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ハイアール、自動かきまぜで無水調理できる電気鍋。低温調理など90メニュー

自動調理鍋「HotDeli(ホットデリ) JJT-R10A」

ハイアールジャパンセールスは、独自のかきまぜ機構ユニットでほったらかし調理が可能な自動調理鍋「HotDeli(ホットデリ) JJT-R10A」を12月1日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は24,000円前後。

無水調理が可能な自動調理鍋。煮る/炒める/ゆでる/蒸す/低温調理/炊飯/パン・ケーキの調理が可能。独自のかきまぜ機構ユニットを備え、少ない調味料でも味が染みわたるという。本体には自動メニューを備え、発売時点では90種類の料理をほったらかしで作れる。

かき混ぜユニット

自動メニューでは、本体でメニュー番号を指定することで調理を行なう。本体にはQRコードが貼られており、スマートフォンで読み取ると専用のレシピサイトに遷移する。自動メニューの番号や詳細を確認でき、外出先でも食材を確認しながら買い物できる。発売時点で自動調理できるメニューは90種類だが、このほかに165ほどの自動メニューを本体に組み込んでおり、今後サイト上でメニューを追加予定という。

【訂正】初出時、本体内蔵の自動メニュー数について、発売時点で自動調理できる90メニュー以外に「199ほどの自動メニュー」を組み込んだとしていましたが、正しくは「165ほどの自動メニュー」でした。お詫びして訂正いたします(11月24日)

調理中の操作部。番号でメニューを表示する

2段調理トレイが付属し、下段(調理釜)で炊飯、上段(トレイ)でおかずの調理といった同時調理が可能。トレイでは料理を作れるほか、レトルト食品の温めにも活用できる。

本体の幅が21.6cmとコンパクトなのも特徴。天面にボタンなどの操作部を集約しているため、立った姿勢で操作できる。また、炊飯器のように片手で蓋を開けられる。

手動調理も可能。カテゴリーは「煮る/煮詰める」「煮込む」「炒める」「茹でる/蒸す」「あたため直す」「低温/発酵」「パン・ケーキ」「白米」「炊き込み/玄米」の9種類のほか、清掃の「クリーン」。時間は1分単位、温度は1℃単位で設定できる。温度の幅はカテゴリーにより異なり、例えば「低温/発酵」では40~100℃、「炒める」では110~135℃の間で設定可能。

本体サイズは216×279×210mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約3.1kg。コードはリール式で、長さは約1m。消費電力は460W。クックトレイ(調理用カゴ)、まぜスティック、おたま、軽量カップ(約180ml、1合)、しゃもじ、レシピブックが付属する。かきまぜ機構は取り外し可能。

二段調理トレイを取り付けて、おかずと米の同時調理も

ヘルシーな無水調理、ほったらかしでカレーや低温調理も

同社は11月に都内でHotDeliの製品説明会を実施。具材をセットするだけで調理できる家電を各社が発売する中、ハイアールは時短を重視した電気圧力鍋でなく、かき混ぜ機構を備えた自動調理鍋を発表。商品企画部の原 利光課長によれば、「(ハイアール本社のある)中国では電気圧力鍋が主流で、HotDeliは日本向けに作った製品」という。「日本ではすでに電気圧力鍋がすでに数多く販売されており、差別化が難しい。HotDeliはかき混ぜ調理による調味料の少なさやヘルシーさといった健康志向を考慮して製作した」。

本体は一見、通常の炊飯器にも似ており、ヒーターの方式なども炊飯器と同様のもの。一方で、上部に高出力のモーターを搭載し、かきまぜ機構を取り付けられるようにした。かきまぜ機構の2本のアームと内なべは、食材が絡みにくい形状に工夫した。また、内なべも炊飯器と同じフッ素塗装ながら、より耐久性の高まる粉体塗装という方法で吹き付けた。

「食材が絡みにくいように設計した」と説明する商品企画部の原課長
通常の炊飯器よりも耐久性のある内釜。左がHotDeliで右が同社の炊飯器

製品説明会ではカレーやパスタ、サラダチキンなどの調理過程の見学と試食も行なった。ほとんどの料理が、鍋に食材を入れて自動メニューをセットするだけで調理が完了した。

無水調理のカレーは、肉や野菜のほかに、カレールーや通常の調理よりも少ない分量の水をセット。出来上がりは通常のものに比べて水の分量が少ないこともあり、食材の旨みを感じる味だった。パスタもカレーと同様に、食材や水を鍋に入れるだけで完成。パスタは通常の長さでは鍋に入らないため、半分に折って入れる。出来上がりはかき混ぜユニットのおかげか、全体的に味や具材が混ざっていた。麺の食感は柔らかめの食感で、固めの麺が好きな人であれば、自動メニューではなく手動で調理時間を設定することで調整できそうだ。

低温調理のサラダチキンは、調味料を入れたジッパーつき食品保存袋に鶏肉も加えて空気を抜き、水を入れたHotDeliにセットして作る。調味料の味が染み込み、食感は固くなりすぎていなかった。

食材をセットするだけで準備は完了
パスタの調理では、半分に折る。料理研究家の角田佳子先生が紹介
サラダチキンの下準備。ジッパーつき食品保存袋に調味料と肉を入れる
完成したところ。左からパスタ、アヒージョ、無水カレー
パスタとサラダチキン
無水調理のカレー

同製品のターゲットは学生や20~40代の一人暮らし世帯や少人数世帯。同社の乾 修明副社長は「コロナ禍で、3分の1の人が料理を作る頻度が上がっていると言われている。HotDeliは、自宅で食事をする機会が増えた方や、共働きで忙しい家庭のサポートをする製品だ」と強調する。実際の調理を見ていると、鍋に食材を入れるだけで調理が終了していたので、家事や仕事で調理時間がなかなか取れない人でも活用できそうだ。

ハイアールジャパンセールスの乾 修明副社長