もいる」。電池についても、ソーラーパネルと充電式電池を用いることで、家族にあった本数を考えるのがよいそうだ。

そなエリア東京の、東日本大震災での避難所を再現した場所。携帯電話の充電エリアは混雑