ニュース

BLUETTI、ナトリウムイオン採用ポータブル電源 -25℃の極寒でも使える

ポータブル電源「Pioneer Na」

BLUETTI(ブルーティ)は、容量900Whで定格出力1,500Wの、ナトリウムイオン電池を採用した、ポータブル電源「Pioneer Na」を発表した。発売時期や価格は未定。

ナトリウムイオン電池を採用したポータブル電源

-25℃の極寒の環境でも最大出力1,500Wを維持し、雪上のキャンプや氷上の釣りなどでも、安心して利用できるとする。また-15℃までは、充電も可能(-10℃以下の場合、充電容量の最大60%まで充電できる)。なお同社によれば、現在一般的なリチウムイオン電池の動作限界温度は-20℃。

-25℃の極寒の環境でも最大出力1,500Wを維持できる

ACコンセントの場合、本体を最大1,400Wで充電でき、80%までを45分、100%までを65分で充電完了させる。また、ソーラーパネルを併用すれば、35分で約80%まで充電できる可能性があるとする(環境による)。

ACコンセント4つのほか、USB Type-C端子を1つ、USB Type-A端子を4つなどを備える。また本体天面は、ワイヤレス充電パッドとなっており、対応スマートフォンを置くと、最大15Wで充電できる。

ACコンセント4つなどを備える
天面は、最大15Wのワイヤレス充電パッドになっている

充放電のサイクル寿命は4,000回以上(初期容量の70%)で、10年の耐久設計となっている。

本体サイズは247×340×317mm(幅×奥行き×高さ)、重さは16kg。

同社顧問の川村卓正さんは「地球上に無尽蔵にある最も多い(素材である)ナトリウムを使った、環境に優しいバッテリーだ」と語る。そのうえで、「あまり言いたくないが……」としつつ、現状のナトリウムイオン電池には、2つの欠点があるという。

顧問の川村卓正さん

「1つは、まだナトリウムイオン電池が高いこと。もう1つが、エネルギー密度がちょっと低い。(従来の)リチウムイオン電池と比べて、同じ容積だと少し低めになってしまいますので、重かったり大きかったりすることがあります」

そのため、ナトリウムイオン電池によるポータブル電源の商品化は、同社としてもリスクのある投資だとする。それでも商品化する意味を、次のように語った。

「ナトリウムイオン電池は、みんなが使わないと安くなっていきません。地球に資源はいっぱいあるけれど、使わなきゃ安くならない。そのため、我々は犠牲を払ってでも作ろうとした商品です。未来のために投資したいと考える方に、大変良い商品だと思います」

現状ではエネルギー密度が低いのが弱点の1つ。リチウムイオン電池を採用した同容量帯のモデル(写真右・容量1,024Wh)と比較すると、「Pioneer Na」は少し大きめ(写真左・容量900Wh)