家電製品レビュー
お肉がふっくらジューシー! 360度回転する「ロティサリーグリル&スモーク」で簡単ごちそう作り
2017年11月13日 07:00
肉を回転させながらじっくりと炙り焼きで仕上げる「ロティサリー」に、食材をウッドチップの煙で燻して風味豊かに仕上げる「燻製」が、家庭のキッチンで簡単にできる調理器具が登場した。今回は本当に美味しい肉料理が簡単に堪能できる、パナソニックの「ロティサリーグリル&スモーク NB-RDX100」を紹介しよう。
メーカー名 | パナソニック |
---|---|
製品名 | ロティサリーグリル&スモーク |
型番 | NB-RDX100 |
実売価格 | 54,499円 |
美味しいとわかっていても、回転炙り焼きのロティサリーも、煙で燻す燻製も、「外で食べるか、買ってくるもの」というのが大方の印象ではないだろうか。というのも、ロティサリーは肉を回転させる、専用の大掛かりな器具が必要になり、燻製は煙と臭いの処理が必須になるからだ。どちらも気軽にキッチンで、というわけにはいかなかった。
ところが今回紹介するロティサリーグリル&スモークは、革命的と言いたくなる1台だ。肉を回転させる機能も、煙と臭いを処理する機能も1台に十分コンパクトにまとめてあり、敷居の高かった調理法が一気に身近なものへと変えてしまえるからだ。それだけにとどまらず、オーブン料理もグリル料理も楽しめる1台4役を実現している。
小型のオーブンレンジ並の大きさに、4つの機能のロティサリー・燻製・オーブン・グリルがギュッ
本体の大きさは405×410×283(幅×奥行×高さ)で、重さは約8.3㎏。一般的なオーブンレンジと変わらない大きさと重さなので、キッチンカウンターやレンジ台に簡単に載せられるだろう。色は艶を抑えたブラックで落ち着いた印象だ。同梱品は、ロティサリー、燻製専用のかごや容器の他、受け皿と焼き網が用意されている。
実際に使う前に、ロティサリーと燻製のセットの仕方を簡単に説明しておこう。
ロティサリーは、歯車の付いた大きさ190×70×60mmのかごを利用する。かごに食材を入れてふたで押さえ、かご受けにセットしたものを受け皿のガイド(凹み)に合わせて置く。受け皿ごと本体にガシャンと差し込むと、かごの歯車と本体の歯車が見事に噛み合って、かごが回転するようになる仕組みがある。大きな丸鶏1羽は調理できないが、かごを利用することで串刺しのテクニックも要らず、受け皿ごと簡単にセットできる気軽さがミソ。
燻製は、専用容器にウッドチップを適量入れ、その上に専用網を置き、食材を入れる。容器ごと本体の「受け皿支え網」のくぼみに合わせて置くだけと、使い方はとてもシンプル。ウッドチップは付属していないので、好きな香り、食材に合わせたものを購入しておく。
また、オーブンやグリル料理に欠かせない受け皿の内寸は255×250×20mm(幅×奥行×深さ)と十分大きい。楕円の大きめのグラタン皿(192×125mm)がラクに2つ入る大きさだ。焼き網は270×242mm(幅×奥行)と広く、食パンなら4枚、ロールパンも家族分が1度に焼ける。
ヒーターは焼き網・受け皿支えの下に、通電すると赤く発熱するものが3本。上の奥に近赤外線ヒーター、手前に遠赤外線ヒーターの2本が組み込まれている。最大ワット数は1,350Wだ。
なお、庫内の幅は292mmで奥行きは280mm。焼き網・受け皿支えから上ヒーターまでの距離は120mm。本体の扉は手前に開くタイプなので、受け皿や焼き網を一時的に引き出して載せておける。
操作はシンプル。オートメニューもマニュアルもすぐに使いこなせる
操作はさほど難しくない。ダイヤルやボタン類は、全て正面下の操作パネルにまとめてある。
操作パネルの左側には3つのマニュアル操作のダイヤルが並んでいる。左端から調理モード選択、 120〜240度の温度設定、タイマー設定のダイヤルが並んでおり、その隣がタイマー表示部になる。燻製は食材に合わせて高温と低温が選択できる。
タイマー表示部の右側にはオートメニューボタンが並ぶ。オートメニューは「仕上がりボタン」で強・中・弱が選べる。
調理の開始は、マニュアルまたはオートでセットしてから、操作パネルの右端上の「スタート」ボタンを押す。燻製以外の調理中、庫内奥の近赤外線ヒーターが庫内全体を照らし、250×47mmのガラス窓から調理の様子がハッキリと見える。
また、ロティサリー、燻製、オーブン、グリル料理が50種類も掲載されたレシピブックも同梱されている。どのレシピも、どのモードで調理するかわかりやすく、ほとんどが普段から使っているような食材や調味料を使ったもので、応用も利きやすい印象だ。
ロティサリーは、ジューシー&ふっくら! 絶品お肉が簡単に仕上がる!
はじめに、今まで一度も自分で調理したことのないロティサリーを試した。
焼き豚(ロティサリー・オート)
最初にロティサリー・オートで仕上げる「焼き豚」を作ってみた。一般的に焼き豚作りは手間が結構かかる。かたまり肉に下味を付け、表面をフライパンで焼き、鍋を変えて2時間ぐらい灰汁をすくいながらじっくりと煮込む必要があるからだ。
ところが、ロティサリーグリル&スモークの加熱調理時間はたったの1時間程度で済んでしまう。下味をつけたかたまり肉をかごに入れて本体にセットし、オートメニューボタンをポンポンと押してスタートするだけ。
かたまり肉がゆっくりと回転し、じっくりと炙り焼きがみるみるうちにできてしまう。回転しながらジュージューと音を立て、徐々に色づくかたまり肉見ているだけでも相当楽しい。運転音はとても静かだった。
出来上がった焼き豚は、もうやみつきになるほど美味しい!600gの肩ロースの中までしっかり火が通り、余分な脂は調理中に落ちる。だが、パサつくどころか、香ばしくて口の中で肉汁が溢れるほどジューシーで柔らか!下味をつける手間はあるが、出来たてのアツアツの焼き豚の、なんと美味しいことか。
鶏の西京焼き野菜ロール(ロティサリー・マニュアル)
レシピに掲載されている「鶏の西京焼き野菜ロール」も簡単にできた。
レシピに沿って味噌ダレに漬け込んだ鶏もも肉に、シソの葉と下茹でした根菜などを巻いた焼き物だ。タコ糸で縛った野菜を巻いたもも肉をロティかごにセットして、ロティモードをダイヤルで選択し、温度は180℃、時間は40分に設定してスタートする。
これがまた絶品でたまらない! 味噌味のもも肉の旨味が野菜に染み込み、ホッとする美味しさがある。切り口は目にも鮮やか。ごはんがバンバン進む一品となった。
このレシピを普通に作ろうとすると結構な手間がかかるだろう。直径が7cmほどになる巻いたもも肉をフライパンで転がしながら表面を焼き、次にオーブンに移して低温でじっくり焼き上げる必要があるからだ。火加減を失敗すると焦げたり、肉がパサパサになる事だってありうる。ところが、ロティサリーグリル&スモークで調理するなら、任せっきりで簡単に調理できてしまう。
オート、マニュアル共に、肉がふっくらと柔らかジューシーに仕上がったのには、もちろん理由がある。遠赤外線ヒーターは外側をこんがりと焼き、近赤外線ヒーターは肉の中をしっかりと温める。
肉をゆっくりと回転させながら、性質の異なるヒーターのダブル加熱で、しっかり・じっくり・丁寧に焼き上げる。この方法で肉のタンパク質の凝縮を抑え、柔らかくジューシーに仕上げてくれるのだ。
煙はどこ? 室内で燻製づくりも簡単に!
燻製玉子と燻製豚(くんせい高温)
食事だけでなくお酒のつまみにもなる「燻製玉子」と、豚バラ肉のかたまりで作る「燻製豚」も作ってみた。
レシピを参考にしながら、塩味を付けた固茹玉子とタレに漬け込んだ半熟の味玉に、やはり塩・コショウで味をしみこませておいた豚バラ肉を下準備しておく。燻製をする前に、味が染みた玉子と、豚バラ肉の表面の水分をキッチンペーパーなどで拭き取り、ラップをしないで冷蔵庫に1時間ほど入れて表面を乾かしておく。
下準備は多少手間はかかるものの、燻製作業はとても簡単だ。
いずれも燻製チップ15g(大さじ3)を「くんせい容器」の中央に敷き、アルミホイルを巻いた網を置き、間隔を置いて食材を並べる。くんせい容器をアルミホイルでぴっちり覆たら、そのまま本体にセットする。
どちらも「くんせい高温」をダイヤルで選択し、卵は17分、新しいチップを入れ替えて豚バラは30分で仕上がった。
できあがった燻製玉子はスモークの香りがアクセントとなって、塩も味玉もどちらも美味しい。燻製豚は中までしっかり火が通って香ばしく、一般的なベーコンよりもふっくらとジューシーに仕上がった。時間のある時に作り置きしておけば、食材としても活用できる。
燻製味玉と燻製豚を使ったチャーハンを作ってみたが、普段のものよりも一層香ばしく、ペロリと平らげてしまった。
燻製が終わったチップは、真っ黒になるほど焦げきっていた。にもかかわらず、木が焦げるようなニオイはしたものの、調理中に煙はまるで感じられなかった。
というのも、ロティサリーグリル&スモーク本体の後方には、煙と臭いを減らす工夫が隠されているのだ。煙と臭いを抑える専用のファン、フィルター、ヒーターが組み込まれているのでいつものキッチンで換気扇を回す程度で、気軽な燻製調理が楽しめる。
オーブン・グリル料理もお手の物
ロティサリーと燻製以外にも、一般的なオーブンとグリル調理も手軽にできた。
スポンジケーキ(オーブン 180℃・23分)
庫内はヒーターまでの高さが12cm程度しかないが、火加減が気になるスポンジケーキも見事にムラ無く、ふっくらと仕上がった。
唯一の手間は、調理を始めてスポンジ表面に軽く焼き色が付いた4分過ぎたあたりに、アルミホイルをかぶせてヒーターの直火が当たらないようにするぐらいだろう。焼き上がってホイルを外す時、スポンジ表面が少し剥がれてしま事もあるが、デコレーションをするならまったく問題ないだろう。予熱無しで、焼き色も膨らみも均等な、立派なスポンジが焼きあがった。
ピザ(オーブン・オート・仕上げ弱)
受け皿が250mmあるので、大きなピザも簡単に焼ける。レシピでは、生地から作ってオートのピザモードで作るようになっていたが、今回は22cmのチルドタイプのピザを調理したので、「仕上がり・弱」で焼いてみた。
調理時間は10分弱。チーズやソーセージに軽く焦げ目が付いた、香ばしいピザが焼きあがった。生地表面はパリッ!中はモチッリと美味しい。表面はもちろん、生地の裏面にもキレイなきつね色の焼き色が付いていた。
ロールパン(ロールパンあたため・オート)
一般的なオーブンではパサパサになりやすく、オーブントースターでは焦げやすい厚みのあるロールパンのあたためも、オートボタンを押すだけでできる。
あたためにかかった時間は、わずか3分半。まるで焼き立てのように、表面はパリッと、中はアツアツのモッチリに仕上がっていた。しかも表面は全く焦げていない。この仕上がりならば、忙しい朝でも焼き立てのように香ばしいパンが楽しめるだろう。
手入れは一般的なオーブンレンジと同じ
調理中は油が飛び散り庫内はどうしても汚れやすい。だが、庫内は加熱で油を分解する「セルフクリーニングコート」、扉の裏面は「フッ素加工」が施されており、汚れがこびりつきにくい。薄めた台所用洗剤をしみこませた布巾で、簡単にキレイになる。
パーツの手入れは一般的なオーブンレンジとほぼ同じと言っていいだろう。ロティのかご類、くんせい網は、油脂をキッチンペーパーで拭き取って、熱めのお湯にしばらく漬けてから洗えば、こびりつきも簡単にキレイになる。受け皿とくんせい容器はホーロー加工が施されているので、傷めないように柔らかいスポンジを使って手入れをする。
ロティサリーからグリルまで次々と作ってみたが、どれも思わず誰かに食べさせてあげたくなるほど美味しくできた。特に食材を回転させながらじっくり炙り焼きをするロティサリーは格別だ。肉の旨味が凝縮され、フライパンやオーブンで調理したそれとは一線を画す、ふっくらジューシーで美味しい肉料理が楽しめる。加えて、焼きあがったかたまり肉は見た目も豪華!調理中からワクワクするほど食卓が華やぐ。
価格的には、一般的なオーブンレンジと比較すると高価なのは否めない。それでもロティサリーと燻製は相当敷居が高い調理法だっただけに、その手軽さと美味しさは一度味わうとまた食べたくなるほど魅力的だった。レパートリーが増えるだけでなく、「おうちゴハン」がますます楽しみになるだろう。