ミニレビュー

“e-bike専用”ライトを試したら非常に快適!! 知らなかったe-bikeの仕様も発見

ミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

e-bikeではじめてスポーツバイクに乗った方は、ライトやベルなどのアクセサリーが標準装備でないことに驚いたかもしれません。一般的なスポーツバイクにはアクセサリー関連が付いていない場合が多いのです。e-bikeも「専用開発された電動ドライブユニットを搭載するスポーツタイプの自転車」なので、スポーツバイク同様に標準装備されていないモデルが多いのです。

なので、メーカーから試乗用e-bikeを借りる時には、フロント/リアライトやベルを装着する必要があるので、社内で何個も保管しています。全部付きのe-bikeだとやっぱり便利だなーと実感します。e-bikeで大容量のバッテリーがあるんだから、ライトは標準装備だったらいいのにと個人的には思います。ディスプレイの電源ボタン付近にライト点灯ボタンがあるのに宝の持ち腐れ……みたいな。

こんな感じで後付けでライトを装着

e-bike専用ライトがある!?

現在、通勤用にお借りしているコラテック「E-POWER SHAPE PT500」もライトは標準装備ではありません(通勤用なのでサイドスタンドを装着してくれました)。社内にあるCATEYE(キャットアイ)のライトを前後に付けて走っています。こまめに充電を気にするタイプではないので、充電切れの時を考えて電池タイプを装着し、バッグにいつも予備電池というスタイル。

e-bike通勤を始めて感じたのが、ライトを装着していても夜間に点灯していない自転車が多いこと。明るい大通りだから点灯していないのか、電池が切れているのかは……わかりませんが。ワタクシの性格を考えると、切れたら取り替える電池式が向いているのかもと実感。実際には日中の移動が中心で、通勤ルートでトンネルも通りませんし。でも安全のためには最低でもリアライトはピカピカ光らせておきたいですし。

ちなみに東京都の場合は、東京都道路交通規則の第9条で、「白色又は淡黄色で、夜間、前方10メートルの距離にある交通上の障害物を確認することができる光度を有する前照灯」「赤色で、夜間、後方100メートルの距離から点灯を確認することができる光度を有する尾灯」と記されていますが、自転車の場合は「反射器材(後面の幅が0.5メートル以上の自転車にあっては、両側にそれぞれ1個以上)を備え付けているときは尾灯をつけることを要しない」ともなっています。

【追記/更新】東京都道路交通規則に関する記述について、文章を一部追加して更新しました(11月27日)

コラテック「E-POWER SHAPE PT500」が搭載するディスプレイは、ボッシュ製「Intuvia(インチュービア)」。ライト点灯ボタンが「しっかり」用意されているわけです。電池をバッグに入れておくのは苦じゃないですけど、500Whバッテリーを搭載しバッテリーも減らずに走れるe-bike。大量に電力が余っています。だったらライトに……とか考えてしまうわけです。メーカーが車体価格を頑張って抑えている理由にも繋がるのも理解していますが……。デザインにマッチするライトが標準だったら嬉しいな、と。

このボタンは何のためにあるの!!

そんな時に“e-bike専用ライト”の存在を知りました。間もなく日本での取り扱いも始まるので「一足先に試してみますか?」というお話をいただき、迷うことなく「E-POWER SHAPE PT500」に装着してみました。

メーカー名Busch & Muller(ブッシュアンドミューラー)
製品名ルモテック IQ アイク E
実売価格12,000円

ドライブユニットから電源を取る「Busch & Muller」のe-bike専用ライト

気になるe-bike専用ライトは、ドイツで1925年に創業した自転車のライトとミラーの総合メーカー「Busch & Muller(ブッシュアンドミューラー)」製。e-bikeのドライブユニットから電源を取るフロントライトだそうです。日本では「PR INTERNATIONAL(ピーアールインターナショナル)」が取り扱っており、11月下旬から2種類のライトが発売されます。

その2種類のライトが、70ルクスの「ルモテック IQ エックスエス E」(14,000円)、50ルクスの「ルモテック IQ アイク E」(12,000円)。 どちらもライトとしては高額な部類。激安な自転車なら購入できる価格です。

ルモテック IQ エックスエス E(14,000円)
ルモテック IQ アイク E(12,000円)

ただ、これからe-bike購入を検討中だったり、すでに購入済みで外付けライトを使用しているオーナーさんも必見です。今回は「E-POWER SHAPE PT500」に装着しますが、ボッシュだけでなくシマノのドライブユニットなどにも対応。とにかく充電や電池交換不要なのをはじめ、ディスプレイと一体にする形で設置すれば外す手間が不要なのは魅力です。

「ルモテック IQ アイク E」を装着して走ってみた

今回はどちらも試す時間がもなく、70ルクスの「ルモテック IQ エックスエス E」と50ルクスの「ルモテック IQ アイク E」を装着するか悩んだのですが、個人的な好みで車体に合うデザインを優先し、「ルモテック IQ アイク E」を装着しました。e-bike通勤時は第二京浜や六本木通りなど、夜でも明るい道を通るということもあります。

ルモテック IQ アイク Eを装着。個人的にはデザインが非常にお気に入り

ちなみに、ドライブユニットへの接続が必要になりますが、車体によっては別途ボッシュ製ケーブルが必要になります。ボッシュ担当者に確認したところ、あらかじめライト接続を見据えてドライブユニット内に専用ケーブルが内蔵されているモデルもあるそうです。さらにドライブユニット内に接続し、専用ソフトウェアでライト機能に対応させる作業も発生します。ボッシュやシマノ製のドライブユニットに対応しますが、こちらのライトを購入する場合は販売店でまずはご相談を。

今回はボッシュ担当者に取り付け作業をお願いしました
ドライブユニット内から電源を確保。E-POWER SHAPE PT500はActive Line Plusですが、その他のドライブユニットも同じような作業となります
ワガママ言ってルモテック IQ エックスエス Eも装着してもらいました。が、やっぱりルモテック IQ アイク Eのほうが好き

そして、ライト点灯スイッチもディスプレイなどによって異なります。今回のIntuviaではライト点灯ボタンがありますが、ボッシュ製Purionではアシストボタン長押し、これから展開されるKioxは液晶ディスプレイでの操作など方法が異なります。車体によって変わってくるので。こちらも販売店で確認しておきましょう。

実際に「ルモテック IQ アイク E」を装着して走ってみました。自転車用のライトは、一般的に市街地で運転するならば200ルーメン以上あるのが望ましいと言われていますが、もっと暗い夜道ではもっと明るいライトが必要になります。単位表記もカンデラ、ルーメン、ルクスとあり測定方法に違いもあってそれだけ見ても「?」となりますが、夜の走り方に合わせてショップで担当者に相談するのが安心できますね。ちなみにキャットアイのサイトで単位の違いやライトの選び方が詳しく紹介されているので参考にしてみてください。

装着後にルモテック IQ アイク Eをさっそく点灯!!

通勤ルートは明るい道が多いので、もっと暗い多摩川も走ってみました。もともとナイトライドはしないので、アシスト領域内ののんびりしたスピードでしたが、十分に明るい印象。角度を下向きにすればランナーや散歩の人もきっと眩しすぎなかったはず。電源オン/オフの起動も早い。小さな差ですが、電源長押しする必要がないのは快適。

今夜もe-bikeの仕事で気づけば夜に。さっそくライトを点灯
帰り道の皇居付近にて
左がライトオフ、右がライトオン
ライトのデザイン的に照射範囲は直線的な感じ。でもかなり明るい
別の日に多摩川の河川敷に
これなら路面状況も対向の歩行者なども確認できます
もう少し羽田よりに向かって
夜の橋の下にて。左がライトオフ、右がライトオン

今回の「E-POWER SHAPE PT500」には、別売りのハンドルバーマウントを使用。これでディスプレイのIntuviaと一体型設置が可能となり、デザインもスッキリ。GoProマウント用のアダプターなどもあり、自分の好みに取り付けることもできます。もっと暗い道を走る人などには光量が物足りないかもしれませんが、こうした見た目を重視することもできます。現状の通勤はこれで十分で、もし郊外を走るような時には、追加でライトを持っていけば安全に走れると思います。

e-bikeのバッテリーが切れても点灯する!?

e-bikeオーナーの方はバッテリー切れを起こすのはレアケースだと思いますが、バッテリー切れ検証企画時にライトも装着しておりバッテリーを空っぽにすることに成功しました。しかし、夜。「あれ? ……ライト消えちゃう?」と一瞬焦ったのですが、ライトは点灯したまま。ディスプレイには小さなリチウムイオン電池が入っているので表示が消えないのは理解できますが、ドライブユニットから電源を取っているライトがなぜ? と思って、後日ボッシュ担当者に聞いてみました。

もともとe-bikeは安全に走るためにバッテリー切れ状態になっても、前後のライトを装着した前提で約30分ほど走れるように残量を残しているそうです。これはボッシュ製ドライブユニットだけでなく、きっとシマノやヤマハ製もアシストが切れてもライトは点灯したままだと思われます。今回はフロントライトのみだったので、たぶんもうちょっと点灯したのだろうと推測できます。これは後付けのライトだけの話ではないので、もともとライトも標準装備されているメリダ「e-PASSPORT」やトレック「Verve+ 2」、ヤマハ「YPJ-TC」にターン「Vektron S10」などのモデルも同じでしょう。多くの方はちゃんと充電して乗るので経験することがないかもしれませんが。

今回発売されるモデルはいずれもフロントライトですが、やっぱり「消える心配がない」のは心強いです。しかも、バッテリーが切れてもライトが点灯するなんて! さらに、来年からはリアライトの発売も予定されているそうです。ライト後付けのe-bikeがますます魅力を発揮しそうです。今年は一気にe-bikeのラインナップが増えましたが、車体デザインや目的に合わせたe-bikeライトも充実することに期待です!!

e-bike部