ミニレビュー
工具などの帯磁イライラを解消!! 一瞬で着磁・消磁できる便利グッズを試してみた
2021年2月2日 08:00
アーッ!!! このピンセットまた帯磁してるーッ!!! とイラつきがちな筆者です。ありませんか? ピンセットやドライバーの帯磁。
帯磁(着磁/磁化)とは、金属が磁気を帯びること。帯磁した金属は磁石になっちゃうわけですね。金属の種類にもよりますが、例えば鉄は帯磁しやすく、磁気を発するものの近くに置いておいたりすると帯磁してしまいます。帯磁すると、鉄などの金属(強磁性体)がくっつくようになっちゃう。
帯磁したピンセットやドライバーは、時として便利ですが、場合によっては不便。ともあれ、だいたい知らない間に帯磁しちゃうんですよね。やがて手持ちのピンセットやドライバーがどれも帯磁した状態になったりして。
ちなみに、帯磁の原因は前述のとおり磁気の発生源。磁石やコイルを内蔵したモノや磁力を利用する器具などがそうですが、すでに帯磁している金属製品が別の金属を帯磁させることもあります。帯磁したペンチが原因でピンセットも帯磁、とか。
磁気の発生源を見つける簡単な方法は、コンパスを近づけること。コンパスの針が動く(引き付けられる)なら、ソレは磁力を帯びています。
帯磁した工具を消磁する(磁力を取り除く)グッズはあります。マグネタイザーなどと呼ばれる磁石が埋め込まれた穴空きのグッズで、そういったものを使えば着磁および消磁が可能。価格は1,000円前後で、安いものは500円くらいで買えたりします。
そんなマグネタイザーを筆者も使っていましたが、着磁も消磁も、あまり強く行なわれなかったりします。「帯びる磁力が弱い~」「磁力を消しきれない~」みたいな鬱憤が少々残りがち。
帯磁した金属や永久磁石から磁力をなくすには、その金属に見合った高温(キュリー温度)で熱するという方法もあります。ですが、金属の強度が失われることや、高温での処理やその危険性など、現実的ではありません。
そこで、より本格的で高性能な器具を使うようになりました。実際に使うとアラ素敵♪ ガッツリと着磁・消磁を行なえちゃうのでした。
TRUSCOの「マグネタッチ TR-MT」が凄かった
本格的な着磁・消磁器として数年前に買ったのが、TRUSCO(トラスコ)の「マグネタッチ TR-MT」です。現在、Amazonでは5,520円で売られています。
もの凄く簡単に使える着磁・消磁器なんですが、その威力は十二分。家庭用の小さなドライバーなら、着磁するとドライバー自身の磁力でスチール棚にぶら下げられるほど(軽く揺らすと落ちてしまいますが)。
どの程度の着磁・消磁ができるのか? 写真と説明文でご覧頂きましょう。
マグネタッチによる着磁・消磁は、2~3秒で済みます。また、工具に磁力が欲しい時に着磁して、その後すぐに消磁ということも可能。必要に応じて一瞬で工具を着磁・消磁でき、その効果も十分あるので、ヒッジョーに実用的。まあ専門的な器具なので要不要が分かれるところですが、一度使えば多くの人がその威力に驚くと思いますので、機会があればゼヒ!!!
しっかり消磁したいならHOZAN「消磁器 HC-33」
前出のマグネタッチの場合、棒状の金属の着磁・消磁が可能です。が、それより大きな対象の着磁・消磁はできません。
こういった器具を使う場合、わりと多くのケースで「しっかり消磁したい」という必要性のほうが多いと思います。単にネジなどを工具先端に磁力で保持させたいだけなら、磁石を工具先端近くに吸着させれば済みますしネ。逆に、一度帯磁してしまった工具は、そのまま磁力を帯びたままになり、困るケースが出てきます。なので、より重要なのは「いかにしっかり消磁するか」でしょう。
そんな時に活躍するのがHOZAN(ホーザン)の消磁専用器具。筆者がオススメするのは、より手軽に使えるHOZAN「消磁器 HC-33」です。現在は、Amazonにて7,000円で売られています。
やや余談ですが、筆者は出力減衰機構がないほうのHC-31を持っていたんです。ブラウン管式テレビを使っていた頃、テレビ画面の色滲み・色ムラを除去するために20年くらい前まで使っていました。が、久々に使おうと思って探したら行方不明。あらためて調べてみたら相変わらず存在していて、出力減衰機構付きのHC-33も加わっていたので、HC-33を数年前に買ったのでした。
さておき、このHC-33の使用感ですが、とてもイイです。消磁したい工具などに先端もしくは側面を向けてボタンを押すだけ。2~3秒程度で自動的に消磁が完了します。
HC-33の使用について、若干のコツを挙げるとすれば、コンパスとの併用かもしれません。HC-33と消磁対象の位置関係によっては、一度でしっかり消磁できないケースもあります。消磁されたかどうかは、処理した消磁対象をコンパスに近づけることでわかります。消磁が完璧でないと、消磁対象に残った磁力によりコンパスの針が動くわけですね。
消磁対象にまだ磁力が残っていたら、HC-33と消磁対象の位置関係を変えて再度消磁。対象をHC-33に密着させて消磁してみたり、向きを変えて消磁してみたり。
HC-33で対象を消磁→コンパスで消磁対象の磁力を調べる→磁力が残っていたら位置関係を変えて再度消磁……と何度か繰り返せば、コンパスの針が振れないレベルでの消磁が可能だと思います。なお、コンパスの針が多少振れるレベルでも、その消磁対象に残っている磁力は「ホチキスの針1本さえ吸着できない程度」なので、その磁力が大きな問題になることは少ないと思います。
なお、このHC-33も前出のマグネタッチも、「消磁してはいけない対象に使わない」ということが肝心です。やったことはありませんが、たぶん通帳や磁気ストライプのあるカードなどに磁気により記録された情報が壊れてしまうと思います。ほか、磁気から影響を受けやすい機器などに対して使うのも禁物だと思います。
てな感じの着磁・消磁系の器具。お値段は少々張りますが、力強く着磁できたりしっかり消磁できたりするあたりは、さすがの本格派です。「イマイチうまく着磁・消磁ができない」と鬱憤がたまっているなら、ゼヒ♪