家電製品ミニレビュー
初めてでも美味しくできた! 簡単に燻製が作れる無煙ロースター
by 田中 真紀子(2015/9/30 07:00)
ここ数年、自分で燻製作りを楽しむ人がじわじわ増えている。Facebookなどで「燻製作りにハマっています!」「キャンプでスモークサーモンを作りました~」という写真付きの報告を見ると、みんなマメだなあ、スゴいなあ、と思いつつ、面倒くさそうだし、無精な私は一生作ることなどないだろう……と思っていた。
そんな私がついに、燻製を作るときがやってきた。パナソニックから、燻製もできる業界初のスモーク&ロースター「けむらん亭」が登場したのだ。
メーカー名 | パナソニック |
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製品名 | スモーク&ロースター「けむらん亭」 |
型番 | NF-RT1000 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 27,500円 |
燻製を作るとなると、当然のことながら煙でいぶすニオイが周囲に立ち込める。この煙が食材に薫りをつけてくれるわけだが、家中にニオイが染み付いたらたまらないので、燻製は屋外で作ることが多い。
しかし、この「けむらん亭」は、そもそもが "煙らない"ことがウリのロースター。14層の触媒フィルターが庫内の煙やニオイを浄化するため、通常の焼き物はもちろん、燻製もニオイを気にせず、屋内で作れるという。
無煙ロースターとしての実力は十分!
燻製作りの前に、まずはロースターとしての実力を試すべく、今が旬のサンマを焼いてみることに。サンマは、いつも使用している魚焼きグリルとロースターで同時に焼き、その違いを確かめてみた。
すると違いは一目瞭然。ロースターで焼いた方が、明らかに丸みを帯びてふっくらしているのだ。水分がキープされているためか、身がしっとりやわらかく、うまみも感じられた。肝心の煙もほとんど漏れておらず、焼き上がって扉を引き出すまで、煙が出ているのを忘れていたほどだ。
その後、甘塩鮭も焼いてみたところ、違いはさらに大きく、家族が「この鮭、いつものより高級?」と聞いてきたほどだが、もちろんいつもの1切れ120円のもの。ロースターとしての性能は、かなりいいようだ。
いよいよ燻製作りにチャレンジ!
燻製を作る際は、事前に燻製チップを用意しておく必要がある。燻製チップにも、さまざまな種類があるが、どれを選んだらいいか分からないので、とりあえずAmazonで評判のよかったものを購入した。付属のくんせい容器とくんせい網もここで登場する。
食材によって多少手順は異なるが、まず作ってみたのが、下ごしらえのいらないプロセスチーズの燻製。くんせい容器にチップを入れ、アルミ箔を敷いたくんせい網にチーズを並べたら、アルミ箔で容器にふたをする。あとは「くんせい」キーを押し、時間を設定するだけだ。
出てきたのは、絵に描いたように完璧(?)なチーズの燻製だ。少し溶けてしまったので、時間を置いて固まったところを試食。調理前のチーズとはまったく別物の、こってりしたスモークチーズになっていた。これは、ワイン好きには堪らないおつまみになるだろう。
鮭も鶏のササミも間違いなく、燻製だった
続いて作ってみたのが、甘塩鮭の燻製だ。これは、一度オートメニューでしっかり焼き、室温で20~30分冷ましてから、燻製調理するという手順を踏むため、少々時間と手間がかかる。しかし燻製を作ろうという人が、これくらいのことで面倒臭がってはいけないのだ(笑)。ちなみに鶏のササミは、塩を振っておくだけで、すぐに燻製調理に入ることができた。
完成した鮭とササミの燻製は、いずれもふんわりとスモークが香る上品な味わいになった。特に、もともとあっさり味のササミは、スモークのコクが加わることで、より美味しくなっているようだ。ちなみに色が薄い場合は、調理時間を長めにするといいそうだ。
焼き物も燻製もできる1台2役が嬉しい
初めての燻製体験は、新しい食の世界が開けたような印象だった。今回はレシピ通りに作ってみたが、燻製チップの種類や調理時間を変えたり、珍しい食材にチャレンジしたり、さまざまな楽しみ方ができるのだろう。
もしロースターが燻製専用だったら、使用シーンが限られ、持て余してしまう可能性がある。サイズも、450×355×185㎜(幅×奥行き×高さ)とオーブントースターより大きめで、意外と場所も取るからだ。
しかし、この製品はそもそも、煙を出さずにふっくら焼き上げるロースターとして優秀な機能を備えている。そういった点で、日常でも特別なときでも活躍する調理家電としてオススメできる1台だ。