やじうまミニレビュー

自家製の本格スモークが手軽に楽しめる燻製キットがおススメ!

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
SOTOの「燻家(スモークハウス)」

 スーパーなどでも手軽に手に入る燻製卵や燻製チーズは、お酒のお供に最高だ。しかしこれらの燻製の中には、「燻液」と呼ばれるものに漬け込んだだけの”燻製もどき”が多い。一方、本格的なソーセージやベーコンなどは、本当に煙でいぶしてあるものが多く、同じ燻製でも風味がまったく違うのはそのためだ。

 でも作りたての燻製はもっと美味しいのをご存知だろうか? 今回は、初めてでも簡単に作れるダンボール製の燻製キット、SOTO「燻家(スモークハウス) ST114」をご紹介しよう。

メーカー名新富士バーナー
製品名SOTO 燻家(スモークハウス) ST114
実売価格990円(Amazon価格)

全部がセットになっているから簡単スモーク!

 このキットには、燻製に必要なものがすべて入っている。食材さえ用意できれば、買ったその日に燻製が食べられるほど簡単だ。初めて燻製を作る人なら、チーズやゆで卵、かまぼこやお惣菜の焼き鳥なんかがオススメだ。

 まずはダンボール製の燻製器の組み立て。箱自体に作り方が印刷されているので、それを見ながら組み立てていく。箱の形は取っ手がついているケーキのケースと同じ。組み立てで手こずることはないだろう。

燻製器の組み立ては簡単。キャンプに持って行けばその日の夕食に燻製が食べられる

 燻製器ができたら、細い金属棒をダンボールに差し込み、その上に付属の金網を乗せる。この燻製器は、ほとんど内部が熱くならない「冷燻」と呼ばれるタイプなので、金網にチーズなどを載せても大丈夫だ。

 またゆで卵やかまぼこなど、そのまま食べられるものなら簡単に燻製できる。焼き鳥を燻製にする場合は、お惣菜コーナーで売られている、あらかじめ火の通ったものがいいだろう。ベーコンやウィンナーなども、食べる前に軽くスモークするだけで、風味が増して美味しくなる。

金属棒を差す位置を変えると火加減調整ができる
ベーコンなどは肉にフックを差し込み棒に引っ掛けるといい。肉の中まで火が入るほどではないが、軽く表面に火が入る程度までぐらい熱くなる
付属の網を使えばから揚げ用の鶏肉に塩コショウしたものや、ゆで卵などいろいろ燻製できる

 さて、一般的な燻製器は、木を粉々に砕いたスモークチップと呼ばれるものを火にかけて煙を出す。だから火加減の調整が結構難しい。でもこのキットはスモークウッドという、巨大なお線香のようなものがついているので、火加減の調整も不要。常に人が張り付いていなくても、ちょくちょくチェックするだけでいい。

 スモークウッドの点火は、マッチやライターでもできるが、家庭でやるならガスコンロの五徳にスモークウッドを置いて点火するのが手っ取り早い。キャンプで使うなら、火のついた炭の上に数分置いておけばいい。

 火がつくといっても、お線香のようにくすぶるだけなので安心だ。これを付属のアルミ皿に載せて、ダンボール製の燻製器の中に入れる。煙は2時間ほど出続けるので、軽いスモークから、かなりいぶしたものまで作れる。

右が一般的な燻製で使うスモークチップ、左がキットに添付のスモークウッド。このブロック全体が巨大なお線香のようになり煙が出る
コンロの五徳の上にスモークウッドを置いて火をつけると手っ取り早い
お線香のように火は出ないが、煙がモクモク出続けるスモークウッド
付属のお皿にスモークウッドを置いて、燻製器の窓から中に入れる

 チーズや卵、かまぼこなどの燻製の目安は30分~1時間。長時間スモークすると煙の酸っぱさが出たり、渋みが増してくるので、最初は30分ぐらい軽くスモークしてみて、好みに応じて時間を調整するといいだろう。

 ちなみにスモークウッドは、ホームセンターのキャンプコーナーにも売っている。一般的なのはさくらの木だが、筆者のおススメはヒッコリー。スモークする食材との組み合わせを考えるのも、燻製の楽しみのひとつだ。

だいたい1時間スモークしたところ。冷燻なので肉に火は入らないので、食べる前に焼くといい
筆者オススメはヒッコリー。肉系や酒の肴系には、いかにもスモークという風味なのでこれがピッタリ

自家製ペーコンやスモークチキンだってできる!

 ごく簡単なダンボール製の燻製器だが、本格的な自家製ベーコンだって作れる。下ごしらえは肉をビックル液というものに漬け込んで、味を染み込ませるだけ。

①ビックル液を作る
 お鍋に300ccほどの水を入れ火にかけながら、塩と砂糖を大匙1杯ずつ入れていく。塩と砂糖が溶けては入れを繰り返し、飽和してもう溶けないぐらい濃いビックル液を作ろう。

ウチの場合は冷蔵庫の野菜室にある残り野菜を全部ブチ込むので、毎回味が違う(笑)

 基本は塩と砂糖だが、ここに酒やしょうゆなどを入れ、家庭のアレンジを加えてもいい。またタマネギやセロリ、ニンニクと言った香草を刻んだものを入れるとより美味しくなる。場合によってはレモンやリンゴといったフルーツの香り付けをしてもいい。

②ビックル液に肉などを漬け込む
 肉は鶏でも豚でも牛でも構わない。軽くコショウをふって密封できるビニール袋に肉とビックル液を入れて漬け込む。ブロック肉を使うとよりワイルドで見た目もいい仕上がりになる。あとは冷蔵庫に入れて数日間漬け込む。できれば2日ぐらい漬け込むと、肉の中心まで味が入り込んで美味しくなる。

まず肉を袋に入れ、ここにお玉でビックル液を入れる
空気を追い出して密封する
冷蔵庫で冷やしつつ2日ほど漬け込む

③塩抜きは漬けておいた日数の時間分
 漬け込んだ肉をそのままスモークすると塩辛すぎる上、外側だけ味が濃くなってしまうので塩抜きする。塩抜きする時間の目安は、漬け込んでおいた日数の時間分。たとえば2日間漬けこんでいたら、2時間塩抜きをする。こうすると外側と中心部の味が均一になる。外側はかなり塩気が強いので 最初の10分ぐらいはもみ洗いして、何度も水を取り替えるといいだろう。

袋から取り出して塩抜き
大きなブロック肉は最初もみ洗いして塩を抜くといい
2日間漬けこんだら2時間、3日間なら3時間塩抜きする

④水気をよく拭いてスモーク
 この燻製器は冷燻なので、燻製しながら肉に火を入れることはできない。なので1時間ほど燻製にしたら、半生の肉を薄くスライスして、フライパンなどで炒めるといい。もしくはオーブンなどで中心まで火を入れるといいだろう。

水気をよく拭いてこれをスモークすると自家製ペーコンやスモークチキンのできあがり
スモークしただけではまだ生肉なのでフライパンなどで火を入れる

キャンプで! 自宅で! 手軽に自家製の燻製が楽しめるオールインワンキット

 自家製のスモークなんてなかなか食べるチャンスはないが、一度チャレンジしてみたい人に、このキットは最適だ。価格も千円チョットなのでリーズナブル。水に濡れなければ何度でも使える。もちろん折り畳んで小さくして収納できる。ただし周りのものがみんな煙臭くなるので注意しよう。

食材とスモークウッドの組み合わせも楽しめる。酸っぱくならないよう、軽くスモークするところから始めよう!

 キャンプの遊び道具として楽しむもよし、自宅のベランダでちょっと試してみるのもよし。いつも自家製の燻製を作っているというヒトには、手軽な冷燻器として魚系や生ハム系の燻製をオススメしたい。

藤山 哲人