家電製品ミニレビュー

東芝「E-CORE キレイ色-kireiro- LEDシーリングライト」

~高演色「Ra90」シーリングライトで、リビングを鮮やかに彩る

東芝ライテックの「E-CORE(イー・コア) キレイ色-kireiro- LEDシーリングライト LEDH91047Y-LC」。主に10畳向けとなる

 リビングルームは団らん、くつろぎ、食事など、家族や友人が集う生活の中心となる空間。そんな空間のあかりとして、真っ先に思い浮かぶのはシーリングライトだろう。特にLEDシーリングライトは、消費電力が低いだけでなく、多様な過ごし方に合わせて、明るさ、光色が自由に調節できる。各社、シンプルに使いこなせる値段が手ごろなものから、快適性を追求した高機能なものまで、バリエーションも豊富になってきた。

 今回はその中でも、「演色性」、つまり物本来の色を再現することを重視した高機能なLEDシーリングライトを紹介しよう。東芝ライテックの「E-CORE(イー・コア) キレイ色-kireiro- LEDシーリングライト ~10畳用」だ。

メーカー東芝ライテック
製品名E-CORE(イー・コア) キレイ色-kireiro- ~10畳 調光・調色
品番LEDH91047Y-LC
光色電球色(3,000 K)~白色(6,500 K)
平均演色評価数Ra90
器具光束4,500 lm
定格寿命40,000時間
保証期間5年
希望小売価格57,540円
購入場所yodobashi.com
購入価格34,800円
電球色、昼白色(全光)、昼光色(白色)のどの光色においても平均演色評価数Ra90の高演色を謳っている。カタログより抜粋

 最大の特徴は、高い演色性だ。色の再現度を示す数値「平均演色評価数」はRa90(最大がRa100)。LED製品の中でもとりわけ高く、肌色や食材をキレイに自然に彩る。高い演色性は、調色しても変わらない。さらに、自動調光機能「楽エコセンサー」機能を使えば、器具が自ら部屋の明るさを検知して無駄な明るさを抑え、勝手に節電してくれる。明るさを表す器具光束は4,500lmで、日本照明器具工業会の基準では10畳(~17平方m)までの広さに対応する。

取り付けは従来のシーリングライトと変わらない

開梱した器具。奥左からシェード、光源部(本体)。手前左から、アダプター、卓上ホルダー、リモコン

 本体は円形で、大きさは664×80mm (直径×高さ)。直径はシーリングライトとしては一般的だが、LEDの器具らしく、薄い。重さも3.4kgで、蛍光灯器具と比べても変わらないので、扱いは特に難しくないだろう。

 取り付けは簡単だ。天井の配線器具「引掛シーリング」にアダプターを取り付け、光源部(本体)を押し上げて装着し、アダプターのコネクターを光源部に差し込む。シェードを回して取り付ければ終了する。注意点は、センサー部が窓と反対側に位置するように取り付けること。それ以外は一般的な蛍光灯と変わらないので、シーリングライトの取り外しの経験があれば、1分程度で終わってしまう。

取り付け手順は番号の通り
【1】天井にある引掛けシーリングに、付属のアダプターをはめ込む
【2】「楽エコセンサー」はセンサー部を窓と反対側になるように向ける
【3】アダプターと光源部の中央を合わせ、「カチッ」と音がするまで本体を押し上げて取り付ける
【4】アダプターから出ているコネクターを本体のソケットに「カチッ」と音がするまで差し込む
【5】シェードを軽く押さえながら、左に回して取り付ける
【6】以上で完成。大きさは664×80mm(直径×高さ)、重さは3.4kg。直径はシーリングライトの中で一般的だ。器具の外周は「クリスタルロゼ」の化粧枠で装飾されている

 取り付けた様子は、白っぽい天井の洋室に似合う、薄くスッキリとしたデザインだ。今回は化粧枠がピンクの「クリスタルロゼ」のものを紹介しているが、無色透明の「クリスタルクリア」もラインアップされている。

 本製品の定格寿命は40,000時間。光源部とシェードの密閉度も高く、樹脂製のシェードは静電気が発生しにくい「クリーンエース」を採用しているため、ホコリが付きにくい。一度取り付けたら長い間取り外すことはないので、メンテナンスは楽だろう。

 操作は全て、付属するリモコンで行なう。リモコン表面には円形ボタンを中心として10個のボタンが並ぶ。リモコンを手にした時、ボタンは親指の可動範囲にまとまっており、それぞれに目的が明記されているため、迷いなく使えそうだ。

 リモコンの下部をスライドさせると、設定やタイマー関係のボタンが現れる。ボタンにはそれぞれ目的が明記されており分かりやすい。取り付けが済んだら、取扱説明書に沿ってリモコンの時刻を設定しておこう。

ボタンは10個で、点灯に関する明かりのコントロールは付属のリモコンで行なう。多機能だが、ボタンの数は少なめだ
リモコンの下部をスライドさせると、各種設定、タイマー用のボタンなどが表れる

確かに高演色!!

 多機能のLEDシーリングライトだが、まずリモコンの中央にある「全光」を押し、本製品の最大の明るさで点灯した。

 「全光」は、リビングルームの普段の生活に十分過ぎる明るさだ。器具の真下2mのテーブルの明るさは437lxだった(以降、照度は全て同じ条件)。以前使っていた蛍光灯は300lx程度だったので、比べると部屋がパーッと大幅に明るくなった印象だ。長時間の読書が余裕でできるほど明るい。全光の光色は自然な昼白色で、昼白色の蛍光灯よりも暖かみがあって印象が良く、部屋にある物の色合いが色鮮やかに見える。

こちらはかつて我が家で使っていた、消費電力が97Wの蛍光灯シーリングライト。テーブル面の明るさは300lx弱(光源からの距離は約2m。以降同じ)で、明るさに不満は全くなかった
「全光」で点灯した様子。直下は437lxとしっかり明るい。蛍光灯よりも親しみと暖かみを感じる白色で、オールラウンドに使える光色だ。拡散性も高く、置いてある物々も自然で色鮮やかに見える

 光の広がり(拡散性)も、部屋全体が明るくなるほど良い。器具は薄く、シェードも厚みを抑えた形状なのに、光は天井付近から床面全体と、部屋の隅々まで余裕で広がる。器具の裏側(天井面側)からも光が通過し、天井面を照らすため、柔らかな間接光も加わる。シェード周りの化粧枠の断面が輝き、装飾的な光のアクセントが添えられる。

 シェード全体も明るく輝いている。光源部には、合計304個のLEDが152個ずつ、2列の円形に配置されている。LEDは、断面が半円の「ワイド配光カバー」で覆われ、器具内部で拡散し、シェード全体が輝く。器具中央部が暗くならない「面発光」に近い表情は、蛍光灯シーリングライトからのスムーズな取り替えに繋がるだろう。

器具をほぼ真横から見た様子。光が天井面へしっかり届く
器具を真下から見た様子。カバーの明るさはほぼ均一で、LEDの粒状感も感じられず、光のムラが浮かびにくい。化粧枠の断面がシャープに輝き、アクセントになっている
合計304個のLEDが152個ずつ、2列の円形に配置されている
LEDは「ワイド配光カバー」で覆わている。器具内部で拡散、反射を繰り返し、シェード全体が輝く

 次に、「電球色」と、「白色」を点灯してみた。明るさは、電球色は246lx、白色は277lxだった。全光時よりも暗くなるのは、全光時は152個の白色(昼光色)、152個の電球色のLEDが全て100%の明るさで点灯する一方で、「電球色」または「白色」で点灯した時は、どちらか一方の色が消えるためだ。とはいえ、300lx前後の蛍光灯と並べて比べてみても、遜色ないぐらいどちらもしっかり明るい。色のくすみも感じられず、光色による明るさの差はさほど問題にはならないだろう。

蛍光灯シーリングライト。全体的にくすんだ印象がある
「電球色」で点灯した様子。直下は246lxで蛍光灯よりも数値的には暗いのだが、明るさに遜色はなく、くすんだ印象にならない
「白色」で点灯した様子。直下は277lxで蛍光灯に近いものの、全体的により明るくなる印象だ。色の見え方も自然
左から、「電球色」「全光」「白色」の器具の様子。それぞれの光色で一番明るい状態だ。光色にかかわらず、シェード全体が明るく輝く

 本製品の最大の特徴である演色性は、非常に良い。基本となる「全光(昼白色)」、単色の「電球色」と「白色(昼光色)」のそれぞれで、手、花、食事を照らしてみると、もちろん光色の違いで見え方は変わるが、どの光色でも色味がくすむこともなく、自然な見え方だった。拡散性も良いため、影も柔らかだ。肌色は血色良く健康的に、花は瑞々しく、食事はどの食材もおいしそうに映える。食器やランチョンマット、テーブルの木肌の色も自然だ。さすがRa90を謳うだけあって、高い演色性を実感した。

左から「電球色」「全光」「白色」の肌色の見え方。どの色も血色良く健康的に見える。影も穏やかだ
左から「電球色」「全光」「白色」の生花の見え方。光色により色合いは変わるが、瑞々しさが再現されている
左から「電球色」「全光」「白色」の食事のシーンの見え方。どの食材もおいしそうに映え、食器やランチョンマット、テーブルの色も自然だ。白色の青白い光色でもハムの色がくすまない

選べる明かりは322通り。調光、調色中に節電状況がわかる

調色、調光のバリエーション。調色は全光を合わせて21段階で、全光が100%の明るさになる。調色によって明るさは変わり、明るさの段階は12~20段階と変則的だ。1%の明るさまで減光できる。明るさと光色の組み合わせは322通り!

 本製品は細かな調色・調光も簡単だ。調色、調光は、リモコンの中央の「全光」ボタンの周りにある、リング状の十字ボタンを押すだけだ。調色は「<電球色/白色>」、明るさは「▲明/暗▼」を押して好みの光色、明るさを選ぶ。ボタンを押すと本体が「ピッ!」と鳴り、それぞれの限界に達すると「ピピッ!」と2回鳴って知らせてくれる。ボタンは長押しもできる。

 光色は全光の昼白色を基準に、電球色へ10色(段階)、白色へ10色変えられる。つまり、合計21色が選べることになる。

 調光は、選んでいる光色によって変化する。明るさは100~1%の範囲で調光できるが、段階数は光色によって変化する。全光(昼白色)は20段階(約1~100%)、中間色(昼白色と電球色・白色の間)は13~19段階、電球色・白色は12段階(約1~約70%)だ。段階数が変わるのは、前述したように2色のLEDの明るさを変えて調色するためだ。

 調節していて便利だなぁと感心したのは、リモコンに「光色の番号」、明るさの変化による「節電状況」を具体的に数値で表してくれることだ。光色は1(白色)~11(全光)~21(電球色)と数値で示されるが、「光色番号」が表示された後、3秒後に「節電○○%」と数値が表示される。そのため、全光からどのぐらい節電できるのかが実感できるのが良い。ちなみに調光のみなら「節電状況」だけを教えてくれる。

調光・調色の際、「全光」の何%節電できるか具体的に表示される(画像左)。光色も1(白色)~11(全光)~21(電球色)と数値で示される
調光しても、シェードに光のムラは浮かびにくい

好みの明かりは3つもメモリーできる。普段/くつろぎ/仕事で分けてみました

団らんに十分な明るさ、適した光色を「お好み」として記憶した。直下は178lxで「節電54%」だ

 光色数と明るさ段階の組み合わせは全322通りもあるが、使うたびにいちいち調節する必要はない。なぜなら、お好みの組み合わせが3種類も記憶できるからだ。1つは「電球色と白色ボタン」にはさまれた「お好み」へ。残り2つは、消灯ボタンの左右にある「シーン1」と「シーン2」に記憶できる。

 記憶方法は難しくない。調色、調光したあと、リモコン内部の「メモリ」ボタンを押しながら、「お好み」、「シーン1」、「シーン2」のボタンのいずれかを押すだけで記憶できる。

 我が家の場合、「お好み」には夜間の団らんや、テレビ視聴に合う光色と明るさを記憶させた。直下は178lxで、光色は15番の暖かみのある白色、明るさは「暗▼」ボタンを4回押した節電54%のあかりだ。団らんや軽い読書なら、150~300lxあれば十分。普段使いならこの明るさで十分だ。

 「シーン1」には、くつろぎのあかりを設定した。光色は「21番」の電球色、明るさ「節電92%」を選んだ。メイン照明として485lmの電球色LED電球のスタンドを使用し、シーリングライトはあくまでサブ照明として明るさを補う使い方だ。影が柔らかくなり、よりくつろいだ雰囲気が演出できた。直下は35lxだが、リモコンの文字、新聞のテレビ欄もまだまだ確認できる明るさだ。

シーン1に、電球色を絞ったくつろぎのあかりを設定した。直下は35lxで「節電92%」だ。単体でスタンドを使用するよりも影が柔らかくなり、くつろいだ雰囲気がアップする。手元もある程度明るい(右)

 「シーン2」には、仕事用のあかりを設定した。光色は少し青白い中間色の6番、明るさは「節電54%」だ。メインの明かりは、手元をしっかり明るく照らすデスク上のスタンドで、シーリングライトはパソコンの画面の明るさと、壁面の明るさの差を少なくする明るさに調節している。部屋直下の明るさは142lxだ。目に優しく、集中しやすいあかりを演出した。

シーン2に仕事用の明かりを設定した。少し青白い光色は仕事中の集中力を高める。壁面も明るくなりPC画面の明るさの差も縮まり目に優しい

 322通りの組み合わせから選ぶのは面倒臭いが、シーンに合わせた3つの組み合わせを記憶したことで、快適かつ簡単に使いこなせている。ちなみに、必要に応じて光色、明るさの調節も可能。「お好み」、「シーン」は何度でも気軽に書き換えられる。

 そのほか、常夜灯も備わっている。リモコンの「常夜灯」ボタンを押せば点灯し、「▲明/暗▼」ボタンで0.25~0.02lx の範囲で6段階の明るさ調節もできる。

常夜灯を点灯した様子(左)。6段階の明るさ調節もできる0.25~0.02lx のほのかな明る

昼間は「楽エコ」に任せて、効果的に勝手に節電!

「楽エコ」運転中は、リモコンも表示される(左)。本体は「楽エコ」インジケーターが点灯する

 本製品には高機能機種らしく、自動調光機能「エコ楽センサー」(以降「エコ楽」)が搭載されている。センサーが外光や他の照明器具によって変化する部屋の明るさを検知して、自動的に無駄な明るさを抑え、最大1%まで減光してくれる省エネ機能だ。

 「エコ楽」運転をする前に、リモコンで簡単な環境設定を行なう。まず、設定は夜間、外光の影響がない環境で、本製品を好みの明るさに調節する。次に、器具から2.5m以上離れて、「メモリ」ボタンを押しながら「楽エコ」ボタンを押す。操作はこれだけ。我が家の場合、日中の仕事に合わせた明るさを選んだ。デスクは窓辺に面しており、昼間はスタンドを使わないため、部屋の明るさは240lx前後(節電40%)に設定した。

 設定が終わり、「楽エコ」ボタンを押せば、自動調光運転が始まる。運転中は、リモコンに「楽エコ」と表示され、本体の「楽エコ」インジケーターが点灯する。光色は消灯する直前の光色が選ばれる。

 今回はシーン2の光色で、早朝から「楽エコ」運転で点灯し、1日のあかりの変化を追って撮影した。

楽エコ点灯して数分で設定した明るさで落ち着いた。外光と混ざっても自然な印象だ

【朝7:00・楽エコで点灯】

 朝7:00、外はうす曇で、外光だけの部屋の明るさは60lxと、ぼんやりとしている。楽エコで点灯すると、最初に明るくなるが、5分もしないうちに環境設定した明るさに近い223lxに落ち着いた。窓から入ってくる外光と、部屋全体のバランスが良い。

外光の強さに応じて、センサーがしっかり働く。9時過ぎに一旦1%の明るさまで自動的に減光した

【8:00~10:00】

 うす曇でも、日が昇れば徐々に外光は強くなる。9:00過ぎには外光が設定よりも明るくなり、器具はほのかな1%の明るさに減光された。薄暗くなると、時折自動で明るさが増し、部屋の明るさをほぼ一定に保っている。

昼過ぎまでほのかな明るさをキープした。外光の明るさに応じていつの間にか調光されている

【10:00~16:00】

 10:00以降は陽が差し込むこともあり、器具は13:00過ぎまでほのかな明るさのままだった。部屋の明るさは4時間近く230lx以上だった。陽が傾き始めると、器具が明るくなる。雲の動きで外光は変わるが、部屋の明るさは相変わらず保たれている。外光と併用しても映るものの、色合いが自然だ。

陽が傾き、日没を過ぎても部屋の中の明るさはほぼ一定を保った

【17:00~日没】

 太陽が翳って外光が徐々に弱くなるにしたがって、器具は明るさを徐々に増していく。部屋の中はずっと240lx前後で安定していた。

 外光の明るさによって「楽エコ」は器具の明るさが変化するが、瞬間的な明るさの変化には反応しない。センサーが判断し、気づかないぐらいゆっくりと明るさが変化する。めまぐるしさは全くなかった。

 なお、楽エコはどれだけ外光が強くても、完全に消灯してくれない。最大に減光しても、器具がほのかに点灯しているのがわかる。多少物足りない気もしたが、運転中なのを忘れずに済むので、外出前の消し忘れを防いでくれるだろう。

蛍光灯に近い明るさで、年間で4,400円以の電気代が節約できる

消費電力のバリエーション。最大でも45W(全光)と軒並み低い。蛍光灯よりもずっと明るいのに50%以下の消費電力で済む。少し明るさを抑えるだけで大幅に電気代が節約できる

 消費電力の低さが魅力のLEDだが、本製品の消費電力は特に低く、効率は非常に良い。

 もっとも明るい437lxの「全光」は、300lx弱の蛍光灯よりも大幅に明るい。なのに、消費電力は45W。蛍光灯の97Wと比べて、軽く50%以下で済んでしまった。煌々と明るい全光でも、年間の電気代(1日8時間点灯)で、蛍光灯シーリングよりも3,300円以上も安く抑えられる試算となった。

【各色最大の明るさ時の電気代(1日8時間点灯)】
光色蛍光灯電球色
(光色21)
中間色
(光色16)
全光
(光色11)
中間色
(光色6)
白色
(光色1)
1日17円4.9円5.1円7.9円5.1円4.9円
1年6,231円1,799円1,862円2,891円1,862円1,799円
蛍光灯-各色の電気代-4,431円4,369円3,340円4,369円4,431円

 全光でも十分節約できるのに、調光すれば大幅に節約できるのも、もう1つの大きな特徴だ。リビングルームに適した200lx前後の明るさに抑えれば、年間5,000円前後も大幅に節約できる。ちょうどリモコンの表示「節電49%」~「節電53%」の間くらいの明るさだ。

 日中は「エコ楽」で運転すれば、外光が変化に応じて節約はお任せできる。環境設定した240lxは24Wだったので、そのまま点灯したままにしても、蛍光灯より年間4,600円以上節約できる。実験した日はうす曇にもかかわらず、設定に近い明るさまで点灯したのは、早朝と日没の2時間程度。あとはずっと減光しており、昼間の5時間近くは1%程度の明るさで済んでいた。明るさを保ちながら、バッチリ節約ができるだろう。

【200lx前後の明るさ時の電気代(1日8時間点灯)】
光色蛍光灯電球色
(光色21)
中間色
(光色16)
全光
(光色11)
中間色
(光色6)
白色
(光色1)
リモコンの節電値-49%(190lx)50%(185lx)53%(186lx)50%(201lx)49%(212lx)
1日17円3.7円3.5円3.3円3.5円3.7円
1年6,231円1,351円1,285円1,219円1,285円1,351円
蛍光灯-各色の電気代-4,880円4,946円5,011円4,946円4,880円

 なお、今回記憶した「お好み」の消費電力は19Wで、年間の電気代は約1,540円、くつろぎの「シーン1」は3Wで同約194円、仕事用の「シーン2」は14Wで同900円弱だった(併用した器具の電気代は含まず)。過ごし方に合わせて設定しておけば、簡単に大幅な節約ができるだろう。なお、常夜灯及び、消灯中の待機電力はワットチェッカーでは測定できない0Wだった。説明書によれば待機電力は0.5Wで、1年で100円にも満たない。長期に渡り使用しない限り、元の壁面スイッチは切らなくてよさそうだ。

【各種設定したそれぞれの電気代(1日8時間点灯)】
設定ごとの電気代蛍光灯エコ楽設定
基準値
おこのみシーン1(くつろぎ)シーン2(仕事)
リモコンの節電値-42%(240lx)54%(178lx)92%(35lx)63%(142lx)
1日17円4.2円3.3円0.5円2.5円
1年6,231円1,540円1,219円194円898円
蛍光灯-各色の電気代-4,690円5,011円6,037円5,333円

 付け加えて、本製品にはタイマー予約の他、就寝時に便利な「おやすみタイマー」、起床時に便利な「おめざめタイマー」も搭載されている。どちらも作動中はリモコンに表示される。

 おやすみタイマーを実行するなら、「30分切」「60分切」のいずれかのボタンを押すだけだ。どの光色でも10分前から徐々に電球色に変化しながら減光し、消灯、または常夜灯を自動で点灯する。常夜灯で実行すれば、自動的に消灯してくれる。

 おはようタイマーは「おめざめ」ボタンを押して、起床時刻をセットする。設定時刻30分前から白色で点灯し始め、徐々に明るくなり、設定時刻にシーン2の明るさで点灯する機能だ。カーテンを閉め切って眠る人には便利だろう。

おやすみタイマーの様子。光色に関わらず、10分前から徐々に電球色に変化しながら減光し、消灯、または常夜灯を自動で点灯する
おはようタイマーの様子。起床時刻30分前に自動点灯し、徐々に明るくなる。カーテンを閉め切った部屋でも目覚める頃にはしっかり明るくなり覚醒を促す
おやすみタイマー稼動中は、リモコンに消灯までの時間がカウントダウンされる(左)。おめざめの設定時刻は設定時に表示される。リモコンで予約解除するまで、毎日繰り返される

高演色にメモリー機能、自動節電機能も。選んでおいて間違いない

 使っていて特に快適なのは、蛍光灯の器具には戻れないほど、演色性が非常に良い点だ。リビングルームは多様、かつ長時間過ごす場所だけに、目に映る物、肌が美しく見えるのは気持ちが良い。しかも消費電力が軒並み低く、エコ楽と併用すれば、日中の電気代も効果的に抑えてくれる。高機能モデルでありながら、一度設定してしまえば、少ない操作でシンプルに使いこなせるのも良い。

 欠点とまでは言えないが、強いて挙げるならば価格だろう。調光・調色ができるものは2万円前後で購入できるようになってきたので、約3万円という購入価格は少々ハードルが高いかもしれない。だが、演色性はシーリングライトの中でもピカイチで、消費電力に対する明るさの効率が特に良く(95.7lm/W)、リモコンで節電状況の値が直接確認できる便利さは見逃せない。5年間の長期保証も魅力的だ。もちろん、点灯中に器具から雑音もなければ、AMラジオへのノイズの影響もなかった。

 自然な色をキレイに再現する高演色性のあかりは、生活の中心にこそ相応しい。リビングルームはもちろん、食事を摂るダイニングルームには特にお勧めしたい。長期間使い続けられる器具ゆえに、家族や友人と囲む食卓、にぎやかに過ごす団らん、癒しのくつろぎなど、それぞれの時間をより豊かに彩る明かりとして、本製品を選んで間違いないだろう。

藤原 大蔵