やじうまミニレビュー

天候によって結晶が変化!? ロマン溢れるストームグラス

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
100percent「Tempo Drop mini」

 19世紀ヨーロッパで、主に航海時の天候予測器として使用されていたストームグラス。アルコールに化学薬品を溶かし、ガラス管に入れて密閉すると、気象条件に合わせて結晶の姿が変化するというものだ。今回ご紹介する「TEMPO DROP」は、そのストームグラスを現代のインテリアにも馴染むようアレンジした製品だ。

メーカーTempo Drop mini
製品名100percent
購入場所Amazon.co.jp
購入価格4,200円

 TEMPO DROPのサイズは大小2種類あり、今回は小さいほうの「Tempo Drop mini」を使った。サイズは80mm×110mm(直径×高さ)とコンパクトで、ちょっとした隙間にも置くことができる。

 本体は職人によって1つ1つ製作されている。購入したものはエクボのような凹みが少しあった。少しイビツな感じもするが、あたたかみがある、しずく型のフォルムだ。

しずく型のあたたかみのあるデザイン
手に乗る小さなサイズ
底面。白いツブツブが見える

 ガラス容器に入っている混合液は、水、エタノール、天然樟脳、塩化アンモニウム、硝酸カリウムで構成されている。

 パッケージから出して設置し、室内環境になじんで安定化するまでに約1~2週間かかると取扱説明書には記載されていたが、我が家では設置して3日ほどで結晶化が始まった。

気温で大きく変化する美しい結晶

 10月からおよそ1カ月観察してみた。大型台風がきたり、暑くなったり、寒くなったりと目まぐるしい天気だったが、特に気温の変化に敏感に反応していた。寒くなると結晶が広がっていく。台風などの気圧の変化にはそれほど反応はなかった。

 前日の夜は沈んでいたのに、明け方に冷えると、一晩で真っ白になっていた。葉のような形になり、グラスいっぱいに広がっている。

雲のようにモクモクと広がっている
とても寒かった次の朝、真っ白に
色々な表情が楽しめる

 温度が上がって暑くなると、下のほうに沈んで、液体の透明な部分と白い部分が分かれてくる。この状態もコントラストがハッキリしていて、とてもキレイだ。

温度が高くなると、このように下に沈む
コントラストが美しい

 なお、レンズ効果により火災が発生するおそれがあるので、直射日光が当たる窓際には置けない。気温の変化が起こりやすい玄関などの場所が最適だ。

 19世紀の航海士たちは、こうしたストームグラスの結晶の様子から気温や気圧、大気中の電位変化を予測し、後の天候や雷雨の方向を読み取っていたという。SF冒険小説「海底二万マイル」にも登場している。

 現在の天気予報の道具としては使えそうもないが、気温の変化に応じて様々な表情を生み出すので、見ていて飽きない。特に気温が上下する秋口や春先は、観察するのが楽しいかもしれない。大変美しくロマン溢れるオブジェなので、プレゼントにもおすすめだ。

石井 和美