特別企画
ジューサー、ミキサーのトレンドをチェック!
~そもそも、ジューサーとミキサーの違いって何?
(2013/9/24 00:00)
衰えを知らぬ健康ブームで、息の長いニーズをもつのがフレッシュジュースを作れるジューサーやミキサーといった調理家電だ。ざっと見たところ、ハイパワーなファミリー向けの大型製品だけでなく、2人分程度が手軽に作れる小型化が進み、キッチンに置きたくなるカラフルかつかわいいデザインが増えたように思う。
とはいえ、名前からしてどれがどれやら区別がつかず、自分がやりたいことは、どの製品を使えばいいのか分からず悩んでいるのではないだろうか。そこで、これからジューサーやミキサーを使ってフレッシュジュースを作りたいとお考えの方に、用途に合わせた選び方とトレンドをご紹介したい。
「ミキサー(ブレンダー)」「ジューサー」「フードプロセッサー」の違い
そもそもフレッシュジュース作りに使われるのは、「ミキサー」や「ジューサー」といわれる製品だ。
フレッシュジュースは、繊維質の豊富なとろみのあるタイプと、水のようにサラっとしたタイプの2種類に分けられ、どちらを作りたいかで製品選びは大きく異なる。
つまり、とろみのあるジュースを作りたいなら「ミキサー」、水のようにサラっとしたジュースなら「ジューサー」と、目的に合わせて選ぶ必要がある。紛らわしいものに「フードプロセッサー」があるが、この違いはのちに詳述しよう。これらの違いを覚えておくと、製品選びが楽になる。
・「スムージー」や「グリーンスムージー」を作れるミキサー
まず「ミキサー」とは、ブレードのついたボトルの中に、ある程度刻んだ野菜や果物、水分を入れ、高速で回転するブレードで細かく粉砕、攪拌する調理器具。回転数や回転方法を変えることで、食材が細かくなめらかになり、入れた食材をまるごと使ったとろみのあるジュースや、ドレッシング、ソースなどを作ることができる。
いわゆる「スムージー」または「グリーンスムージー」と言われるドリンクを作れるのが、この「ミキサー」である。ある程度の水分が必要なのも重要なポイント。
なお、日本で「ミキサー」の名で定着している製品は、実は海外では「ブレンダー」といい、海外で「ミキサー」と言えば、クリームなどの泡立て器を指す。ミキサー売り場でも「ブレンダー」の名を冠した製品があり、呼び名が混在して紛らわしいが、同じものであると覚えておこう。なお、電動の泡立て器は「ハンドミキサー」と呼んで区別することが多いようだ。
・繊維をフィルターで漉して、サラサラのジュースを作るジューサー
食材を丸ごと摂取する「ミキサー」に対して、食材を細かく砕き、繊維をフィルターで漉すため、水のようなサラサラしたジュースが得られるのが「ジューサー」である。フィルターを使う分、絞りカスが生じるという特徴がある。
この「ジューサー」は、現在「高速回転式」と「低速回転式」に分類できる。従来は、1分間に1万回転以上というスピードで高速回転するおろし金のようなブレードで食材をすり下ろし、遠心分離によって水分だけをカップに搾汁する「高速回転式」がほとんどだった。
しかし、近年では1分間に32~80回転という低速で搾る、「低速回転式」が人気を集めている。ゆっくり押しつぶすようにして絞るため、栄養素が壊れにくいことや、音が比較的抑えられていること、絞りカスがあらかじめ分離されて自動的に排出されるので、連続して絞りやすいことや、手入れの手間が軽減されるというのが人気の秘密である。
・ミキサーとフードプロセッサーの違い
ちなみに、「ミキサー」と混乱しがちな調理器具が「フードプロセッサー」だ。「フードプロセッサー」も、ボトルの底にブレードがついており、ブレードが高速で回転することで入れた食材を粉砕、攪拌できる調理器具である。
固形食材をなめらかにできるため、用途によっては得られる状態は同じこともあるが、ジュースなどの液体がメインの「ミキサー」に対して、「フードプロセッサー」は、水分を必要としないことが多く、野菜のみじん切りやおろしを作る、肉や魚をミンチ状やペースト状にする、パン生地をこねるなど、食材の下ごしらえとして活用する調理器具だ。
以上が「ミキサー」「フードプロセッサー」「ジューサー」のおおまかな違いだ。機能が重複する部分もあるが、目的を明確にしておくと必要な器具を選びやすくなるはずだ。
製品選びのポイント
ここからは製品選びのポイントと、注目の製品をご紹介したいと思う。まず製品を選ぶ際のチェックポイントを以下の項目にまとめた。
・作りたいジュース(とろみ系ならミキサー、サラサラ系ならジューサー)
・サイズ(設置スペースや利用人数にあうサイズか)
・モーターのパワー(ミキサーの場合、氷や冷凍した果物を入れたいか)
・回転数(ジューサーの場合、高速回転式と低速回転式がある)
・構造(ミキサーの場合、直接飲めるタイプも登場している)
・材質(ミキサーの場合、ボトルがガラスかプラスチックか、ブレードがアルミか摩耗しにくいチタンか)
・手入れのしやすさ(パーツが少ないほど負担が軽い。ブレードの洗いやすさもポイント)
・デザイン(使い続けたくなるデザインか)
・オプション品の有無(そのほかの機能を求めるか)
ミキサーをサイズから選ぶ
「ミキサー(ブレンダー)」の中から、フレッシュジュースを作るという目的で製品を探すとき、主な判断基準は、“作りたい量(サイズ)”と“氷が砕けるパワーが必要かどうか”の2点。以下に、ミキサーのサイズ別のお勧め製品を挙げてみた。
・ファミリーサイズ(4~5人用)
・3人用/1~2人用/スティックタイプ
ジューサーをモーターの回転数から選ぶ――高速回転式? それとも低速回転式?
「ジューサー」選びの最大のキーワードは回転数だ。従来型の高速回転式か、臼のようなカッターでじっくり絞る低速回転式か。得られるジュースはどちらもサラサラだ。
・低速回転式
低速回転式のほうが、空気との摩擦が少ないため栄養が壊れにくいと言われており、絞りカスが分離して自動で排出されるため、手入れの手間もかかりにくいと言える。低速回転式の中でも回転数が異なる製品があるが、1分間に32回転か、80回転かで劇的な違いがあるといったことはないようだ。機能的にはほぼ同じなので、サイズやメンテナンスのしやすさがカギなるだろう。
・高速回転式
一方の高速回転式は、絞りカスが内部にたまるため、掃除の手間はかかるが、パーツを交換することで、ミルやミキサーとして使えるなど、汎用性が高いものもある。
なお、ジューサーは、入れる素材の量を適宜調整できることや、絞りカスが順次排出されることから、1度に作れる量は中のフィルターの状態次第といえる。ただし、準備や洗う手間を考えると、コップ1杯分だけ作ろうという気持ちになりにくいタイプかもしれない。それぞれのメリット、デメリットをよく踏まえた上で選びたい。
話題の「スムージー」をパッと作ってサッと飲むなら、カップ式のミキサーで
1人暮らしで、自分が飲むだけの「スムージー」が作れればいいという方は、ボトルがカップを兼ね、そのまま飲めるタイプが手軽でおすすめだ。コップ1杯分が気軽に作れ、洗い物はカップ(ボトル)とブレード部分の2点だけ。面倒臭さが極限まで削られているので、続くかどうか心配というときにもいい。
実は、ミキサーの中でも、最近のトレンドが、このスムージー作りを意識した製品なのだ。
スムージーとは、以前は冷凍した果物や氷などを使って作るシャーベット状のドリンクを指していたように思うが、現在では、冷凍していない野菜や果物を使って作る、とろみのあるドリンク全般を指すようだ。中でも、ほうれん草や小松菜といった、緑の濃い葉野菜と、果物、水をよく混ぜたフレッシュドリンクを「グリーンスムージー」という。ロシア生まれで米国在住のヴィクトリア・ブーテンコという女性が、体の不調を抱えた自分や家族の健康を考えた末に生み出したドリンクだ。フレッシュジュースはこれまでも存在したし、青汁も有名だが、グリーンスムージーは根菜類を使わず、クロロフィルが豊富な葉野菜をメインとし、フルーツとあわせてまるごと摂取することで、飲みやすさと繊維質、栄養面をカバーしているのが特長だ。
目的に合うジューサー、ミキサーを選んで
ジューサーやミキサーを使えば、鮮度の高い栄養素を豊富に含んだフレッシュジュースを簡単に作れる。健康のために、1日に必要な野菜の量は350gと言われているが、外食で付け合わせのサラダを食べたところで、なかなか補いきれない量であり、たとえ用意されて食べろと言われても厳しいだろう。ジュースになれば案外楽に摂取でき、胃腸への負担も軽い。料理はできなくても、水と野菜と果物を入れるだけで、栄養が豊富なドリンクが作れるのだからありがたい。
フレッシュジュース作りを習慣化するのなら、自分にあった製品を選ぶことがポイントだ。以上、今年のジューサー、ミキサーのトレンドと選び方をまとめてみたが、気になる製品はあっただろうか。詳細は、以下の表でご確認いただきたい。
タイプ | メーカー | 製品名 | サイズ | 最大容量 | 氷 | Amazon価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
ミキサー | パナソニック | ファイバーミキサー MX-X109 | ファミリーサイズ | 1,000ml | ○ | 9,769円 |
デロンギ | パワーブレンダー 3WAY DBL247-WH | ファミリーサイズ | 800ml | ○ | 10,500円 | |
クイジナート | コンパクトブレンダー CPB-300JBSW | ファミリーサイズ | 800ml | ○ | 8,207円 | |
テスコム | 真空ジュースミキサー TMV1000 | ファミリーサイズ | 780ml | ○ | 25,316円 | |
ラッセルホブズ | ミニブレンダー 7810JP | 3人用 | 600ml | ○ | 6,300円 | |
レック | KD003 | 1~2人用 | 400ml | × | 3,530円 | |
カップ式ミキサー | 山本電気 | POWERMIX MB‐BL22 | 1人用 | 400ml | ○ | 9,300円 |
ビタントニオ | VBL-30 | 1人用 | 400ml | ○ | 3,980円 | |
岩谷産業 | ミルサー6PW | 1人用 | 260ml | × | 5,822円 | |
ショップジャパン | マジックブレット | 1人用 | 570ml | ○ | 7,872円 | |
スティックタイプ | BOSCH | コードレス・ハンディブレンダー mixxo | - | - | × | 26,250円 |
ジューサー(低速) | ヒューロム | 低速回転式ジューサー HU-400 | - | - | × | 32,220円 |
シャープ | ヘルシオジュースプレッソ EJ-CP10B | - | - | × | 21,400円 | |
ティファール | インフィニープレス レボリューション ZC500HJP | - | - | × | 2013年12月発売予定 | |
ジューサー(高速) | パナソニック | MJ-M32 | ファミリーサイズ | 700ml | ○ | 14,817円 |