家電製品ミニレビュー

ビタントニオ「マイボトルブレンダー」

~作ったスムージーをそのまま持ち歩けるボトル型ミキサー

ビタントニオ「マイボトルブレンダー VBL-30」

 フレッシュジュース好きな筆者に、遅ればせながら「グリーンスムージー」ブームがやってきた。グリーンスムージーとは、ビクトリア・ブーテンコというアメリカ在住の女性が、自分と家族の健康が芳しくないことに心を痛め、食の改善の果てにたどり着いたジュースで、葉物野菜にフルーツと水を加えてミキサーにかけて作るのが特徴だ。

 特に葉緑素をたっぷりとることを目的としているため、葉物野菜といってもレタスなどではなく、ほうれん草、小松菜、明日葉、大葉、パセリ、モロヘイヤなど、緑の濃い葉物野菜を使う。そこにバナナやキウイ、オレンジといったさまざまなフルーツを加え、甘みと栄養をプラスすることで、豊富な栄養素を簡単に摂取できるようになっているのだ。

 このグリーンスムージー作りに欠かせないのがミキサーである。しかし、従来のミキサーは個人が少量作るには大きすぎ、コップ1杯のために大きなガラスボトルを洗うのは手間がかかる。そこで購入したのが、ビタントニオの「マイボトルブレンダー(以下、マイボトルブレンダー)」だ。

メーカービタントニオ
販売元mh エンタープライズ
製品名マイボトルブレンダー VBL-30
購入場所Amazon.co.jp
購入価格3,800円

 「マイボトルブレンダー 」は、ジュースを作るボトルを、そのままドリンク用のカップとして使えるスムージー用ミキサーである。ブレードを装着したボトルを本体に乗せると、サイズは約140×140×330mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約950g。本体の高さはあるが、ボトルが非常にスリムなため、ガラス容器のミキサーのような存在感はほとんど感じない。

正面から見た様子。上に向かうほどスリムなデザインで、ボトルは400mlまでのスムージーが作れる
背面の様子。ハンドルがついている
製品パッケージ

 本体には付属品として、ブレード、割れにくい400mlのトライタンボトル1本、ボトルのフタとなるドリンク用アタッチメントと、キャップが1個ずつセットになっている。

パーツ一式。左から本体、ボトルとキャップ、ブレード、ドリンク用アタッチメント、取扱説明書、レシピ集
ブレードは1種類のみ。取り外せるため洗いやすい。パッキンも取り外せる
本体とブレードの接合部。パワーは235W
ドリンク用アタッチメント
ボトルにドリンク用アタッチメントを取り付けた状態
ボトルにキャップを取り付けた状態

 今回はカラーは「ウルミ」と呼ばれる、いわゆるグレーを選んだが、このほかに緑系の「キウイ」、赤系の「ストロベリー」、オレンジ系の「マンゴー」と、賑やかなカラーも揃っている。

グリーンスムージーがスムーズにできる

 さっそくグリーンスムージーを作ってみよう。まずは、空心菜を軸に、ゴールドキウイ、カットパイン、バナナ、プルーンをベースに作る。

 最初に食材を約2cm角にカットし、ボトルに入れていく。このとき、葉物野菜、水分の少ない固い野菜(りんご、にんじんバナナ等)、水分の多い柔らかい食材(柑橘類)、角氷(必要な場合)、液体の順にボトルに入れるのがポイントだ。

グリーンスムージーの材料
材料をボトルに入れ、最後に水を流し入れる

 使い方は、食材を入れたボトルにブレードを取り付け、本体に乗せて上から押すだけ。ブレードを取り付ける際は、本体とブレードの▲マークを合わせるのだが、マークが見えやすいので迷うことなく乗せることができ、ストレスがない。

本体にブレード付きのボトルを逆さまに取り付けると、よくあるミキサーのスタイルに
ハンドルを持つと、簡単に持ち上げられる

 ボトルを上から押すことでスイッチが入り、1分間に23,500回転するブレードで攪拌され、材料がなめらかになる。運転モードの切り替えはなく、食材の状態を見ながら、1秒押しては止めるという「パルス運転」や、押し続ける「連続運転」を組み合わせて使う。とにかくシンプルで操作が簡単というのが、「マイボトルブレンダー」の最大の特長といえる。

ブレードをつけて押すだけなので、誰にでもすぐ使える

 できあがったら、ボトルを本体から取り外し、ブレードを外してそのままボトルに口をつけるか、付属のドリンク用アタッチメントをつけて飲むという仕組みだ。

ドリンク用アタッチメントを取り付けておくと、ながら飲みにちょうどいい
使用後のブレードの状態。さっと洗い流せるうえ、隙間の洗浄もしやすい

 できたてのグリーンスムージーはなめらかでおいしい。400mlという量は多そうに思えるが、案外1人で飲めてしまう。小腹が空いたときや、食事の度にサラダ代わりに飲んでいる。

逆さまにして本体にセットし、上から押す
完成したグリーンスムージー
ブレードを外し、ドリンク用アタッチメントを取り付ける

にんじんりんごジュースもできる

 次に作る「にんじんりんごジュース」は、ジューサーで作ったことがある方もいるかもしれない。食材には、固い根菜であるにんじんが含まれるが、ブレンダーによって見事なピューレ状にすることができた。根菜を使わないグリーンスムージーに比べると舌触りは多少粗くなり、水を入れることで味が薄くなってしまうのが難点だが、繊維までまるごと摂取したいというときはおすすめである。

にんじん、りんご、水を用意
りんご、にんじん、水の順で入れる
固いにんじんから刃に当たるようにするのがポイント
押すと一気に攪拌される
完成したにんじんりんごジュース
きれいに粉砕されているのがわかる

角氷は粉砕できるが、多用はおすすめしない

 マイボトルブレンダーは、ロックアイスの粉砕はできない。角氷は粉砕できるが、角氷は約3cm以下でなおかつ50g以下という制約があり、氷の破片が残る場合がある。完全に凍った果物も入れられないので、使う場合は半解凍してから使用する必要がある。

 実際にどのような状態になるのか確認してみた。50g程度の角氷というと、我が家の冷蔵庫では4個に相当する。ボトルに入れてパルス運転で回したところ、激しい音とともにと、氷が砕かれた。出してみると、中に砕ききれない氷が1個残っているのが確認された。確かに3個は粉砕されていたが、クラッシュというよりはかき氷未満という印象だ。

 作動させている間も、かなりの衝撃が手に伝わってくるので、刃とボトルの両方が心配になる。最初からよく冷えたスムージーが飲みたいときに限り、2~3個入れる程度なら、問題なく作動させられるだろう。しかし、長く使いたいなら、頻繁に行なわないほうがいいかもしれない。

50gとは、概ね角氷4個分だった
氷がボトルの壁に当たるので、結構衝撃がある
中から氷の塊がでてきた

スムージー作りに飽きても安心。ドレッシング作りにもちょうどいい

ボトルから直接ドレッシングをかけられる

 飽きっぽい性格という方は、スムージー以外の使い道もイメージしておくと安心だろう。できることは限られているが、筆者がお勧めしたいのがドレッシング作りである。このボトルのサイズ、形状などが、ドレッシングやタレ作りにもぴったりなのだ。

 ドリンク用アタッチメントを取り付けると、サラダに直接かけられるボトルに早変わり! 使っては冷蔵を繰り返すのにちょうどよいのである。サラダ代わりのグリーンスムージーに飽きても、サラダは食べるはず。そのときも「マイボトルブレンダー」は役立つ。

某イタリアンレストランのドレッシング風の味に挑戦。夢中でサラダを食べてしまうので、密かに筆者は「食べるドレッシング」と読んでいる
スムージーの要領で材料を全部入れる
数プッシュすればこの通り
好きな材料で作るドレッシングは、味だけなく、そのものの栄養価もコントロールできる

スムージーデビューに最適

もちろんグラスに分けて飲んでもOK

 操作が非常に簡単な「マイボトルブレンダー」は、スムージーデビューに最適な製品だ。レシピ集も付属しており、美肌、デトックス、疲労回復、免疫力UP、お料理メニューなど、バラエティに富んだレシピが紹介されている。気になるレシピをベースにアレンジしていけば、オリジナルレシピも作りやすく、野菜やビタミン、ミネラル不足の解消も夢ではない。

 気になる点があるとすれば、ドリンク用アタッチメントに空気穴がないため、とろみのあるスムージーが詰まりやすく、ごくごく飲むと言うより、吸い出す感じで飲まなくてはならないことくらいだろうか。あとは、ボトルが2本あればいいのにと思うことはよくある。ボトル、ドリンク用アタッチメント、キャップの3点をセットで追加購入できるようなので、必要な方は問い合わせてみるといいだろう。

 使用できない食材としては、肉、魚類のほか、長いも、とろろいもなどの粘り気のある食材や、パルメザンチーズ、乾燥昆布などの乾物も、単独での使用は禁止されている。卵白の泡立て、生クリームのホイップ、パン、ケーキ、パイ生地作りなどもできない。

 つまり、とことんスムージー作りにフォーカスしており、スムージーをサッと作ってスピーディに飲み、パパッと後片付けしたい人向けの製品なのだ。しばらく試用しているが、実に使い勝手がいい。準備から飲むまでの流れで、つまづくポイントが皆無なのである。

すずまり