ニュース
VR火災動画で体感、非常灯など「防災照明」の重要さ。点検や交換の目安は?
2020年8月31日 14:51
パナソニック ライフソリューションズ社は、9月1日の「防災の日」を前に、誘導灯や非常用照明器具など「防災照明」の点検や交換の重要性について告知。火災などを想定したVR動画を公開して災害の恐ろしさと、防災照明の交換時期などについて案内している。
防災照明に関しては、建物のオーナーなどがメンテナンスの必要性を十分に理解しておらず、保守点検がなされていない場所も存在するという。
同社は、人々が利用する建築物や公共施設においての「誘導灯」や「非常用照明器具」など、防災照明の点検・交換啓発活動を強化。防災照明の重要性を伝えるために、VR動画を公開した。オフィスビルで地震による火災から、防災照明を頼りにして避難するシーンを想定した内容となっている。
建物のオーナーやメンテナンス会社に対し、各種勉強会などの際にVRゴーグルを使って体感できる機会を設けており、防災照明の点検や交換を促すという。
VR火災の動画は、「あなたは光無しで逃げられるか」をテーマに制作。リアルな災害体験で防災照明の必要性を訴求する。VRゴーグルで視聴でき、体験時間は約4~5分。
誘導灯は、火災や停電時に避難する際の目印となり、非常用照明器具は、停電時に避難する際に室内や通路を照らす。地震や火災などで停電が発生した際に安全に避難するために必要なもので、同社は「いのちのあかり」と表現している。
これらの防災照明には、内蔵された蓄電池やランプの寿命などのメンテナンスの必要時期を、誰でも目視で確認できるSOSサインがあるという。
誘導灯の場合は、下にある「赤いランプが点滅」していれば、ランプの交換時期を示しており、「緑のランプが点滅」していれば、蓄電池の交換時期となる。
非常用照明器具の場合は、「緑のランプが消灯」していると蓄電池やランプの異常や寿命を示している。これらの防災照明の器具本体にも寿命があり、8~10年を目安に器具本体を交換する必要があるという。なお、器具の種類によって、モニターランプの見方は異なる。
なお、パナソニック製品においては、誘導灯や非常灯は、ほぼ100% LED化。誘導灯は従来型より約87%節電。非常灯は、LED化により蓄電池も小型で済み、低価格化できたという。階段灯については、従来の蛍光灯に比べて約79%の節電を可能にした。
そのほか、同社における今後の新商品においては、点検作業が簡単にできるように「リモコン自己点検機能」を標準装備化。脚立などを使わなくても、リモコンのスイッチでまとめて行なえるようにしている。
防災照明の交換目安時期と、点検ポイント
緑色→器具交換時期の目安
黒色→蓄電池交換時期の目安
赤ピコ点滅はランプ交換の目安
緑ピコ点滅は電池交換の目安
上記のSOSサインをそのまま放置している建築物では、停電などの際に室内や廊下が真っ暗なままとなり、避難口が分からず、逃げ遅れて大事故につながる可能性があるとしている。
誘導灯は「消防法令」、非常用照明器具は「建築基準法令」により、非常時に定められた時間点灯するかどうかを点検し、適正な状態を維持管理することが、施設オーナーに義務付けられている。
誘導灯点検は、20分間または60分間以上、非常用照明器具点検では30分間以上の点灯確認が必要。パナソニックは、これら防災照明の点検・交換強化を建築物の施設オーナーに促すことで、施設で停電が発生した際にもランプ切れや蓄電池の充電切れなどなく、通路や室内が照らされ、安全に避難できる環境づくりを目指すとしている。