老師オグチの家電カンフー

プロ野球公式グッズで家電豊富なのは? 圧勝はあの球団

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
野球ファンのみなさん、家電もチームコラボで買いませんか?

プロ野球球団にとって、チケットや放映権の収入に並ぶ収入源となっているのが公式グッズです。レプリカユニフォームやタオルなどの応援グッズから、文具、玩具に至るまで幅が広く、家電製品もその中に入っています。そこで今回は、セ・パ両リーグ12球団の公式オンラインストアをチェックし、家電アイテムの充実度を調べてみました。

セ・リーグ(2025年7月12日試合終了時点の順位で掲載しています)

阪神(阪神タイガース)

いきなり出オチですが圧勝です。オンラインショッピングの家電カテゴリーに表示されるのは、サーキュレーター、ホームプロジェクター、自動調理ポット、コーヒーメーカー、電気フライヤー、ハンディマッサージャー、ミニスピーカー、たこ焼き器(カセットガス式ですが、広い意味では家電といっていいでしょう)など。

変わったところでは、「パインアメ魔法のシロップメーカー」や「スリーピオン3」(快眠ガジェット)も。あとは、モバイルバッテリーやACアダプターといったスマホ関連に、ハンディファンが数種類。過去には、流しそうめん器やポップコーンメーカー、トースターなど、振り返れば無限に出てきそう。同じメーカー(ライソンなど)で継続して新製品を出しているということは、それなりに売れているのでしょうね。

続々と表示される家電アイテム。先週の競争と同様に、製品の入れ替わりも激しい

巨人(読売ジャイアンツ)

ファンの数が多いジャイアンツだけに期待しましたが、家電製品と呼べるのはモバイルバッテリーぐらい。あと、ペンライトは選手の名前入りで用意されています。

「マグネット式ワイヤレスモバイルバッテリー」(4,950円)

DeNA(横浜DeNAベイスターズ)

ハンディファンやACアダプター、ステレオイヤホンが販売されています。過去にはノジマとのコラボで、冷蔵庫やオーブントースター、電子レンジなどが販売されていたことも。

2016年リリースのノジマとのコラボ。白物家電ならぬ「青物家電」だそう

広島(広島東洋カープ)

公式オンラインショップで買えるのは、電気が通るものとしては、ハンディファン(その名も「赤ヘル扇風機」)ぐらい。ただし、コラボ製品としては、岩谷産業からカセットガスホットプレートが発売されたばかり。やはり、お好み焼き需要でしょうか?

岩谷産業「カセットガスホットプレート “焼き上手さん Carp”」16,280円

中日(中日ドラゴンズ)

セ・リーグの中ではもっとも不作でした。スマホやモバイルバッテリーに接続するタイプのファンは見つかりました。

ヤクルト(東京ヤクルトスワローズ)

成績は最下位だがグッズ類はそれなりに充実。BRUNOのホットプレートやハンディファンが販売されています。

「BRUNOつば九郎 ホットプレートグランデサイズ(ナイトブルー)」18,000円

パ・リーグ

(2025年7月12日試合終了時点の順位で掲載しています)

日本ハム(北海道日本ハムファイターズ)

全般的にグッズの種類は豊富ですが、電気が通るものは、ポータブルハンディファンと、ペンライトぐらいでした。

「えふたんお部屋ライトBook」3,850円

オリックス(オリックス・バファローズ)

アパレル系のグッズは豊富ですが、家電系はハンディファンとペンライト、オリジナルダイバーズウォッチ(期間限定の受注販売)ぐらい。

ソフトバンク(福岡ソフトバンクホークス)

こちらも家電系のアイテムは弱い。ソフトバンクなんだし、スマホ関連グッズやIoT家電あたりに力入れてくれても良さそうなもんですけどね(スマホケースやペンライトの種類は多いです)。

西武(埼玉西武ライオンズ)

猛暑対策にペルチェベストが用意されているのは、他球団よりも1歩進んでいますね。BRUNOのケトルやホットプレートがあり、ワイヤレスマウス、ワイヤレススピーカー、ACアダプター、ワイヤレス充電器などPC・スマホグッズも充実しています。

「ペルチェベスト ライオンズデザイン」23,100円

楽天(東北楽天ゴールデンイーグルス)

BRUNOのホットプレートやケトル、カセットコンロを販売。さらには、パーソナル空間除菌・脱臭機や手動で発電するエコライト、ハンディファンまであって頑張ってる。これはやっぱり、楽天市場を持つ強みでしょうか。

BRUNOと楽天ファンなら買うしかない

ロッテ(千葉ロッテマリーンズ)

電気が通るグッズは、ペンライトやLEDリストバンド、光るうちわといった応援グッズに留まります。残念ながら最下位。受注商品ですが、Apple Watchのバンドが用意されているのはちょっとおもしろいと思いました。

さて、家電製品アイテムの充実度で順位を付けるとすれば、

1位 阪神
2位 楽天
3位 西武
4位 ヤクルト
5位 DeNA・広島

となりますかね。ただし1位と2位の点差は大きいです。

しかし、なぜこれほどまでにタイガースだけが、グッズのバリエーションが豊富なのか。タイガースファンは財布の紐が緩いというか、ノリで買っちゃうんですかね? 他球団の奮闘にも期待します。

小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>