家電製品ミニレビュー

センサーで磨きすぎを防ぐ、フィリップスの高級電動歯ブラシ

フィリップス「ソニッケアー フレックスケアープラチナ HX9172/10」

 電動歯ブラシのガシガシ磨ける爽快感は好き。でも、あの脳天に響くような振動が苦手……。そこで手に入れたのが、フィリップスの「ソニッケアー フレックスケアープラチナ HX9172/10」だ。フレックスケアープラチナは、振動の強さや運転モードを自分好みにカスタムできるという電動歯ブラシなのだ。

メーカーフィリップス
製品名ソニッケアー フレックスケアープラチナ HX9172/10
購入場所Amazon.co.jp
購入価格16,000円

 まずはフィリップスの電動歯ブラシ「ソニッケアー」シリーズについて触れておこう。ソニッケアーシリーズの特徴は、毎分約31,000回の高速振動とブラシヘッドの振幅を組み合わせて水流を発生させ、掻き出しにくい歯垢も落とす独自技術「ソニックテクノロジー」を搭載している点だ。

 なかでもフレックスケアープラチナは、2011年に国内で発売された「ソニッケアー ダイヤモンドクリーン」に次ぐ高級電動歯ブラシ。ダイヤモンドクリーンの特徴である、専用コップに置くだけで充電できる機能は採用していないが、ブラシを紫外線除菌する充電器が付属している。

ブラシを取り付けた本体の長さは約25cmで、結構大きい
左が紫外線除菌機能付きの充電器、右が携帯用の小型充電器

 本体にブラシを取り付けたサイズは31.8×252mm(直径×高さ)。重量は143g。電動歯ブラシとしては、結構大きい部類だ。付属品として、紫外線除菌器付きの充電器のほか、携帯用の小型充電器、ミニブラシ、携帯用ケースなどが同梱される。

 ブラシは「インターケアブラシヘッド」を採用し、長さの違う毛が歯間に届き、歯と歯茎の隙間を磨く。上部の青い毛は毛の色が変わって交換時期を知らせるほか、下部の白い毛は歯の表面を白く磨き上げる効果があるという。

「インターケアブラシヘッド」を採用
ブラシ毛それぞれの長さ、機能によって色分けされている
長さの異なる毛が歯間に届き、歯と歯茎の隙間を磨く

 本体は充電式で、電源にはリチウムイオン電池を搭載している。充電時間は約24時間で、1日2回、2分ずつ使用した場合、約3週間使える。充電時の消費電力は、紫外線除菌器付きの充電器で5.5~6W、携帯用充電器で0.4~1.4Wとなっている。

紫外線除菌機能付きの充電器のサイズは130×50×130mm(幅×奥行き×高さ)
携帯用充電器のサイズは55×40×30mm(同)でコンパクトだ

好みのブラッシングを9パターンから選べる

 フレックスケアープラチナの最大の魅力は、3つのブラッシングモードと3段階の強さを組み合わせて、自分好みの磨き心地を選べることだ。

 3つの運転モードとは、歯垢を落とす通常の「クリーンモード」と、歯のステイン汚れを落とした後に表面を磨く「ホワイトモード」、歯垢を落とした後に歯と歯茎の間を優しく磨く「ガムケアーモード」で、それぞれ「弱/中/強」の3段階から振動の強さを選べる。

強い振動は苦手だが、フレックスケアープラチナなら「弱」に設定できるので安心

 さっそく使ってみよう。まずは通常のクリーンモードで、振動は「弱」を選んだ。操作はグリップ部のボタンから行なう。私は弱めの振動が好きなので、これくらいがちょうど良い。

 毎分約31,000回のしっかりとした振動で、「ブシュゥゥ」と音を立てて、勢いの良い水流が歯間に当たる。少しでも口を開けると歯磨き粉ともども口の周りに飛び散ってしまうほど勢いがある。フィリップスの電動歯ブラシの場合、歯にブラシ毛を斜めにあてるだけで、左右にブラシ毛を往復させる必要は無いのだが、それだけで磨いたあとはスッキリと気持ちいい。

運転モードと強さの選択はグリップ部のボタンから行なう
一番上の3つのランプが強さ、中央のランプはモード、一番下はバッテリーを3段階から示している

 次に振動の強さを「中」から「強」へと切り替えてみた。強烈なブルブル感が顎の骨から脳天へ伝わってくる。刺激が強すぎて数十秒も続けられなかったが、強い振動が好きな方にはぜひ試してみていただきたい。

 ほかの運転モードとして、ホワイトモードとガムケアーモードも使った。ホワイトモードは、振動のリズムがクリーンモードと全く違う。クリーンモードよりも、振動のキメが粗く、口の中が泡立つような感じがする。磨いた後は、爽快感がある。ガムケアーモードは、通常の2分間のクリーンモードのあとに優しい振動の1分間がセットになっていて、こちらは時間のある夜の歯磨きで選択することが多い。

水しぶきの違いから、振動の違いを見てみよう。クリーンモードで「弱」。細かい水しぶきがあがる
クリーンモードで「中」。水しぶきが強くなった
クリーンモードで「強」。高い位置まで水しぶきが飛んだ
ホワイトモードで「弱」。水を泡立てるような振動だ
ホワイトモードで「中」。横方向に強い水流が生まれている
ホワイトモードで「強」。さらに水流が激しく飛び散った

 ところで、振動が強すぎたり、ブラシを歯にあてすぎると、歯の表面を傷つけないか、心配にならないだろうか。実際に私の周りには、電動歯ブラシの磨きすぎで歯が沁みるようになり、歯科医師に「歯表面のエナメルがはがれちゃってますね」とダメ出しをくらった友人がいる。

 そこで注目したいのが、フレックスケアープラチナに搭載されている「過圧防止センサー」だ。これはソニッケアーシリーズとして初めて採用した機能で、ブラシヘッドが歯に強く当たりすぎた時に、ブラッシングの振動と音が変わり、本体ランプが点滅して知らせる。

 試しに歯や歯茎にブラシを強くあてると、「ヴィーン」という動作音が「ヴイイイイ」という響きに変わる。同時に、強さを示すランプが点滅する。説明書を読むだけではわかりにくい力加減も、こうして音とランプで知らせてくれるので簡単にわかり、磨きすぎを防げる。これは便利!

歯に強く当てると、運転音が明らかに変化する

紫外線除菌機能で気持ち良く使える

 衛生面では、充電器に紫外線除菌機能が搭載されている。使用後のブラシをセットして電源ボタンを押すと、紫外線照射によって約10分で除菌できる。正直言って、紫外線除菌によってブラシに目立った変化が現れるというわけではないが、除菌後は気持ち良くブラシを使える。

紫外線除菌器を開けたところ
最大2本のブラシが収まる
セットしたら上部の電源ボタンを押すだけ
約10分後、自動で運転を停止する

初心者から電動歯ブラシ通まで、期待に応える1本

 さて、フレックスケアープラチナは実売15,000円以上の高級な電動歯ブラシだが、ひと通り使ってみて、使い心地には満足した。9パターンのブラッシングから選べるということは、従来の電動歯ブラシの振動に物足りなかった人、あるいは強すぎる刺激が好きじゃない人、それぞれのニッチな好みに対応してくれるということだ。

 磨きすぎを防げる「過圧防止センサー」も気に入った。思い返せば、以前の電動歯ブラシを使っている時は、「これくらいでいいのかなぁ……」なんて結構テキトーな強さで磨いていた。ちゃんと磨けているのか、あるいは磨きすぎなのではないかと、どことなく不安だったのだが、今ではそんなサジ加減にも自信が持てるようになった。

 というわけで、電動歯ブラシに慣れて自分好みのブラッシングで磨きたい方にも、電動歯ブラシの力加減に不安がある初心者にも、幅広く使える1本と言えるだろう。皆様も、電動歯ブラシを使う際は磨きすぎ、磨き残しのないように、ベストなブラッシングパターンと出会っていただきたい。

小林 樹