家電製品ミニレビュー

ブラウン「Series5 590cc-4」

~中級機種のシェーバーでも深剃りはできるのか?
by 正藤 慶一
ブラウン「Series5 590cc-4」

 いざ家電製品を買おうと思った際に、高級モデルを選ぶか、普及モデルを選ぶかは、誰もが悩むもの。特に、ラインナップが数多く出ている電気シェーバーはその傾向が強い。そりゃ製品の良し悪しだけを見れば、機能がたくさん搭載された高級モデルの方が良いに決まっているが、サイフの中身を考えれば、やはり普及モデルの方が選び易い。

 となると、高くもなく、安くもない中級機種を選んでおけば問題ないのでは、とも思うが、果たして中級機種の使い心地はどんなものだろうか?

 そこで今回は、“中級機種”の代表として、ブラウンのシェーバー「Series5(シリーズファイブ) 590cc-4」を、以前紹介した最上位モデル「Series7 790cc-4 LDE」と比較しながら使ってみよう。


メーカーブラウン
製品名Series5 590CC-4
価格オープンプライス
購入店舗ヨドバシカメラ
購入価格15,300円

 ブラウンのシェーバーのラインナップは、最高級クラスが「シリーズ7」で、「シリーズ5」はその次のクラスとなる。以下、「シリーズ3」「シリーズ1」と続く。シリーズ7の実売価格は、洗浄機付きで約31,000円(790cc-4 LDE。価格はヨドバシカメラ。以下同じ)と高価な一方で、エントリーモデルのシリーズ1は約4,000円と、“同じシェーバーか!”と思うほど非常に安い。

 一方で、シリーズ5は洗浄機付きで約15,000円(590cc-4)。シリーズ3は洗浄機付きで約11,000円(390cc)。高級/普及モデルと比べれば、高くもなく、安くもない。まさに“中級機種”と呼ぶにふさわしい。

 シリーズ5と3のどちらを選ぶか迷ったが、シリーズ7にも付いている「高速振動くせヒゲトリマー」と「首振りヘッド」があることから5を選んだ(機能については後述)。洗浄充電機の「クリーン&リニューシステム」付きタイプを選んだのは、個人的にブラウンのアルコール洗浄システムが好みだからだ。

高級モデルと比べて何ができる? できない?

最高級モデルの「Series7 790cc-4 LDE」(右)との見た目の比較

 590cc-4の本体サイズは58×45×155mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は196g。見た目も重さもいたって普通のシェーバーだ。本体カラーはシルバーと黒でカッコイイ仕上がりだ。黒一色で統一された「790cc-4 LDE」と比べると、見た目での高級感はやや劣るように見える。

 まずは、この590cc-4本体のシェービング機能を紹介しておこう。3枚の刃が付いているヘッドを覗き込むと、中央にギザギザの刃が見える。これが、「高速振動ヒゲトリマー」。ギザギザの刃が左右に動いて、ヒゲを根元から立たせてカットするという。くせヒゲの多い私にはピッタリの機能といえそうだ。

 また、その両脇にある2枚の外刃にも仕掛けがある。この外刃は「ディープキャッチ網刃」というもので、899パターンもの形状の網目を並べており、さまざまな方向に生えているヒゲを根元から剃るというものだ。よーく見ると、網の穴がイレギュラーに並んでいるところが見える。

ヘッドは3枚刃。中央が「高速振動ヒゲトリマー」。ヒゲを根元から立たせてカットする効果があるという内刃は2枚外刃のアップ写真。形状の異なる網刃がたくさん並んでいるが、これが「ディープキャッチ網刃」。さまざまな方向に生えているヒゲをカットするためのものだ

 一方、高級モデルにあって、590cc-4に無い機能は、大きく分けると2つ。1つは、ヘッドの振動スピード。シリーズ7では、刃の往復運動とは別に、ヘッドが毎分1万回振動することで多くのヒゲを捕らえる「音波振動ヘッド」機能を備えており、しかもヘッドの振動幅を、強い/普通/弱いの3段階に変えられる。シリーズ5では、普通に刃が往復するだけだ。

 もう1つが、「ヘッドの首振り角度」。シリーズ7では、ヘッドが前後に最大65度まで曲がり、さらに外刃が上下に浮き沈みするため、顔の曲面に合わせた追従が可能となっている。一方のシリーズ5は、ヘッドは曲がるものの、その角度は最大33度まで。外刃の浮き沈み機能もない。

 もっと言うと、本体の電池残量表示が液晶じゃなくてランプだけだったりなど細かい機能にも差は出る。しかし、基本性能であるシェービングに関しては、上記の2点が大きく異なる。

ヘッドの首振り角度は最大33度までヘッドを横から見たところ。最高級モデルのような、肌に押し当てると外刃が沈む機能はない電池の残量表示は5段階のランプで表示される

問題なく深剃りできる。けど、快適性ならやっぱり最上位モデル

 前置きが長くなったが、いよいよヒゲを剃って、剃り味の違いを感じてみよう。

 電源を入れると、「ブーン」という低い運転音がした。シリーズ7だと、もう少し高い音がするが、これが振動数の違いかもしれない。

最高級モデル「790cc-4 LDE」(動画前半)と、590cc-4(動画後半)の運転音の比較。590cc-4はやや低めの運転音となる

 肌に当てると、ジョリジョリとどんどん剃ってくれる。正直、「これで全然問題ないんじゃない?」と思えるほどパワフルだ。ヘッドも顔の曲線に合わせて動いてくれるので、とても使いやすい。

上が590cc-4でのシェービング前、下がシェービング後。基本的には、問題なく深剃りすることができた

 で、剃った後の顔が右の写真の通り。結論から言うと、肌荒れもなく、何一つ問題なく剃れました!

 でも、やっぱりシリーズ7と比べると、“快適性”の面で物足りないところがある。まず、シェービングスピードが速くないところ。シリーズ7はヘッドがものすごい速さで振動するため、軽くササッと肌をなぞっても結構剃れてしまう。でもシリーズ5だと、振動が緩いので、ジワジワと肌をなぞる必要がある。朝の出勤前に使うと、「シリーズ5、遅いなぁ……」なって思ったりする(シリーズ7が速過ぎるだけかもしれないけれど)。

 もう1つが、肌の当たりの柔らかさ。シリーズ7は肌に強く当てても、ヘッドが沈んでくれるので、肌にやさしく密着し、シェービングしてくれる。一方のシリーズ5はこの機能が無いから、アゴなど硬い部分を剃る際に、グッと押し付けすぎて、肌がヒリっとしたり、赤くなったこともあった。肌が弱い人は、Series7の方が合っているだろう。

 というわけで、高級モデルは快適に使える工夫がなされていることに納得した。しかし、裏を返せば、それよりも1万円以上安いのにこれだけ剃れる、とも見ることもできる。「快適さはやや落ちるけれど、深剃りに関しては問題なし」ということが言えるだろう。

ブラウン独自のアルコール洗浄もできる

洗浄充電器「クリーン&リニューシステム」も搭載。ブラウン独自のアルコール洗浄で、刃をキレイにできる。個人的にこれは外せない

 さて、590cc-4で忘れてはいけないのが、洗浄機能。本体に付属する洗浄充電器を使えば、充電しながらヘッド部分を洗うことができる。「そんな付属品いらないよ」「安い洗浄機無しタイプの方が良い」という人もいるかもしれないが、個人的には洗浄機付きタイプを強くお勧めしたい。

 というのも、ブラウンのシェーバーの洗浄充電器では、専用のアルコール洗浄液を使用するが、これがヘッドのニオイを完全に除去してくれるからだ。シェーバーを手入れせずに使い続けると、刃にイヤ~なニオイが付いてしまいがち。私もよく洗うのを忘れてしまうのだが、この洗浄液で手入れをすれば、ニオイを除去するのはもちろん、爽やかなシトラス系の香りまで付けてくれる。非常に頼りになるヤツだ。

 590cc-4に付属する洗浄充電器は、操作は非常に簡単。シェーバー本体を逆さに入れて、洗浄器本体のボタンを押すだけ。これで、洗浄も充電もこなしてくれる。ちなみに、アルコールで洗浄してくれるのは、シェーバーメーカー数あれどブラウンだけだ。

左は最高級モデル「シリーズ7 790cc-4 LDE」に付属の洗浄充電器。乾燥や急速洗浄も付いている。一方、590cc-4の洗浄充電器は、乾燥・急速洗浄機能はない

 実は、この洗浄充電器についても、高級モデルから乾燥や急速洗浄といった機能が省かれている。つまり、“ちょっと洗って、すぐ使いたい”というような場面では、590cc-4に付属の洗浄充電器では対応できない。ここでもやはり、快適性で差が出てしまった格好だ。


基本的な機能をしっかりそなえたシェーバー

 以上、“シェーバーの中位機種はどうなのか”という視点から590cc-4を見てきた。まとめれば、使いやすさや肌へのやさしさなど「快適性」の面では高級機種にはかなわないものの、シェーバーの基本である深剃りは問題なくでき、さらにブラウンの特徴であるアルコール洗浄もできる。基本的な機能をしっかり備えたシェーバーと言うことができそうだ。

 高級モデルの価格の高さには手が出せない一方で、安かろう悪かろうの製品を購入するのもイヤ、という人は、590cc-4なら確かなパフォーマンスを見せてくれることだろう。






2011年6月2日 00:00