家電製品ミニレビュー

ヨーグルトやデザートを卓上で簡単に作れる「マルチデリシス」

ティファール「マルチデリシス」。6個のガラス容器が付属している調理家電だ

 今日は簡単にヨーグルトやデザートがホームメイドできるというティファールの「マルチデリシス」をご紹介する。6個の容器がついているデザートメーカーで、子供が大好きなヨーグルトやプリンが簡単にできそうだ。さっそく試してみることにした。

メーカーティファール
製品名マルチデリシス
希望小売価格17,850円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格9,726円

卓上に出しっぱなしでも邪魔にならないデザイン

 マルチデリシスは、カップタイプのフタ付きガラス容器(150ml)が6個付属しているので、容器の移し替えが必要なく、作ったものをそのまま食卓に出せるのが特徴だ。

 サイズは275×235×159mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトで、卓上に出しっぱなしにしていてもそれほど邪魔にはならない。

 加熱方法は2通りで、ヨーグルトモードは約43℃、デザートモードは約85℃でスチーム調理できる。調理時間は、レシピにあわせて自由に設定でき、ヨーグルトモードは1時間単位で6~12時間、デザートモードは1分単位で1分~59分。自動電源オフ機能付きで安心だ。

海外のメーカーでは見かけるデザートメーカーだが、国内メーカーではほとんどない
付属のガラス容器、ガラス容器ふた、計量スプーンは、食器洗い乾燥機に対応する
容器ホルダーにガラス容器をセットできる。他の容器は使えないので汎用性はない。調理のときはフタをはずす
フタが付いているので、冷蔵庫に入れるときもラップをする必要がない
軽量スプーンは四角い形で注ぎやすい
本体には水タンクがある
カラーのレシピ集も付属

ガラス容器はジャム入りヨーグルトにぴったり

 まず、ヨーグルトモードでヨーグルトを作ってみることにした。市販の種ヨーグルトを120g準備し、牛乳750mlを足せば、ガラス容器6個分のヨーグルトができる。我が家の子供たちは酸味の強いプレーンヨーグルトが苦手なため、牛乳を600mlにしてジャムを入れた「ジャムヨーグルト」にした。

 ヨーグルトを作る前には、消毒する作業がある。ガラス容器、ガラス容器ふた、軽量カップ、牛乳と種菌を混ぜるためのボウル、スプーンなどを洗剤で洗う。そしてヨーグルトに直接触れる器具類は、清潔な大きめの容器に入れて、必ず沸騰したお湯で2~3分ほど熱湯消毒する。6個の容器をお湯に浸けるには、熱湯を2Lほど必要とした。

 消毒が終わったら、容器にジャムを入れ、上からヨーグルトと牛乳を混ぜたものをそっと注ぎ入れる。

消毒をしたら先にジャムを入れる
その上からヨーグルトと牛乳を混ぜたものを注ぎ入れる

 あとは「ヨーグルトモード1」を選択し、OKボタンを押して時間を設定する。レシピでは6時間~12時間とあったので、今回は8時間にしてみた。操作パネルはバックライトがなく小さいので少々見づらいが、迷わず直感的に操作できる。

 ブザーが鳴って発酵が完了したら、冷蔵庫に入れて4時間ほど冷やす。

 容器に入れたてのときはトロトロだった液体も、加熱後はしっかり固まってヨーグルトらしくなっている。ジャムを入れておいたので、そのまま冷蔵庫から取り出して子供に食べさせられるのでとてもラクだ。

ヨーグルトモードにして8時間セット
ヨーグルトモードは43℃で加熱
ヨーグルトはしっかり固まっていた

 一般的にヨーグルトはまとめて作り、後でお皿に移し替えて砂糖などを加えなければならないが、その手間がない。これなら子供も勝手に冷蔵庫から出して食べられる。

 フタがあるので、ラップいらずでそのまま冷蔵できるのも便利だ。きっちりフタは閉まるので、匂い移りもない。

スチーム調理も簡単! 濃厚でおいしいクリームブリュレ

 次に作ったのは、デザートモードのレシピにあったクリームブリュレだ。

 クリームブリュレは、本体の水タンクに水を入れ、材料入りの容器を本体にセットすれば作れる。ヨーグルトのように事前に容器を消毒しなくていいので、より簡単だ。「デザートモード2」を選び、時間をセットする。

 作り方は、材料を混ぜて漉しながらガラス容器に入れ、20分ほど蒸した後に冷蔵庫で4時間ほど冷やすだけ。

 ブザーが鳴ったらフタを開けるが、フタには水蒸気で水が溜まっているので、斜めにすると下に滴り落ちる。中の容器に水が入らないように気をつけて素早くパッとフタを開ける。

材料はそっと混ぜるだけ。生クリームをたっぷり入れる
蒸すので水蒸気がつく

 加熱しすぎたせいか少し固めになってしまったが、濃厚でバニラの香り豊かなクリームブリュレが完成した。基本的に材料を入れて容器に入れるだけなので、コツもいらず、お菓子作り初心者でも簡単にできる。

 食べる直前にブラウンシュガーを表面にふり、ガスコンロで熱したスプーンを使ってキャラメリゼすると、より本格的なクリームブリュレになった。表面がパリパリでおいしい。

少しやわらかい段階で終わらせたほうがよさそうだ。加熱しすぎて固くなってしまった
キャラメリゼしたら、表面はパリパリ、中は濃厚なクリームブリュレが出来た

レシピにはない茶碗蒸しにも挑戦

 レシピにはなかったが、茶碗蒸しにも挑戦してみた。茶碗蒸しは4つ作りたいので、容器ホルダーの空いた場所2カ所はガラス容器のふたなどでふさいでおく。

 茶碗蒸しは25分ほどで火が通った。ガラス容器に入っている茶碗蒸しは見たことがないが、食卓に出してみるとオシャレだ。フタをしておけば冷めにくく、サイズもちょうどよい。

 ただ、表面がホットケーキのように少々膨らんでおり、細かく「す(気泡)」が入ってしまった。茶碗蒸しには少々火力が強すぎるようだ。茶碗蒸しを作るなら、少しフタをずらすなどして温度調整する必要があるのかもしれない。強・弱などざっくりでいいので、火力の調整ができるとなお嬉しい。

 舌触りはザラザラするほどではなく、家族にも好評だった。面倒な蒸し器を出さなくてすむのは便利だ。

三つ葉を散らして出来上がり。見た目はプリン風
ちょっと「す(気泡)」が入ってしまったのは残念

簡単にできる蒸しパンは朝ごはんにもぴったり

 特に子供達に大好評だったのが蒸しパンだ。薄力粉、ベーキングパウダー、卵、砂糖、牛乳、サラダ油のほかに、お好みでドライフルーツやナッツ類を入れて混ぜた生地を30分ほど蒸せばよい。

 ふんわりした蒸しパンは、甘く、とてもやさしいホームメイドの味だ。プリンやヨーグルトのように冷蔵庫で冷やす必要はなく、できたら粗熱を取ってすぐに食べられる。

 おやつはもちろん、子供達の朝食用パンとしても大活躍だ。前日に作っておいて、翌日に軽くレンジで温めればふんわり感が戻る。よくリクエストされるメニューとなっている。

ふんわり蒸しパンの出来上がり!
子供達が大喜びだった。ちょっと甘めの蒸しパン

「見た目のかわいさ」でおやつタイムがより楽しくなる

 一通り作ってみて残念だったのは、ヨーグルト作りは、熱湯を大量に準備して容器を消毒しなければならないなど、事前準備が少々面倒だったことだ。

 プレーンヨーグルトは500mlでも170円前後で購入できるので、単にヨーグルトを作るために手間をかけて作るメリットを感じることはできなかった。

 ジャムを入れるなど、ガラス容器を生かしたきれいな見た目のヨーグルトや、ココナッツを混ぜたココナッツヨーグルトなど、ひと工夫したヨーグルトなら満足度も高い。プリンや蒸しパンはとても簡単にできるので、ぜひお試しいただきたい。

 余計な装飾がないアルミニウムのスッキリした本体デザインもお気に入り。ぽってりとした厚手のガラス容器もかわいらしく、おやつタイムをおしゃれに演出してくれる。味だけでなく見た目にこだわりがある方も満足できる製品だ。

石井 和美

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