やじうまミニレビュー
天候によって結晶が変化!? ロマン溢れるストームグラス
by 石井 和美(2013/11/18 07:00)
19世紀ヨーロッパで、主に航海時の天候予測器として使用されていたストームグラス。アルコールに化学薬品を溶かし、ガラス管に入れて密閉すると、気象条件に合わせて結晶の姿が変化するというものだ。今回ご紹介する「TEMPO DROP」は、そのストームグラスを現代のインテリアにも馴染むようアレンジした製品だ。
メーカー | Tempo Drop mini |
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製品名 | 100percent |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 4,200円 |
TEMPO DROPのサイズは大小2種類あり、今回は小さいほうの「Tempo Drop mini」を使った。サイズは80mm×110mm(直径×高さ)とコンパクトで、ちょっとした隙間にも置くことができる。
本体は職人によって1つ1つ製作されている。購入したものはエクボのような凹みが少しあった。少しイビツな感じもするが、あたたかみがある、しずく型のフォルムだ。
ガラス容器に入っている混合液は、水、エタノール、天然樟脳、塩化アンモニウム、硝酸カリウムで構成されている。
パッケージから出して設置し、室内環境になじんで安定化するまでに約1~2週間かかると取扱説明書には記載されていたが、我が家では設置して3日ほどで結晶化が始まった。
気温で大きく変化する美しい結晶
10月からおよそ1カ月観察してみた。大型台風がきたり、暑くなったり、寒くなったりと目まぐるしい天気だったが、特に気温の変化に敏感に反応していた。寒くなると結晶が広がっていく。台風などの気圧の変化にはそれほど反応はなかった。
前日の夜は沈んでいたのに、明け方に冷えると、一晩で真っ白になっていた。葉のような形になり、グラスいっぱいに広がっている。
温度が上がって暑くなると、下のほうに沈んで、液体の透明な部分と白い部分が分かれてくる。この状態もコントラストがハッキリしていて、とてもキレイだ。
なお、レンズ効果により火災が発生するおそれがあるので、直射日光が当たる窓際には置けない。気温の変化が起こりやすい玄関などの場所が最適だ。
19世紀の航海士たちは、こうしたストームグラスの結晶の様子から気温や気圧、大気中の電位変化を予測し、後の天候や雷雨の方向を読み取っていたという。SF冒険小説「海底二万マイル」にも登場している。
現在の天気予報の道具としては使えそうもないが、気温の変化に応じて様々な表情を生み出すので、見ていて飽きない。特に気温が上下する秋口や春先は、観察するのが楽しいかもしれない。大変美しくロマン溢れるオブジェなので、プレゼントにもおすすめだ。