家電トレンドチェッカー
後付けできるe-bike専用ライトが快適! BESVとMagicshineを試した
2021年5月17日 08:00
e-bikeが普及し始めるとともに、e-bike向け製品も増えてきました。e-bike用のシューズとか、e-bike用のチェーンとか、e-bike用のオイル(チェーンルブ/チェーンルブリカント)とか、いろいろと。
そんな中で筆者が注目しているのはe-bike専用ライト。e-bikeの車種によっては、ドライブユニット用のバッテリーを電源としているライトが装備されていたりします。e-bikeはせっかく大容量バッテリーを積んでいるんだから、ライトもそれを電源にするのはひとつの正解ですよね。
ともあれ、最近では「e-bikeのバッテリーを電源にできる専用後付けライト」がいくつも出てきています。例えばe-bike専業メーカーBESVからは、同社e-bike向けの後付けライトが複数発売されています。
汎用の後付けライトもあります。例えばMagicshine(マジックシャイン)からは、自転車のヘッドライトとしてもヘルメットに装着するライトとしても使えるユニークな製品が発売されています。
ほかにも以前のミニレビュー「“e-bike専用”ライトを試したら非常に快適!! 知らなかったe-bikeの仕様も発見」でご紹介したBusch & Muller(ブッシュアンドミューラー)後付けライトがあります。「ルモテック IQ エックスエス E」や「ルモテック IQ アイク E」ですね。
けっこう出てきたe-bike用の後付けライト。今回はそんな後付けライトを実際にe-bikeへと装着してみたいと思います。
シマノSTEPS「E8080シリーズ」から電源を取る
まずはBESV「TRS2用フロントライト」から。BESV製e-bike取り扱い店でパーツとして購入できるそうです。価格は8,580円。
このライトは一応「BESV TRS2シリーズ用」です。BESVのe-MTB「TRS2」シリーズは、ドライブユニットとしてシマノSTEPS「E8080シリーズ」を採用しています。
なので、実はこのライトはシマノSTEPS「E8080シリーズ」採用のe-bikeに装着することができます。筆者の愛車ミヤタ「RIDGE-RUNNER(リッジランナー)」もシマノSTEPS「E8080シリーズ」採用ですから、このライトを装着可能なハズ。
さて、TRS2用フロントライトの電源はシマノSTEPS「E8080シリーズ」から取るわけですが、具体的にどこから取るのか? 場所としてはドライブユニット(DU-E8080)にライト用の電源端子があり、そこにTRS2用フロントライトから伸びる導線をつなげます。
このライト用電源端子にTRS2用フロントライトをつなげばOK。ただし、TRS2用フロントライトから伸びる電源ケーブルは短いので、延長する必要があります。今回は↓こんな感じで延長しています。
これらを使い、TRS2用フロントライトをリッジランナーのドライブユニットのライト用電源端子につなげました。ただし、それだけでOKというわけでもありません。
というのは、シマノSTEPS「E8080シリーズ」採用e-bikeであっても、ライトの使用を想定していない車体の場合は「TRS2用フロントライトをつなげただけではライトが点灯しない」というケースがあります。その場合はシマノ「E-TUBE PROJECT」を使ってシマノSTEPS「E8080シリーズ」の設定を変更する必要があります。
筆者のリッジランナーはまさにソレ。ディスプレイ部は「SC-E6010」にソックリですが、リッジランナーにはライトアイコンなし仕様(SC-E6010-A)が装着されていて、そのままではディスプレイ部でライトのオン/オフ操作ができませんでした。つまりライトに給電できない状態。
筆者の場合、E-TUBE PROJECTを使ってリッジランナーのライトボタンを機能するように設定変更を行なっています。が、E-TUBE PROJECT一式はそこそこお値段がしますし、通常は多用するものでもありません。ライト関連の設定を変えたい場合、e-bikeを購入した販売店に依頼して変更してもらうのがいいと思います。
また、ドライブユニットへライトを接続する作業も、多少慣れないと戸惑う箇所があると思います。こういったあたりまで含め、ライトの取り付けはe-bikeを購入した販売店など信頼できるショップに依頼するのが無難だと思います。
BESV「TRS2用フロントライト」は明るいけど眩しくない♪
リッジランナーにTRS2用フロントライトを装着したわけですが、実際の使用感はどうなのか? 写真と説明文で見ていきましょう。
TRS2用フロントライトは、ライトとしては非常にシンプルな製品ですが、独自のカットラインが秀逸で、上方への光の漏れがしっかり抑えられています。これなら対向車や歩行者に眩しさを感じさせることが少なそうです。
とりわけ人通りの多いエリアでこういった自転車ライトを使う場合、えてして「対向車や歩行者にとって自転車ライトが眩しく迷惑&危険」だったりします。自転車ライトの眩しさが原因でトラブルや事故が起きる可能性もありますので、そのあたりは十分注意したいところ。
そういう観点からも、このTRS2用フロントライトは秀逸です。相手が眩しくなく、路面はしっかり照らし出す。自転車用ライトのお手本のような製品だと感心しました。
マジックシャイン「MJ-900S」はシマノ/ボッシュ/ヤマハ全対応、優れた機能性も◎
個人的に非常にソソられているのが、マジックシャインの「MJ-900S」です。同社のライトは機能性に優れた製品が多いですが、MJ-900Sはe-bikeでの使用を考慮した設計で、シマノ/ボッシュ/ヤマハ各社のドライブユニットに対応しています(電源電圧6~12Vに対応)。また、マウントがガーミンマウント互換だったり、電源との接続がDCプラグだったりと、汎用性も高い。そんなMJ-900Sを写真と説明文で見ていきましょう。
MJ-900Sは、とにかく明るい!!! 街灯もないような田舎道を夜の真っ暗闇の中e-bikeで走るなら、物凄く心強いです。試しに真夜中の川沿いサイクリングロードを走ってみましたが、「あぁこれなら真夜中サイクリングもできちゃうな」と思いました。e-MTBで昼間もなお暗い森の中をライドする時にも良さそう。
ただし、都市部で使う場合、その光量の大きさと配光には十分に注意したいところ。前方上方への光の漏れなどを抑えるカットライトなどがないので、前方を幅広く照らしてしまうMJ-900S。すっごく明るいので、対向車や歩行者をダイレクトに照らしてしまうと危険。都市部で使う場合、十分に下を向けるなどして「前方を照らしすぎない」ようにする配慮が必要です。
ところでこのライト、e-bikeで使う時の機能性がちょっと凄い。MJ-900Sには「bicycle light mode」と「e-bike light mode」があり、ボタン8秒押しで切り替えられます。
つまり「e-bike light mode」だと、クルマのAutoライトのような機能性を利用できるというわけです。e-bikeですので、LEDライトでバッテリー切れになることはまずない。じゃあ安全性を考えて補助ライトを常時点灯させよう、というわけですね。
それからMJ-900Sは前述のとおり、シマノ/ボッシュ/ヤマハ各社のドライブユニットに対応しています(電源電圧6~12Vに対応)。ということで、試しにボッシュ製ドライブユニット「Active Line Plus」採用のe-bikeにもMJ-900Sを装着してみました。
やった~♪ MJ-900Sはボッシュのドライブユニットでも使える~、と、思ったその時でした。ボッシュのドライブユニットがエラー状態に。いくつか心当たりを探っていくと、どうもMJ-900Sを最大光量で使うと、ボッシュのドライブユニット側ライト電源出力が最大電流をわずかに超えてしまい、そこでエラーが起きて電力供給をストップしてしまったようです。というわけで、ボッシュ製Active Line PlusにMJ-900Sをつないだ場合、MJ-900Sは最大光量で点灯させないように注意が必要です。
なお、ボッシュのドライブユニットの場合も、ライト点灯機能を使用する場合は販売店でのセットアップが必要です。また前述のようにコネクターが専用品となりますので、やはりe-bikeを買った販売店にて取り付けを行なってもらうのが無難だと思います。
以上、最近出始めたe-bike専用ヘッドライトを試してみました。実際に使ってみると、十分明るいヘッドライトを、バッテリー切れをほとんど気にすることなく使えるのは快適。e-bikeにライトを取り付けたいと考えている方のご参考になれば幸いです。