家電製品ミニレビュー

ツインバード「コンパクトジューサー KC-4522」

~価格も本体もコンパクト! 初めての人におすすめなジューサー
by すずまり
価格とサイズのコンパクトさにひかれて購入したツインバードの「コンパクトジューサー」

 「野菜ジュースやフルーツジュースは手軽に買えるのに、わざわざジューサーでジュース作るなんて」と思っていたのは昔のこと。一度ジューサーを体験し、鮮度の高いジュースを飲むことは、栄養摂取において非常に有益であると認識した今は、むしろ「ジューサーは一家に一台あってヨシ!」と思えるほどになっている。

 そんな中、ふと目に付いたのが2千円台で売られていたツインバードのコンパクトジューサー「KC-4522」だ。言葉は悪いが、大手メーカー製のジューサーと比較すると価格もサイズもおもちゃみたいな印象だ。ゆえに「果たしてその実力はいかに!?」と気になって、つい購入してしまったのだ。


メーカーツインバード
製品名コンパクトジューサー KC-4522
希望小売価格5,250円
購入場所楽天市場
購入価格2,780円


一人分のフレッシュジュースが作れるコンパクトサイズ

さっぱりとしたデザイン

 「KC-4522」は、サイズは185×160×275mm(幅×奥行き×高さ)、重さ約1.6kg。本体の上に「受け皿」「カッターフィルター」「フタ」「押し込み棒」の順で装着するという構造。本体側面に電源スイッチが1つ用意されており、「入」にすると「カッターフィルター」が回転を始める。回転数は15,600rpmで、発生する絞りカスは半透明なフタを通して見えるようになっている。取扱説明書の他にフィルター用の「お手入れブラシ」が1本付属する。電源コードは1.8mで、収納ケースはついていない。


分解したところ。左上は本体、左下から受け皿、カッターフィルター、押し込み棒、フタという構成。この中で本体以外が洗い物の対象となるフィルターの様子取扱説明書と「お手入れブラシ」が1本付属する。取扱説明書には投入口に入るサイズに切るための下ごしらえの仕方から、上手に絞るコツ、調理例として3種類のジュースが紹介されている

 第一印象は「軽くてシンプル」だ。目に見えるパーツとしては、「カッターフィルター」以外はプラスチック製という印象で、女性でも片手でつかんで持ち上げられるほど軽い。本体以外のパーツは「押し込み棒」を含めて4つ。いずれも小ぶりなので、パーツの多いジューサーに慣れた方ならその簡単さにビックリするのではないだろうか。

 使用する際は、本体の凹みに自分のグラスを置き、投入口から材料を入れて、ゆっくりと「押し込み棒」で押し込むと、直接注ぎ口からジュースが流れ込むという仕組み。全体的にコンパクトだが、その分材料の投入口もやや狭い。野菜やフルーツを入れる際は細めにカットしたほうがスムーズに投入できるようだ。

 専用グラスは付属しないものの、その分好きなグラスを置いて直接使える。しかし高すぎても置けないし、低すぎても飛び出してくるジュースをうまく受け止められないので、グラス選びは注意が必要となる。高さとしては10~12cm程度が適当である。

カッター部分の様子注ぎ口と電源スイッチ縦型のグラスを置いてみた様子。グラスの高さは約13cmなのでギリギリだ
低めのグラスを置いてみた様子。低いと飛びハネが心配である投入口の状態。小さめなので、材料は細かめにカットしておく片手で軽々持ち上げられる

 なお、受け皿に溜められる絞りカスの量はジュースにして約コップ1杯分。つまり、このジューサーで作れるフレッシュジュースの量は1回でコップ1杯(200cc程度)ということだ。取扱説明書によれば、カスを捨てずに連続して絞れる目安は、りんごなら中2個、にんじんなら中2本、トマトは中1個、オレンジは中2個、キャベツなら10枚程度だという。数杯分のジュースを作るなら、都度カスを取り除かなければならない。溜めたまま大量に作ろうとするとモーター故障の原因になるので気をつけよう。

 それではどのようなジュースができるのかを見てみよう。


りんご、にんじん、トマトのジュース

 まず、りんご1/2個、にんじん小1本、トマト小1個のジュースを作ってみた。何の味付けをしなくても甘くておいしい野菜ジュースができた。通常この量を食べるとそれだけでお腹がいっぱいになってしまうが、ジュースになるとゴクゴクと飲めるので助かる。ジュースならドレッシングも不要なので、余計な塩分を抑えたい方にもぴったりだ。

 気になる出来だが、泡立ちはあるが口当たりもなめらかで飲みやすく、ジュースとしては全く問題のないおいしい仕上がりになった。絞りカスで見た“絞り具合”も上々。難点があるとすれば層のように見える泡の見栄えだが、このジューサーに限ったことではないし、飲む前に混ぜてしまえば全く気にならない。3千円しないジューサーでもここまで作れるのかと感心した次第である。

野菜ジュースの定番ともいえる、りんご、にんじん、トマトを用意見た目はいまいちだが、飲んでもざらつきはなく非常においしい3種類の素材でできた絞りカス。絞りカスも完全ではないが、他と比較して特に絞り切れていないという印象はない


グレープフルーツとりんごのジュース

 冷蔵庫に眠っていた完熟のグレープフルーツ1個と、リンゴ1/2個で再びジュースを作ってみた。グレープフルーツはおいしいのだが、食べるとなるとちょっと面倒だなと思ってしまうフルーツの1つ。どうも筆者はみかん並に簡単に皮がむけ、丸ごと食べられないとおっくうになってしまうようなのだ。その点、ジューサーに入れてしまえば1個分などあっという間に摂取できる。りんごとあわせると独特の酸っぱさが緩和されて甘みがプラスされるため、より飲みやすくなってお気に入りなのだ。

 投入口のサイズにあわせて小さめにカットした材料を投入したところ、りんごの切れ端を3つ残した時点でグラスがいっぱいになってしまった。思いの外グレープフルーツからジュースが絞れたようだ。飲んでみたところこちらも違和感なくサラリと飲めるおいしいジュースになっている。

 ふと見ると受け皿の下(本体)にもジュースがこぼれていた。ただし、即故障につながるような問題にはならないと思われる。布巾やキッチンペーパーなどで簡単に拭き取れるので安心していただきたい。

投入口のサイズにあわせて刻んだグレープフルーツとりんごできあがったジュース。一般的なジューサーと変わらない仕上がりだ溜まった絞りカスとカッターフィルター、受け皿を取り外すと、本体にもジュースがこぼれていた。本体は丸洗いできないので、よく拭いておかなければならない


材料投入からできあがりまで。置いた場所が不安定だったため、本体のバランスが悪く、最後に少々振動音がプラスされている。拙宅では厚手のマットを用意したいところだ

これからジューサーを使ってみたいという方にぴったり

 「KC-4522」は安いジューサーと侮るなかれ。その仕上がりはなかなかのもので、毎日一人分のジュースを作るなら十分といえる性能を持っている。素材投入と同時に勢いよくジュースが飛び出してくる様子は“作っている”という実感が伴い、フタを通して中の材料の動きが分かるので、安心感もある。

 製品を構成するパーツが少ないこと、普段使うグラスに直接注げることから、洗い物が少なくて済むというのもこの製品のメリットだ。ただし、本体の構造上、ストレートタイプのグラスでは、口ギリギリの位置から勢いよく注がれる格好になるため、グラスをしっかり当てないとこぼれてしまうのではと心配になる点が気になる。高さ12cm程度で、やや口の広がったグラスならちょうど良いに違いないが、ピッタリのグラスがあるとは限らない。あと1cmほど奥に設置できるようにするか、グラスのタイプに合わせて角度などを調整できる延長ノズルのようなものがあると便利だろうと感じた。

 使用時の音の大きさも他のジューサーとそう大きく違うとは思えないので、気にするほどでもないだろう。ただし本体が軽いため、できるだけ安定した場所に設置するようお勧めしたい。

 気になるお手入れだが、パーツの着脱は極めて簡単で、いずれも水で簡単に洗い流せる。一番時間がかかるのは「カッターフィルター」の清掃だ。びっしりと詰まったフィルターから繊維をきれいに取り除くには時間がかかるものだ。水につけながら、目に沿って付属のブラシでなでるようにすると取り除き易い。この点も他のジューサーとほとんど変わらず、本品だから時間がかかるという印象もない。

 「KC-4522」はとりあえず気楽にジューサーを使ってみたいと考えている、一人暮らしの方にぴったりの製品といえるだろう。



2009年6月4日 00:00