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日本のFitbitユーザーは睡眠が不十分、「Wellness Day 2019 Tokyo」でスティーブ・モーリー氏が基調講演

 スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスを手掛けるFitbitは5日、同社の取り組みや研究機関などの様々な研究成果を紹介する「Wellness Day 2019 Tokyo」を開催。Fitbit Asia Pacific 副社長兼ゼネラルマネージャーのスティーブ・モーリー氏も来日し、基調講演を行なった。なお基調講演では、先日発表されたGoogleへの事業売却については言及されなかった。

ウェアラブルデバイス「Fitbit」
「Wellness Day 2019 Tokyo」で基調講演を行なった、Fitbit Asia Pacific スティーブ・モーリー氏

 スティーブ・モーリー氏は冒頭で、「健康はすべての人のものです。しかし、私たちが健康的な生活をしようとするときに、複数の障壁があるのも事実です。多くの人は不調があってから病院に行き、長期的に自分の健康を気にすることができていません」とコメントした。

 続けて世界中で課題となっている睡眠問題に触れ、Fitbitがこれまでに集約してきた睡眠に関するサンプルデータを紹介。Fitbitユーザーの35%が7時間未満の睡眠しか取っていなく、3人に1人は十分な睡眠が取れていないことがわかったという。また、睡眠時無呼吸症状のある人の80%はその自覚がないとする。

Fitbitユーザーの35%が7時間未満の睡眠しか取っていないという

 「日本に絞ったデータで見ると、日本のFitbitユーザーの平均睡眠時間は6時間47分と、7時間に達していません。また、就寝時間は0時と遅く、これは深夜に就寝していることになります。にも関わらず平均起床時間は世界で一番早いのです。睡眠問題が日本経済へ与える悪影響は、1,380億ドルにも達すると私たちは算出しています。

 Fitbitはユーザーに行動変容を起こすことが期待できますが、日本においては睡眠という項目で特に貢献できると考えています。実際、Fitbitを継続的に使っている人で、1日の睡眠時間が10分以上伸びたというデータもあります。健康的な生活を送るためには、睡眠は極めて重要です。ユーザーの行動変容を起こせるよう、Fitbitでは新たな取り組みを考えています」(スティーブ・モーリー氏)

日本のFitbitユーザーの平均睡眠時間は6時間47分

2020年にプレミアムサービスを開始

 新サービスとして詳細が説明されたのは、「Fitbit premium」。マンツーマンの健康コーチングや、より細かい睡眠ガイダンスが受けられる有料サービスだ。日本での提供は2020年で、価格は未定だが1カ月あたり数ドル程度になる予定だという。

 ユーザー1人1人にカスタマイズされたガイドプログラムも用意し、「アクティビティ/食生活/睡眠」などジャンルを絞った目標設定が可能。プログラムは約2~3週間で達成できるもので、1つのジャンルに集中することでより達成しやすくなるという。

有料サービス「Fitbit premium」。日本では2020年提供予定
マンツーマンの健康コーチングや、より細かい睡眠ガイダンスが受けられる
約2~3週間で目標達成できるガイドプログラム。「アクティビティ/食生活/睡眠」などジャンルを絞った目標設定が可能

 マンツーマンでの健康コーチングは、体重減少だけでなく糖尿病管理にも対応するとしている。公認のヘルス&ウェルネスコーチから、SNSを介してアドバイスを受けられる。よりパーソナルなケアを受けられながらも、カウンセリングなどの予約を取る必要がなく気軽に利用できる。

 スティーブ・モーリー氏はFitbitの日本市場について、「市場は加速しています。消費者への提案ももちろんですが、企業からの需要がアジアの中でも目立っているのが特徴です。新たなプレミアムサービスはよりパーソナルなケアができ、糖尿病などの生活習慣病にも役立てられるはずです。こうしたサービスは個人のユーザーだけでなく、企業とのタッグも想定しています。最近は日本でも健康経営という考え方が浸透しており、Fitbitもこうした領域にさらに踏み込んでいきます」と語った。

健康コーチングではマンツーマンでアドバイスを受けられる。体重減少だけでなく糖尿病管理にも対応するとしている