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パナソニック、AIを用いた歩行トレーニングロボットを量産へ
2021年4月28日 06:00
パナソニックは、高齢者向け歩行トレーニングロボットの量産モデルを開発。同ロボットを用いた「歩行トレーニング支援サービス」を、介護・福祉施設、病院などを対象に4月より提供開始すると発表した。
歩行トレーニングロボット「Walk training robo KY-WTR502S」は、身体機能の低下や転倒の経験などにより歩くことに不安を感じ始めた高齢者が、安全で効果的な歩行運動をできるようにしたもの。同社は2015年よりAIを活用した歩行トレーニングロボットを開発。介護施設、病院での実証実験を経て、同ロボットの量産化技術を確立し、支援サービスの提供に至った。
本サービスを通じて、利用者一人ひとりに最適なトレーニングを提供し、歩行能力の維持/改善が可能になるほか、トレーニング結果を自動で記録できるため、施設スタッフの管理業務の負担も軽減。介護事業者や病院の継続的な歩行トレーニングをサポートするとしている。
本サービスでは、ロボットを押して歩くだけでAIが日々の歩行状況を自動解析し、一人ひとりに最適な運動負荷を提案。運動負荷は利用者ごとに個別に設定可能。AIの歩行分析により身体機能の変化が可視化され、効果が見えないことによる不安を解消するという。
歩行トレーニングの結果(距離/時間/速度/左右バランス)は自動で計測/記録され、歩行中でも画面にリアルタイム表示されるほか、自動でクラウドに保存される。結果はパソコンのブラウザ上でも確認でき、報告書としてPDFファイルで出力可能。各種申請に必要な書類作成をサポートすることで、施設スタッフの手間を軽減するという。
ロボット本体は、歩行補助器に見えないスリムな外観を採用。ハンドルは太く握りやすい形状で、肘をのせて体を支えられる設計とした。ハンドルは利用者の身長や持ち方に合わせて高さが自動調整され、負担のない姿勢でのトレーニングが可能。本体操作はタッチパネル画面で、音声ガイドに従いながら簡単に行なえるとする。
歩行トレーニングロボット KY-WTR502Sの重量は20kg。電源は充電式リチウムイオン電池。連続使用可能時間は約4時間。実運用可能時間は約6時間。充電時間は約4時間。液晶画面サイズは10インチ。パーソナルケアロボット(生活支援ロボット)の安全性に関する国際規格ISO13482を取得している。